- Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063805925
作品紹介・あらすじ
昭和最後の大名人・有楽亭八雲が弟子の与太郎に語って聞かせる、亡き友・助六との約束の噺とは。
感想・レビュー・書評
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洋服が当たり前のいま、着物を着た人の色気ってなかなか表現し難いんじゃないか、と思うけど、
この人の描く噺をしている師匠の色気がなんとも素敵。
助六のくたびれた着物の質感もよくわかる。両方の噺の仕方それぞれがよい。
落語の噺家さんの仕草や所作をよく見てるんだなぁ。
噺の可笑しさを見せるんじゃなくて、黒い背景に浮かび上がる噺家の姿で魅せる。熱気まで伝わってきそうな感じ。時にはんなりと、時に艶やかに語る姿に惹き付けられる。
背景とかは割とざっくり描いてるので時代のリアリティーがいまいち掴みにくいのがもったいない。
読むと、寄席に行きたくなります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
男女とはよく分からないものだと感じてしまった。
みよ吉が不憫な様な、怖いような
助六と菊の二人は極端に違う正確なのも魅力的。
如何にも芸人風な生き方の助六も菊の真面目な生き方も、みよ吉の生き方も納得してしまう。
作り込みが素晴らしく、どんどんハマる! -
2019.2.3市立図書館
鹿芝居で一皮むけた菊比古と意気上がる初太郎、そろって二ツ目から真打ちへ。落語への情熱という点で結ばれつつも、コツコツと努力を重ねる菊比古と金にも女にもだらしなくやりたい放題の初太郎は好対照、みよ吉はツレない菊さんひとすじだけれど、真打ち昇進を潮に別れを切り出され、一方の初太郎も師匠から破門され…
巻末番外篇2は与太郎による「浅草に来ないか」浅草演芸ホールの紹介。 -
話芸の道を行く若い噺家二人。高座裏での肩の組み方が、男同士の「ガッ」という感じより、何かこう…「覇王別姫」を思い出させるような。
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依然、好調というより、風情たっぷりで、物語に深みが出て、作者の真価が発揮されてきたようです。菊さんとみよ吉が雨の日に出くわすシーンは、「濹東綺譚」を彷彿させる情感がありました。どうやら助六は破滅型の天才だったようです。これからの展開が心配です。
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雲田はるこ先生、絵はすごく好きなのに今まで読んだの(BL)はなんとなーくハマらなかったんですが、これはすごく!!良かった!!!
別段落語に思い入れはないんだけど、落語のシーンにいちいち鳥肌が立つ。自分の話で客が湧いて、トランス状態みたいな、ぞくぞくするような興奮と高揚、落語に取り憑かれちゃってる男たち、そういう表現がものすごかった。色気が、紙から匂い立つようだ!
そして落語スタイルのまったく違う菊比古と助六が、違うやり方で落語の未来を作ろうとするのが健気で泣けました。反発したり嫉妬したり否定したりしながら、ときには落語が大嫌いになったりしながら、やっぱり落語が好きで好きでしょうがない、落語やんなきゃ生きていけない、っていうのがね、どうしようもなく健気というか、一途で憧れる。
あと江戸っ子言葉がすごく良い…!「人」に「しと」ってルビが振ってあったりするのね。あと語尾の「〜かエ」とか「帰れ(けえれ)」とか、いちいち!細かいこだわりなんだろうなあと思います。
雲田先生は男性独特の関係を描くのがものすごく巧みなんだと思う。ていうか、女が入り込めない男性同士の関係への、強い憧れというか、執念じみた感情すら感じる。噺家や男の人のどういうところに憧れてるのか、どういうところに魅力や色気を感じているのか、読んでるだけでバシバシ伝わってきます。雲田はるこ、天才なのか?早く続き読みたいです。 -
主人公とは一体誰だったのか༼≖ɷ≖༽
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与太郎の「ししょーがかっこいいからまあいいかウヒヒ」に同意。
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実に絵がいいです。表情が素敵で、話にうまくシンクロしている。落語の描写もよいです。名作ですよお。