自殺するには向かない季節 (講談社ラノベ文庫)

  • 講談社 (2017年5月2日発売)
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本 ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784063815962

作品紹介・あらすじ

永瀬はある朝、同じクラスの生徒、雨宮翼が列車に飛び込む瞬間を目撃してしまう。なぜ死を選ぶのかその理由を考えるが答えは出ない。そんな永瀬に、友人の深井から蝶は羽ばたかないという言葉とともにあるカプセルを渡される。それはとても小さなタイムマシンであり、バタフライ効果の根源に作用するという。半信半疑ながらその日の夜にカプセルを飲んだ永瀬が目覚めると――二週間以上も過去に戻っていた! そして永瀬は、雨宮と雨の屋上で出会う。会話の流れで、彼女の希望を知っていることがばれた永瀬は、希望の実現――自殺の方法を調べることを手伝うことになり――!
青春を鮮烈な筆致で描く、<大賞>受賞作が登場!

感想・レビュー・書評

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  • 1巻完結。
    "死ね"、を簡単に吐く人への警告なのか呪詛なのか、あるいは告解なのか。
    主人公は自分の吐いた"死ね"で同級生が自殺したことを気に病んで、過去に戻った。てっきり同級生=雨宮翼を救うために奮闘するんだろう、と思ったら自殺の手伝いをするとは驚いた。手伝いをする、といったが正確には雨宮にさせられる訳で、この雨宮翼という少女かなり怖い。船乗りを死へ誘うセイレーン、といったところか。もう一人、屋上仲間の深井はメフィストフェレス。主人公の弱みに忍び寄り、より深い罪に誘う果実=タイムリープする薬を与えるのだ。
    この作品自体にも死神が潜んでいる。文章の端々に"希
    死"、いや"否生"がある。なんとなく思っていることがリアルな文字で突きつけられる。あぶないあぶない…
    この作品を新人賞大賞に選んだ講談社の選考者、冒険者だね。
    ラストシーンは罪深い。もしかして雨宮翼、割りとイイ女?

  • 『自殺した少女』に執着する主人公
    いきなりタイムスリップが出てきますが、不思議と無理矢理感はしませんでしたね

    主人公のヒロインに対する感情が愛とかでなく、何となくからくるものなのが新鮮で楽しめました

  • クラスメートの自殺を目撃した主人公。大して仲良くない相手だが、その理由も分からない。そんな中で悪友からタイムリープできる薬をもらい、クラスメートの自殺を手伝うことになる。 全体的に淡々とした文章ながら後半、主人公が自殺を手伝う理由が語られた時、鳥肌が止まらなかった。全体の色合いが変化し、強烈な色合いを帯びました。ストーリー自体は死を題材にしつつもよくある展開で安心して読んでいたために、やられました。 ヒロインの心情も主人公も悪友も、嫌な奴ですが嫌いにはなれないいい塩梅だと思います。好印象な作品でした。

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