昭和元禄落語心中(9) (KCx)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 773
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063808322

感想・レビュー・書評

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  • 泣けてくるなぁ…
    くもはるさん、漫画が本当に好きなんだろうなぁ…って『落語心中』の9巻読んでて思う。そして、当たり前なんだが、人間を描くのが漫画であり、創作であり、文化の一つなんだと思う。
    絵を描くのが好きで漫画描いてる人と、漫画と言う文化そのものが好きで描いている人と、具体的には言えないけど、そこに差がある気がする。頭の中の架空のお話を二次元にする、と言う作業は結果として同じになるけど、頭の中の物語を絵にするのと、頭の中の空想や妄想を絵にするのとは違う気がする…。
    漫画は、この人の生きてる姿を描き写したい、じゃなかろうか。イラストは妄想をパッシャっと写真撮るみたいに紙に写し取る作業、って気がする。イラストの連続でもコミックスになる、ってだけかも。
    設定ではなく人間を描く、この差は大きい。

    与太みたいな人間は「解放者」ではない。彼自身も道に迷って、八雲師匠の落語を聞かなければチンピラのままで終わったかもしれない。懐がデカいとか、人間がデカい素養があるのではなく、人に裏切られても人は人であり、人を見限らない人間臭さが素晴らしいんだろう。

  • 全10巻読了。信ちゃんが小学校入学の巻。制服姿可愛い!ランドセルも似合ってます!はおいといて八雲が刑務所慰問で復活する演目は「たちきり」。みよ吉、助六、死神(落語じゃない方)…と霊達の存在が強い巻。10巻末に載っている参考資料には水木しげるの名前も。

  • まさかまた八雲師匠の死神が見れるとは...思わず涙した。
    自殺未遂にも近いあの結末と、助六の本意が気になる。そして八雲師匠を守る、二代目助六こと与太郎は段々チート化してきたなww与太郎が出てくるだけで安心してしまう。

    一番の驚きは小夏も幽霊みよ吉が見えてたっていう新事実!!!いやー、すごい盛り上がりの巻だっただけに次巻の結末が気になって仕方ない。とりあえず八雲師匠にだけは誰よりも幸せになって欲しいなぁ。

    美しい桜色の表紙が、ハッピーエンドを期待させる。最終10巻はなんとなく白かなと予想。1巻との良い対比になるのでは。

  • 与太郎改め三代目助六が八雲師匠も小夏も同席する高座にかけたのは、初代助六が最後にかけた「芝浜」。八雲師匠は慰問で「たちきり」をかけ、みよ吉の亡霊に若旦那の小糸への思いのたけを語る。与太ちゃんの「居残りの会」にふらりと現れた八雲は、ひーさんに「品がない」などと酷評するが、お守り代わりにずっと持っていた初代助六の扇を与太ちゃんに託す。一方、萬月は八雲師匠から「応挙の幽霊」の稽古をつけられ、ひーさんに「つまらない」と言われながらも与太ちゃんにできない落語を継ぐのが萬月の使命だと諭す。

    与太ちゃんつまり三代目助六と萬月という次世代に託すべきものを託したと感じたのか、八雲は終業した雨竹亭に現れ、誰もいない客席に向けて『死神』をかける。自らが愛した昭和の落語と心中するかのように。あらわれた助六の亡霊が死神に変身し、八雲を連れ去ろうとする寸前、与太ちゃんが現れて手を伸ばす。「嫌だ 死にたくない たすけて」と、初めて心の奥にある本音を口にする八雲を、助六が救い出す。

