昭和元禄落語心中(10)<完> (KCx)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063808766

作品紹介・あらすじ

都内でただ一軒残っていた寄席が焼失。
燃え盛る炎から間一髪救い出された八雲は、
自分の落語に絶望しながらも、なんとか生き延びた。
それから幾日、春の東京に訪れたある日。
与太郎こと三代目助六は、小夏との念願を叶えた事を知る。
満開の桜の中、ようやく八雲に正直な気持ちを伝えようとする小夏。
そんな中、「助六」の落語が聞こえてきて、二人を温かく包むーー。

落語を愛し、落語とともに生きた八雲と助六の物語、
ついに完結――!!

都内でただ一軒残っていた寄席が焼失。燃え盛る炎から間一髪救い出された八雲は、自分の落語に絶望しながらも、なんとか生き延びた。それから幾日、春の東京に訪れたある日。与太郎こと三代目助六は、小夏との念願を叶えた事を知る。満開の桜の中、ようやく八雲に正直な気持ちを伝えようとする小夏。そんな中、「助六」の落語が聞こえてきて、二人を温かく包むーー。

感想・レビュー・書評

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  • 本当に素晴らしい最終巻。こんな終わりとは。途中から鳥肌がたち没入した。「憎しみも執着も嫉妬も羨望も。若い私にはかかえきれないほどたくさんね。けどそれって簡単にまとめたら恋って感情だったんじゃない?いまなら思えるわ。そんな気持ちどうにドブに捨ててやったけどね。苦して辛くて若いってめんどうね。」作者は、落語への愛と台詞力と構成力で、芸、人のどうしようもならなさ、人を慮る心を描き切った。素晴らしい漫画だと思う。

  • 終わった。ついに終わってしまった。何代にも渡る人々の人生を通して、ここまでの完結が待っているとはさすがに思いもしなかった。与太郎の最後の死神は震えた。

    信之助の父親はまぁ、だろうなぁという感じだったが、それで良かったのかもしれない。

  • 菊さんが人生を、自分の落語を全うできて本当に良かった〜と心の底から思ってます。与太ちゃんはみんなを繋いでくれて、立派な噺家さんになって、小夏も幸せにしてくれて。信ちゃんマジでイケメンだし、初天神の描写は鳥肌モノ。松田さんの最後の涙は抱きしめたくなる。そしてラストの寿限無〜!信ちゃん見つけたときのあの笑顔〜!こんな素敵な作品をつくってくれて本当にありがとうと作者の方に伝えたい…!そして最終話載ってたITAN買った後、その前の数話も我慢しきれず電子書籍で購入して数十回読んだのにも関わらず、こんな大げさなレビューが書ける自分が恐ろしい!

  • 八代目、うまいこと逝きゃあがったなぁ。
    いっそ自分もろとも落語の息の根を止めてやろう…という題意もあったようだけど、先に逝った人たちも後に続く者たちも、よってたかってそれを許さなかった。芸に身を削ったこと、誰も放っといてくれなかったことが、桜の季節の救いにつながっていったよう。佳い物語に出会えた。ご馳走さまでした。

  • この漫画の主人公は結局のところ、八雲師匠(菊さん)だったんですね!笑
    というくらい、菊さんあってのお話でしたね。

    小夏さんについても賛否両論あるかと思いますが、昭和の時代なんで…そんなもんかなという気がしています。

    「苦しくて辛くて若いってめんどうね。一生戻りたくないわぁ。」の老いた小夏さんのセリフも素敵だと思いました。

  • 完結。
    最終巻も与太郎はあんまり主人公っぽくなかった。
    与太郎が八雲を好きすぎるせいで主人公を譲ってしまったのか、あるいはこの漫画の主人公は「落語」そのものなのか。
    この作品のおかげで落語の面白さを知ったので、読んでよかったと思う。

  • 八雲死後の現代における、与太郎や小夏など登場人物それぞれの年の重ね方が素敵だった最終巻。八雲襲名後の与太郎の落語の席では仕草や恰幅のよい着物姿などで、貫禄も表現されていた。
    極楽浄土の描写が、夢のようでいて祭りのあとのような儚さや寂しさもあり、美しかった。最後まで、黒の使い方が印象的な漫画でした。もう一遍通しで読んでみたい。

  • 当初は始まっていきなり、八雲の若い頃の話へと移り、主人公(よたろう)どうなったんだ?みたいな展開でしたが、巡り巡ってなかなかの大団円となりました・・。という感じで満足です。
    特に八雲師匠の道行への移行は、ものすごく上手く作られていて、作者のこの話への愛を感じました!
    作者が最後に書いていらっしゃいました「落語と漫画のある国に生まれてよかった」に大拍手です。

  • 落語のカタチは変わろうとも、落語のココロは引き継がれ、誰も落語を聴く楽しみを奪えない

    おわりまで読んでみると
    助六が早死にし、八雲師匠が昭和を苦しみながら生きたことは、
    まるで必然だったような
    ヨタさんを大きな落語家に育て、信之助ちゃんは八雲じいじとヨタさんを見て育った
    そのことが嬉しいと思う

    人生をかけた芸を披露する八代目八雲と二代目助六には震えた
    この話がアニメでも見られるのかと思うと、さらに震える
    声優さんの話芸ならぬ声芸が聞けるのが今から楽しみでしかたがない

  • 大花火打ち上げたな!すごいな!
    天パ眼鏡、サイコー(意味深)。
    賛否あるとは思う。昭和。落語という芸の世界。これ以上のドラマチックなエンディングなんかない!清廉潔白なんてクソだ。作者の勇気にふるえろ!!
    商業デビューからおってる作者さんという、勝手な思い入れもあって、こみ上げる塊がでかすぎる。

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著者プロフィール

漫画家。2008年、短編『窓辺の君』でデビュー。2010年より初の長期連載『昭和元禄落語心中』を「ITAN」(講談社)にて執筆開始。2014年第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第38回講談社漫画賞・一般部門を受賞。2017年手塚治虫文化賞の新生賞を受賞。同作完結後は三浦しをん原作の『舟を編む』をコミカライズ連載中。そのほかBL作品を多数発表。

「2017年 『落語の入り口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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