楳図かずお ゴシックホラー珠玉作品集2 ねこ目小僧「少年画報」版 (講談社漫画文庫 う 5-17 楳図かずおゴシックホラー珠玉作品集 2)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063849516

作品紹介・あらすじ

楳図かずお少年誌初の妖怪ヒーロー『ねこ目小僧』のデビュー作「少年画報」まぼろしのプロトタイプ連載版を完全無修正初単行本化!!

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが「猫」目小僧ではなく「ねこ」目小僧。

    帯には待望の初単行本化と謳ってはいるけど少年画報版は既に最初から単行本に収録されている。
    もしかして初文庫化の間違い?
    単行本は持っているのでどうしようかと思ったが、「笑い仮面」のように単行本時にカットされたコマやシーンも収録される筈だから…という事で購入。

    で、ページを開いて行くと…えっ!?ええっ!?
    ねこ目小僧の目の周りに影が無い!!
    「こ、これはえらいことですよ!」(「小人ののろい」での猫目小僧のセリフより)

    早速、過去に出た単行本を引っ張り出して見ると…
    ギョエ〜!!
    少年画報版でのねこ目小僧の顔、全て描き直した後がある!!!!
    おそらく、最初の単行本を出す際に少年キング版とのビジュアルを統一する為の描き直しだったのだろうけど今まで全く気が付かなった!!
    これはもう、「ないない」の木がどこに生えていたのかを思い出せないのと同じくらいの大失態。
    これなら「待望の初単行本化」のコピーも納得出来る。

    内容的な事に関して言えば(今さらではあるけど)、キング版が完全な妖怪物に対してこの画報版は恐怖物としての趣が強い。(第2話の「みにくい悪魔」は個人的には海野十三の作品世界を彷彿させる)
    又、ねこ目小僧もキング版以上に狂言回しとしての役割が強い。
    これはパイロット版故に方向性がまだ決まってなかった為だろう。

    実際、画報版のストーリーはねこ目小僧がいなくても成立する話でもあるのでキング版の妖怪物への変更は正解だったのかもしれない。
    でも、このパイロット版がなかったら猫目小僧もなかったしこの画報版も面白いというのは紛れもない事実。

    同時収録の「マスクボーイ」(太田出版の「ガモラ」復刻版で既に復刻済み)は楳図御大には珍しいヒーロー物。
    鉄人28号モドキのロボットが出てきたり敵の翼というかマントが後の「ウルトラマン」でのバルタン星人の翼の元ネタっぽくて未読の方にはおすすめ。

    しかし、講談社の楳図御大の文庫シリーズ資料的価値が高すぎ!!

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著者プロフィール

楳図 かずお(うめず かずお)1936年和歌山県生まれ。55年に貸本漫画家としてデビュー、『週刊少年サンデー』などに作品を発表。ホラー漫画の第一人者。代表作に『漂流教室』『まことちゃん』『わたしは真悟』『14歳』など。ホラー、SF、ギャグ、時代劇まで幅広い。1995年以降、腱鞘炎という理由で漫画は休筆中。タレント活動を行い、2014年には長編ホラー映画『マザー』を初監督・脚本・出演。

「2022年 『こわい本11 猫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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