    みよ吉の霊を八雲師匠以外にも小夏が見ることができたり、初代助六の霊が八雲と口をきいたと思えば死神に変身したり、謎が解けるのは最終巻となる次巻でしょうか。

    落語は、八雲師匠が望むような形ではないけれど、人とともに生き、三代目助六と萬月に託される。かつての二代目助六と八雲襲名前の菊比古のコンビのように。

    最終巻に向けての謎をいくつか。
    ・助六、みよ吉の死の真相。松田さん証言ではみよ吉が助六を刺したそうだが、動機は何か。菊比古の誘いに乗って東京で落語界に復帰しようとした助六と父について行こうとする小夏を殺して、かつての菊比古と自分だけの世界を取り戻したかったのか、自分から菊比古を奪った落語に復讐するために菊比古の無二の同志である助六を滅ぼしてしまいたかったのか。
    ・親分と八雲が共有する秘密。どうやら与太郎が組を抜ける前から親分さんとは面識があるようだ。最新刊の様子では、信之輔くんの父親が親分さんじゃないかという疑いに加えて、親分さんと八雲はもっと深い秘密を共有しているかも知れない。
    ・八雲と小夏にだけ見える、助六とみよ吉の意味。9巻最終場面としては八雲の自滅願望(落語の心中相手となるはずだった助六を喪って以来の厭世観)が助六の姿に化けた死神を見せたという気がするが、八雲の生きることへの執着(たぶんまだ何かやり残したことがあったり、思いを伝えきれていない未練がある)と次世代の落語を象徴する三代目助六(与太郎)が救出した。ならば、助六とみよ吉の亡霊(?)は八雲と小夏に何をつたえたかったのか。
    ・八雲はいつどのようにして終焉を迎えるのか。思うような時に思うような死に方ができないのが人の世の常だけど、タイトルにある「昭和元禄落語心中」を象徴する死に方としては、現代に落語の居場所を造ろうと約束した助六亡き後、自分が旧い時代の落語の伝統を全部ひとり抱えて亡くなることで落語と心中することが第一巻時点での八雲の意思だったと思う。しかし、自分と助六の落語を受け継いで再構築することに成功した三代目助六(与太郎)、女落語家にはならなかったが下座さん・お囃子さんとして寄席を支える不可欠な鳴り物スタッフになった小夏、どうやら助六の落語遺伝子をもって生まれて三代目助六の父性愛を受けてすくすく育っていく信之輔、上方落語の生き残りとして再興に苦闘しながらキャラ的にはかつての生真面目で面白くない菊比古を思い出させるので使命感を持ったら九代目八雲を名乗れるぐらいに化けそうな萬月師匠、助六と萬月さんを知的に支えるひーさんと、当初は考えてもいなかった落語の継承が進みつつあるようだ。なので、最終巻の予想では、三代目助六が八雲の型でも助六の型でもなく両方の特徴を持ちながら与太郎の型になっている「死神」をかける高座(前巻で寄席が燃えちゃったんで、どこになるかな)を袖で聴きながら、眠るように亡くなっている(小太郎ちゃんとか前座さんが揺り動かしてみたらもう彼岸に行っていた)というラストを希望。
    ・そして、焼き場で空に上がっていく煙を見上げながら、信之輔くんが「野ざらし」をかけるのを、三代目助六、小夏、松田さん、萬月さんなど落語関係者が見送る。

    もうひとつ考えたラスト。寄席に火をつけた罪で鈴ヶ森刑務所に収監された八雲師匠が、親分さんはじめ収監された人たちの前で、毎日「死神」をかける。そして、ある日、助六みよ吉から迎えが来て、高座終了と共に力尽きて死ぬ。

    ……って想像し過ぎ?

  • 師匠!!!!!!

  • え?え?どういうことなんだ?

    みよ吉はずっと小夏や八雲のまわりをうろちょろしててそれは小夏にはずっと見えてたっていうのか。
    みよ吉どういうこと?

    そしてこの物語の終盤でまた「死神」が出てくると思ったらもう出てきてしまった‥。
    八雲死なないで。

    この感じだとみよ吉だけじゃなくて助六も悪霊っていうか死神みたいだけど違うって信じてる。

  • いや~、震えますね。落語に殆ど接したことがなくても、そこで演じられる芸術が見えてくる気がするのは凄い。師匠の魂の物語、次で大団円を迎えるみたいですが、どんな感動が待っているんでしょうか。気になりますね。

  • いよいよクライマックス!弱ってゆく八雲さんに色気を感じてしまいます。それにしても警察を一喝した女将さんカッコいい!惚れます。みよ吉さんが小夏ちゃんにも見えていたなんてビックリです。次巻いよいよ最終巻。物語がどのように終息へ向かうのか気になります。師匠、生きて〜!

  • 次巻で完結❗
    寂しい~

  • 過去の話が終わって、これからどうなるの?と呑気に構えていた自分を殴ってやりたい第9巻。
    皆が歳を重ねて、このまま色々なものを抱えたまま終わらせて……はくれない感じ。

著者プロフィール

漫画家。2008年、短編『窓辺の君』でデビュー。2010年より初の長期連載『昭和元禄落語心中』を「ITAN」(講談社)にて執筆開始。2014年第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第38回講談社漫画賞・一般部門を受賞。2017年手塚治虫文化賞の新生賞を受賞。同作完結後は三浦しをん原作の『舟を編む』をコミカライズ連載中。そのほかBL作品を多数発表。

「2017年 『落語の入り口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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