- 本 ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063814972
作品紹介・あらすじ
勇者。魔を祓い世を救う定めを持つ者。これは、〈十王国〉時代末期の勇者の物語。少年サーレは、勇者の血を引きながら、町外れのボロ家でひとり暮らしていた。その理由は、勇者でありながら魔物の体液――どころか瘴気だけでダメージを受けてしまう、その体質にあった。魔除けの紋を施した布で頭から覆いながら、魔物を倒しわずかな報酬を得る日々の中で、サーレはある決意をする。幼なじみでやはり勇者の血筋である少女・シムルが魔物退治の旅に出る晴れやかな姿を見送った後、サーレもまた旅立つ。魔物と対峙することを運命づけられた立場を変えるために。目指すのは、初代勇者の仲間でありながら忌み嫌われる魔女の一族が住む城で――!
感想・レビュー・書評
-
RPG的ファンタジー世界のお約束に理屈を付けたり逆手に取る作品は多くありますが、ここでもそれが活かされています。
魔物の瘴気にダメージを受ける勇者、勇者を裏切ったとされる魔女の一族、幼馴染で同じく勇者の少女。テンポ良い物語展開にのめり込みます。
で、それだけでなく。なんと殊能将之の『キマイラの新しい城』のオマージュ作品だと知り驚く。
表紙絵とタイトルだけで選んで読み始めてみたらイスルギーですからね。いやあこんな偶然の出逢いがあるとは。
知らなかったことに恥じ入りながらも、知らなかった故の喜びを感じています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
地味目で進行も遅めやけど、よく練られてる感じがする。
魔王より人間の方が脅威やな。 -
ファンタジーものとして手堅い作りなため意外性はそれほど感じない展開だったけれども、登場人物たちの勇者観だったり素朴な感情に根ざしたけれど目的や状況のせいでねじくれてしまった関係は面白かったかと。またRPGネタを合理的に説明するメタなネタにクスリ。
銀髪美少女キャラと化した魔術師イスルギー、ポンコツじゃないのでどちらかというとアントニオな印象だし大好きな大将とアントニオが一体化してついでに美少女化したと考えると納得がいく。あとがきは誇張なく「キマイラの新しい城」「殊能将之読書日記」の宣伝でした。
安藤白悧の作品





