昭和元禄落語心中(6) (KCx)

著者 : 雲田はるこ
  • 講談社 (2014年8月7日発売)
4.09
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063807080

作品紹介

師匠と交わした約束を
胸にしまって芸を磨き
ついに与太郎、真打に。
射止めた名跡は三代目助六。
八雲師匠の為め、助六の血を継ぐ小夏の為め、
焦がれて手にしたはずなのに、
おのれの落語が揺るぎだす――。

八雲と小夏、二人の中の助六を変える為めの
与太郎の落語とは――!?

師匠と交わした約束を胸にしまって芸を磨きついに与太郎、真打に。射止めた名跡は三代目助六。八雲師匠の為め、助六の血を継ぐ小夏の為め、焦がれて手にしたはずなのに、おのれの落語が揺るぎだす――。八雲と小夏、二人の中の助六を変える為めの与太郎の落語とは――!?

昭和元禄落語心中(6) (KCx)の感想・レビュー・書評

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  • 1巻~6巻まで読了。

    刑務所の落語慰問会で聞いた「死神」という噺に心打たれた強次は
    出所後その足で寄席に押しかけ、
    弟子をとらないことをポリシーにする有楽亭八雲(やくも)に
    持ち前の人懐っこさでなんとか弟子入りを果たす。

    強次は落語言葉で
    バカで間抜けな男を指す「与太郎」と呼ばれ、
    右も左も分からぬ寄席の世界で奮闘していく…。


    ヤクザから落語家への転身と言えば
    嫌でも宮藤官九郎脚本、長瀬智也主演の傑作ドラマ
    『タイガー&ドラゴン』を思い出してしまうけど、
    いやはや、それに負けず劣らず
    コレ、ホンマいい漫画なんです!
    (『ちりとてちん』『しゃべれども しゃべれども』にしても落語を題材にした映像化作品はなぜか良質なものが多い)


    まず、主人公となる与太郎が
    バカでお調子者なんやけど、
    子犬のような人懐っこさで何言われてもめげないし、
    ヤクザをやってたハンパ者やけど
    落語がホンマに好きやということがヒシヒシと伝わってくるんですよね。

    そして最後の大名人と呼ばれ
    落語と心中するが口癖の
    有楽亭八雲。

    このオッサンがまた、

    あっ、失礼!
    師匠がまた、どうしようもない頑固ジジイなんやけど(笑)、
    その反面、与太郎を孫のように
    可愛がっていて
    文句言いつつも
    いつも気にかけてるところが
    なんとも微笑ましいし可愛いんですよね(笑)

    そしてこの八雲、
    女を演じると途端に艶っぽくなり、
    その生き様からくる言葉や立ち振る舞いが
    なんとも粋で味があるのですよ!

    しかしなんと言っても
    八雲の良きライバルであり、
    稀代の天才と呼ばれながら
    若くして事故で亡くなった有楽亭助六の
    だらしなくて破滅型の生き様に、
    同じように阿呆な生き方をしてきた僕は
    どうしても共感してしまうんよなぁ~( >_<)

    あと助六の娘で
    彼の死後、八雲が養子として引き取り
    以来一緒に暮らしている
    料亭勤めの気の強い女性、小夏。

    小夏は自分の親父が死んだのは
    八雲のせいだと思い込んでいて、
    親である助六の芸をなんとか残したいと思ってるんやけど、
    女であることから
    落語家になることすら許してもらえず悶々とした日々を過ごしているんです。

    このへんのどうしようもない苦悩や葛藤が切なくて
    たまらんくなります。


    とにかく全編胸を打つ印象的なシーンの多い漫画やけど
    あえて好きなエピソードを挙げるなら、
    与太郎がヤクザ時代の兄貴分の前で
    初めて手応えのある落語を披露できたシーン。

    破門を取り消す代わりに
    与太郎に三つの約束を言い渡すシーン。

    小夏の母である芸者のみよ吉の報われない恋の話を聞いて
    助六が思わずみよ吉を抱き締めてしまう
    祭りの夜の切ないシーン、

    あとは
    縁側でまだ小さな小夏のリクエストに応えて
    「野ざらし」を披露する菊比古。(若かりし頃の八雲の名前)
    そこに助六が割って入る
    今は叶わぬ二人の豪華コラボのシーン、
    かな。


    それにしても
    臨場感溢れる落語シーンの素晴らしいこと。
    聞こえないハズの音が聞こえる
    落語漫画なんて
    初めて読んだなぁ~(笑)

    真打ち昇進披露で助六が『居残り』を話すシーンの
    心躍ること。

    同じ人間の幾通りもの顔を演じる
    助六の、その表情の豊かさに
    ネタを知らずともグイグイ引き込まれた。

    誰かが落語は消えゆく運命、
    落語なんてもう終わったなんて言ってたけど、
    (八雲も言ってたけどね笑)

    愛すべき眼差しで描かれる
    様々なバカな人間を主人公に据え、
    時代は違えど今も変わることのない
    「人間同士の交流の仕方」を物語に落とし込む落語という伝統ある芸能が
    そう簡単に死に絶えるわけがない。
    少なくとも僕はそう信じていたい。


    それにしてもシリアスオンリーではなく
    毎回おもしろおかしく描かれているにも関わらず、
    物語全編に漂う艶やかさと色気と
    読み終わったあとに香る叙情よ。

    はぁ~、たまらんなぁ~( >_<)

    こういうのを読むと
    小説もっと頑張れーって言いたくなる(笑)

    この巻では
    家族を背負い生きていくことを固く誓った
    与太郎改め「助六」の覚悟と
    決意表明とも言える
    ヤクザの親分への一世一代の啖呵、
    そして物語の最後、小夏が息子につぶやく
    「父ちゃんの落語が聞こえるよ」には
    激しく心動かされました!


