千年万年りんごの子(2) (KCx)

著者 :
  • 講談社
4.05
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本棚登録 : 816
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063806250

作品紹介・あらすじ

第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作!!

六十年前に絶やしたはずの祭儀の復活により
朝日は、おぼすな様という土着神の妻となった。
りんごの市場価格の暴落により、“一挙更新”を迫られる村で
陸郎から村の言い伝えを聞き出した雪之丞は
朝日を連れて東京に戻る決断をするが……!?

愛する妻を守るため、夫は神と闘う!

第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作!!六十年前に絶やしたはずの祭儀の復活により朝日は、おぼすな様という土着神の妻となった。りんごの市場価格の暴落により、“一挙更新”を迫られる村で陸郎から村の言い伝えを聞き出した雪之丞は朝日を連れて東京に戻る決断をするが……!?愛する妻を守るため、夫は神と闘う!

感想・レビュー・書評

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  • 何だか分からないモノってやっぱり怖い。
    でもスイッチの入った雪之丞さんは本当にかっこいい。

  • 東京でのふたりがかわいらしく仲睦まじく描かれていて、
    だからこそ戻る列車の見開きの黒いページが、真っ暗に見える
    真っ暗い青森へ急ぎ帰ってしまう。。。

    繊細な白と黒の世界 この方の作品はカラーより断然モノクロの絵が好きです
    この細い線で編まれるお話が 真っ黒な行き先でありませんように!

  • 60年前までおぼすな様という山の神様に人身御供をしていたということを雪之丞が知ったところから。

    その土地を離れれば災厄を逃れられるかと思いきや、他の家族が引かれてしまったため戻ることに。

    神さまとのやり取りを無かったことにするのは難しそう。
    意図してやった事ではないのが、理不尽さをより際立たせる。

    朝日は子どもの姿にまで戻ってしまって、もうどうすることも出来ないのかな?

  • 2013-5-15

  • "「…君も僕を嫌っているんだと思っていた」
    「勘違いすんなよ
    余計なことはすんな ただ 最後まで見ろ」"

  • 雪之丞がとても頼もしくなっていて、なんとか二人の仲を引き裂かないでほしいと思ってしまう。

  • 封印から解けたかのように、次々と湧き出す雪之丞の怒りの感情。与え奪う神への怒り、朝日を貶した大学の同級生への怒り。どれも朝日を思ってのものだ。陸郎に朝日のことが好きなのかどうか聞かれて「わからない」と答えてはいるが、彼のなかですでに朝日が大切な人になっていることが見て取れる。

    前の雪之丞なら、自分の選択が神に決められていたものだったと言われても、抵抗することなく運命を受け入れただろう。失うものがなければ、流されるままでも支障がないからだ。「自分も生きていていい」という安心感と、それを含め新しい感覚を与えてくれた朝日。失いたくないものができた。「大切なものを奪ったり傷つけたりするものがいるなら戦ってやる」という覚悟を決めた雪之丞の姿。かつての級友はその変化を感じ取り、「やっと本気になったな」と評するのだ。

    東京への逃避行間の二人が、これぞ新婚さんで微笑ましい。朝日が買ってもらった指輪はアメジスト。アメジストならリングは金色が似合う(勝手なイメージで)。華奢な指に細身のリングがよく映える。この場面はお互いの照れ場面が多くて、1巻でほとんどなかった夫婦のやりとりが凝縮されている感じ。「僕は君を土葬するんだろ」は、この上ない愛の告白だ。不器用な雪之丞に、顔を真っ赤にしながら「死ぬまでそばにいる、看取ってやる」と言われた朝日はどんなにか嬉しかっただろう。

    その逃避行はあっけなく終わる。逃がしてはもらえない。逃げた本人に災いが降りかかるのではなく、代わりに「姪」を連れて行くところが恐ろしい。自分が逃亡したツケに、見せしめとして幼い姪が代償になる。帰らざるを得ない。脅迫だ。直接的に自分の身に危害が及ぶより、周りを削られていく方が、より恐怖と絶望感を感じる。

    朝日に起こった出来事を報告した総代会でも、同じように外堀を埋められていく。一度絶やした祭の再発に激しく怯えながらも、メリットがあれば受け入れてしまう村人たち。朝日を犠牲にする代わりに村の平和(=りんごの一挙更新)を願う、「人柱」制度を公的に肯定した場面だ。多数のために個を見殺しにする。周りが一斉に自分の周りから引いていく。雪之丞はこのとき、群集心理の恐ろしさを一身に感じていたことだろう。

    雪之丞につらい思いをさせたくないという計らいから、心を鬼にして自分から切り離そうとする朝日。もらった指輪は中指から親指に移り、村に戻ってからまた朝日の変化が進んでいるのがわかる。でも雪之丞はもう覚悟を決めてしまった。自分を誤魔化して生きることをやめた雪之丞は、陸郎が驚くほど頑なに強引に、何としても朝日を助ける手段を探そうとする。そのためなら盗みも厭わない。これで蔵の中の帳簿が手に入ったらどんなことがわかるのか、予想ができない。ハッピーエンドになるのかどうかも…。

  • まさに。蟲師。

  • 結婚した後に、とあるトラブルより、神にささげられる立場となった?朝日。きれいなのにね~。どうなるんだろうね~。

  • これの評価が高いのがわからない

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著者プロフィール

たなかあい/三重県生まれ。 漫画家。 『千年万年りんごの子』で第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞。 そのほかの作品に、 短編集『地上はポケットの中の庭』、 長編『LIMBO THE KING』『その娘、 武蔵』(すべて講談社)などがある。

「2021年 『怪奇漢方桃印 なかなかやばいの 違反解除湯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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