昭和元禄落語心中(10)<完> (KCx)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063808766

感想・レビュー・書評

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  • 全巻読破。10巻の唐突で、怒濤のフィナーレが漫画で読むと違和感。
    9巻までの丁寧な描写は、原作だからこその良さがあって読んで良かったけど、逆に、アニメ版が本当に良く出来ていたことが分かった。キャストも最高だったし。

    信之の出自が一番気になっていたので、そこに注目して読んでいたのだけど、うーん・・・。
    そうだったとしての、この八雲師の言葉と態度なら、ちょっとやだなあ。
    いや、だからこそのこの態度で言葉なのだと解釈できてしまうし、信之の造形はどうみてもそうなんだけど・・・。
    そうでなかったことを願ってしまうなあ。

    なんにせよ、助六と八雲、この因縁に満ちた素晴らしい関係は、最高です。

  • 読了:2018/12/30

    最終話…新之助の父親があの人かも、は別に受け入れられたんだが、明かし方がちょっとなぁ。「アタクシはぜーったい口を割りませんでしてよ?」「ぜーんぶまとめて恋だったんじゃないの?」ってほぼ確定したようなもんだよなぁ。
    1話前の生者を呼べる座布団に二代目助六は小夏を呼んだのに対して八代目八雲は新之助を呼んだこととか、大親分と八雲の「口の堅さでここまで」云々の会話とか、2話前の「この気持ちに名前をつけることなんてできない」とか匂わせるものはいっぱいあるのだから、それらからほのめかすだけで十分だったんじゃないか?と思う。小夏さんも樋口先生もしゃべりすぎだ。
    そして与太郎は最後まで超人的いい人。

  • 若いころには行き場のなかった感情の落としどころが見つかる。頑固にこだわっていたことに対して、少し柔軟になる。それが歳をとるということ。最終話で小夏さんも言っていたように、若いってつらいし苦しいし、罪深い。

    落語と心中するつもりでいた八雲師が変化した理由は、積み重ねた経験や時の流れによるものじゃないかと思う。とはいえ、情に抗えず未練を残してしまうことへの苦悩や葛藤を、もうちょっと見たかったな。そのうえでいま目の前にあるすべてを肯定してくれたら、物語としての必然性もより感じられた気がする。

    それにしても、落語が時代を超えて大衆芸能として生き続けていることってすごい。
    江戸から平成までの空気が感じられる、素敵な作品でした。

著者プロフィール

漫画家。2008年、短編『窓辺の君』でデビュー。2010年より初の長期連載『昭和元禄落語心中』を「ITAN」(講談社)にて執筆開始。2014年第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第38回講談社漫画賞・一般部門を受賞。2017年手塚治虫文化賞の新生賞を受賞。同作完結後は三浦しをん原作の『舟を編む』をコミカライズ連載中。そのほかBL作品を多数発表。

「2017年 『落語の入り口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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