天上の虹(11)<完> (講談社漫画文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063850147

作品紹介・あらすじ

大宝律令が施行され、日本が統一国家として歩き始めた702年。父・天智天皇と夫・天武天皇の意志を継ぎ、国づくりに命を捧げた持統天皇。その波瀾に満ちた生涯が幕を閉じる……。里中満智子の大河歴史ロマン、30年越しでついに完結!

大宝律令が施行され、日本が統一国家として歩き始めた702年。父・天智天皇と夫・天武天皇の意志を継ぎ、国づくりに命を捧げた持統天皇。その波瀾に満ちた生涯が幕を閉じる……。里中満智子の大河歴史ロマン、30年越しでついに完結!

感想・レビュー・書評

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  • 但馬さんが怖い‼と思っていたら、意外に彼女覚醒。
    代わりに今までいい子でいた女の子が壊れてしまう。
    不確かな男の愛を頼って翻弄されて生きるか、自分であるいていく道を選ぶか。
    まさに女の生きざまがつまっていると共に、やるせない男の立場も省みずにはいられない。

    ちゃんと一冊読み終わって。
    氷高皇女と新田部さまが切ない。
    葛城王の誠心が相俟って、心が通じた場面があってよかった。
    但馬さまが強く生きはじめてくれてよかった。
    あとがきで但馬の死後の穂積の歌に最後の最後笑わされました。いや、もはや穂積さんに至っては失笑ものというか。
    忍壁さんが高市様亡き後次第に大きくなっていってくれて安麻呂も成長してくれて。
    長く生きてみないとわからないって本当ですね。
    日本史で見た忍壁皇子や橘諸兄、長屋王に元明天皇元正天皇、大宝律令、文武天皇に聖武天皇、光明子ーー高校時代にこれを読めていたら!!
    百人一首でお馴染みの人も生き生きと世界を生きていて、大学時代に6巻一気に読んでから長かったけど、最後まで読めて本当によかった。
    讚良の死後の話は苦かったけど、500年は一緒にいられて、今は骨もろともこの日本の土となっていると思えば、まだ救いが残ります。

    「春過ぎて 夏来にけらし 白妙の
      衣干すてふ 天の香久山」

    百人一首で一番始めに覚えた一番好きな歌。
    緑の原に夏風吹きわたり白い衣が香久山を背にはためく。
    初夏の爽やかさと春の残していった温かい陽射し、山の緑と白い衣。
    なんて美しい原風景だろう。
    どんな人かもわからず女性の天皇ということだけ知ってはいたけれど、持統天皇、この名前だけでも聞くとときめくのです。
    今回漫画を通して持統天皇の一生を垣間見れたことは、僥幸以外のなにものでもありません。
    足掛け32年といえば連載としてはもうかなりの年月。
    投げ出さずに着実に惜しみ無い知識と知恵と愛情で完成させてくださった作者様に敬意を表して、一代記を読めた感想ととさせていただきたいと思います。

    大河やるなら是非みたいですね。

  • 漫画なのに、考えながら読まないと、人間関係が分からない。それでも、この時代に想いを馳せ、考えるきっかけとなってくれる。漫画だからこそ絵としておちてくる。素晴らしい。

  • サムネが変。安麻呂とのシーンで(´;ω;`)ブワッてなった・・

  • いよいよ大宝律令が制定
    こんなに時間がかかったとは!
    遣唐使の意味も、歴史書作成の意味も初めて知る

  • 32年にわたってつむがれた歴史ファンタジー完結。持統天皇(讚良)の晩年と死は壮絶なようなあっけないような…律令制度を定め、トップ個人の能力に負わない新しい天皇制をつくってきた仕上げとして即位した孫の珂瑠を上皇として見守りみちびきつつ各国を行脚したり残された課題を片付けていこうとする鬼気迫る姿はちょっといまの天皇の姿と重なる気がした。
    最後まで複雑な系図を何度も何度も見直しながらでたいへんだったけれど、読みながらいろいろ考えることができ、完走できてよかった。

  • 遂に「天上の虹」全11巻を読破。持統天皇の生涯に寄り添って完走した大作だった。亡くなる直前まで、大津皇子と大伯皇女を思っていたという設定が切ない。彼女は幸せだったのか、不幸だったのか。懸命に生きたということだけは、間違いない。これまで権力闘争に明け暮れた女性ということで語られていた持統天皇について、政治家として手腕を含めて見直したのがこの作品の功績だろう。盗掘の話までは必要だったのか、疑問だ。

  • 予想より早く完結!もうあと数年かかるかと思ってた。
    362頁の
    「(持統天皇は)その場しのぎの気休めはいっさいおっしゃらない それは真の優しさだとわたしは思います」
    という阿閇のセリフがよかったな~。
    相手の気持ちを慮って、と理由をつけて、その実自分がその場を快適にすごすためにその場しのぎの適当な事を言う、というのは責任感の強い讚良にはできなくて、でもそのことで人から「きつい」と言われたり、自分でも優しくなれない、と悩んでいて…という感じだったので、最後に阿閇にそう言ってもらえて、ずいぶん救われたのではないかと思う。
    また、そう言える阿閇も、強くて優しい人だなぁと思った。

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著者プロフィール

マンガ家。第1回東アジアMANGAサミット事務局長。1948年大阪府生まれ。16歳のとき「ピアの肖像」で第1回講談社新人漫画賞受賞をし、プロのマンガ家生活に入る。その後数々のヒット作を生み出し現在に至る。主な作品に「アリエスの乙女たち」「あすなろ坂」「鶴亀ワルツ」他多数。「あした輝く」「姫が行く!」で1974年講談社出版文化賞受賞。「狩人の星座」で1982年講談社漫画賞を受賞。マンガジャパン事務局長。(社)日本漫画家協会常務理事。大阪芸術大学芸術学部文芸科教授。文化庁文化審議会著作権分科会委員などを歴任。

「2005年 『アジアMANGAサミット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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