    あっ、そうそう、
    余談ですが
    「ダ・ヴィンチ」誌上で言ってたけど、
    俳優の大泉洋が周囲から助六を演じるなら
    あなたしかいないと言われたらしく(笑)
    以来本人も作品にハマってるみたいです。
    (やっぱそこは天パ繋がりか!笑)

    僕の中でバカで愛嬌ある与太郎は
    やっぱ長瀬智也で自動的に変換されてしまうんやけど、
    実写化されるなら誰がいいんかなぁ~。

    個人的には
    小夏は若手実力派の蓮佛美沙子!
    これは鉄板!(笑)

    若かりし頃の八雲(菊比古)には
    ひょろっとした体格で色気のある若い役者と言うことで松田龍平か高良健吾か
    成宮寛貴かな~
    次点で玉木宏とか(笑)
    演技力と色気なら森山未來。

    爺様になった八雲は野村萬斎か松本幸四郎か。

    助六の若い頃なら
    「るろうに剣心」で相楽左之助役を演じた青木崇高が風貌からしてベスト。
    (演技力では前述の大泉洋やけど…)

    みよ吉役は色気という点で
    真木よう子、長澤まさみ、
    あと歳に目をつむれば麻生久美子かな(笑)

  • 竹を割ったような性格の与太郎が、雑誌の記事に落ち込みながらも「自分の落語」で思い悩んでいる姿など、落語を演じる者としての視点から話が進行しているのがよかった。
    今更ながら、表紙の裏が和文様であったことに気づき、さりげないところが粋だなぁと思いました。
    噺家以外が落語をやること自体なかなか難しいのではないかと思いつつも、次巻のアニメ化気になります。

  • 全10巻読了。もう八雲&助六の回想はなさそうな与太郎編。襲名するので正確には助六。「決別じゃなくて 抱えて生きろ 罪を忘れるな それが人間の業ってもんさ」と八雲が与太郎と自分の身に伝える。「業」と言う言葉がこんなに似合う人っているだろうかと思いつつ読む。そして子ども(男の子)描かせたら天一の雲田画伯の子どもキター、文句なく可愛い。そして誰もが思っていた「その子誰の子」問題を与太郎が落語で斬り込む巻。

  • 2018/01/20購入・01/21読了。

    与太郎の落語がどんなものなのか気になる。落語を演じる噺家は役者でもあるのだなあ。

  • 時が流れるのが早い。
    ハチャメチャなイメージだけど、実は器の広い与太郎の、自分ならではという落語がどんなものになるのか楽しみ。

  • 小夏のエピソードは唐突です。母の血を注いでいるというなら、伏線となる挿話が必要でしょう。今後の展開に不安がよぎりますが、是非とも八雲助六編にあった高揚感をもう一度味わいたいですね。

  • 与太郎編に戻ってきたものの、既に八雲に心掴まれて与太郎にはそれほど興味なし(笑)しかも小夏が面倒くさくてどうにも好きになれない。そんな私を変えてくれるような展開をこれからに期待。

  • 真打に昇進したものの、自分の落語がどういうものかつかみきれない与太郎。
    かつて中途半端に彫った背中の刺青を客の前にさらけ出したりしてしまう。
    いっぽう、師匠八雲のもとへ顔なじみの作家・樋口栄助が現れ、「これからの落語の生きる道を模索したい」と言う。八雲は自分の落語を自分で終わらせて死ぬ気でいるが樋口はそんな八雲の落語を後世まで残したいという。

    そんな中、小夏がかつて勤めていた料亭に警察の捜査が入るという。捜査対象はやくざの親分。小夏のことを可愛がってくれている料亭の女将・お栄は彼の愛人だった。
    そのことを知り、小夏は真っ青になって料亭に駆け付ける。
    八雲と親分は既知の間柄。与太郎も後を追い、親分に対面する。
    そこでのやりとりで、与太郎はこの親分こそが小夏の子供の父であると思う。
    しかし与太郎は何もかもを堪えて、小夏の子供の父は自分だ、とはっきり言う。
    小夏は与太郎に「八雲とも助六とも違う、あんたの落語が見たい」という。

    夜。
    八雲は与太郎に「お前には我欲がない。自分がない」と言い、それを克服するために「居残り」という演目を覚えろという。
    「居残り」は先代助六である小夏の父が得意としていた演目。
    八雲は与太郎の前で、かつての助六の生き写しのような「居残り」を演じてみせる。


    親分さんは何もかも知ってたのかしら。
    いざってときは自分が小夏の子供の父親だと名乗ることになってたってこと…?

  • 師匠かっこいい

  • 筋彫りとは言え背中の入墨が世間にバレ、客足が引いた寄席でカラ回りし、落ち込むヨタ。「自分の芸」が見つけられず悶々としている中で、小夏の相手が自分と関わりがある人物だと発覚し。

    うなされる小夏に添い寝してやる八雲師匠。どんなカタチであれふたりも親子だと思うんだ。小夏とヨタの関係も少しだけ変化したようだし。

    金魚を家族と同じ数だけ、ヨタのこんな優しさがむずがゆいような、泣きたくなる。

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