グラゼニ (1)

  • 講談社
3.72
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感想 : 107
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063870046

作品紹介・あらすじ

「プロ野球は人生の縮図」と言う人がいるが、そんなことはない!
トンデモナイ成果主義による年棒。同じユニホームを着ていても、そこにはトンデモナイ階級がある!
現在8年目、中継ぎ投手としてなんとか1軍にいる主人公・凡田夏之介はそんなトンデモナイプロ野球界で生き残れる!?


下は240万円から、上は数億まで。格付けが、年俸によって完全に決められている超格差社会・プロ野球。凡田夏之介は高卒でプロ入りした8年目の中継ぎ投手。左腕でサイドスローという一風変わった武器と、全球団の1軍選手の年俸をソラで言えるという不思議な特技で、厳しい世界を必死でサバイバる!

感想・レビュー・書評

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  • パッとしない中継ぎ投手の凡田夏之介が、細かい計算をしながら世知辛いプロ野球の世界を渡世していく……という異色の野球漫画。とにかく、夏之介のパッとしないけれどもプロ意識はあって、ちゃんと仕事をする選手という設定が良い。


    試合だけでなく、引退後の活動や契約更新などのプロ野球周辺のエピソードがとにかく細かい。プロ野球というと華やかなイメージで、これまでの野球漫画のほとんどが一流選手を中心に描かれるものだっただけに、このリアリティは興味深く、サラリーマンは共感するだろうなぁと思った。


    また、一軍と二軍を行ったり来たりする人たちのエピソードがどれも面白い。話の作り方が上手いというか、人間味あふれるというか。女性キャラも魅力的なんだよね。この辺りにも人気の秘密があるのかも。

  • 銭。
    野球をそういう視点で描くのか、と感嘆の声が漏れそうになった。

    題名のとおり、プロ野球のお金に主眼をおいている。年俸と現役生活…そして引退後。

    主人公は年俸に人一倍強い興味(執着?)があり、そこそこの成績。
    ただ考えていることが、非常に現実的かつ地味で、とても華やかな舞台で生活する人物とは思えないところが肝!
    野球選手というより、もはやサラリーマンの思考そのもの。

    この作品の中で、勿論試合はする。
    ただし普通の野球漫画と違い、ゲームの魅力はほぼない。手に汗を握る展開も何もワンポイントしか出てこないので、それは致し方ない。

    なので、従来の野球漫画の形式を楽しみにしていると裏切られるかと思う。

    そう考えると、むしろ野球好きじゃないけれど、プロ野球の年俸などの話が好きな人にウケる作品かとも思う。

  • 面白い

  • 中継ぎ投手の視点から、「年俸」という切り口で野球を見つめている作品で、プロ野球の見方がまたひとつ増えた気がします。

    一つひとつの試合のプレイボールからゲームセットまでを追うのではなく、ワンポイントでの登板もある中継ぎ投手の仕事ぶりは、印象的でした。

  • これは野球選手全員が読んだ方がいいんじゃないかい(笑

    いや、サラリーマンは全員読むべきだ(笑

    言い過ぎました。

    第5話の山梨県人会いいですね。


    さて、始まりは
    主人公が左投げの中継ぎ
    高卒26歳、8年目の年棒1800万です。
    これが少ないという話から始まります。

    そうなんですよね、
    早くて30歳になると引退が見える職種で
    引退後の年収はゼロというひともあるでしょう。

    そんな人間がいかにがんばるのかというお話。

    若者が何をしみったれたことをと言うかもしれませんが、
    私だって老後は心配です。

    いつまで現役で働けるのか
    生活費はどれぐらいかかるのか
    どれぐらい贅沢をしたいのかというのは
    とても気になるところです。

    本来結婚することで生活費が増えるわけではありません、
    ただし、子供が増えると確実に生活費は増えるでしょう。

    私ぐらいの年齢になると
    友人知人をみたとしても平気で年収は4倍違ってくることもあるでしょう、
    2倍なんてざらです。

    数字が嫌いではない私は
    そんなことをちまちま考えてしまいます。(笑
    そして蓄財に励むのです。

    一度あげた贅沢な生活は落としにくいでしょう、
    もっともお金がなければほっといても落ちるのですが、
    一度贅沢になれてしまうと、精神衛生上よくないでしょう(笑

    だから質素に生活するのです。

    お金にうるさいと
    日本ではよく見られませんが、
    私は私の道を行く。
    あぁ、また口が悪い。

    ほんとを言えば贅沢だってしたいです。
    ビジネスクラスなんかも乗ってみたいです、
    グリーン席だって乗ってみたいです。
    高いホテルにも泊まってみたいです。
    でも分不相応なんです。

    いまでも贅沢しすぎてるなと思ってるけど
    なかなか節約できない。

    よし。
    気をつけよう。

  • プロ野球で中継ぎピッチャーの漫画。
    ちょっと絵柄も古い感じで話も淡々としてるんだけど、読み進めてくうちにいつの間にか味が出てきてて面白い。

    主人公の凡田は「選手名鑑」マニア。
    年俸で相手の力量をはかったりしていて、それが面白い。
    報酬=自分の価値・能力値っていうストレートな考え方がいい。

    監督が野村監督っぽくていい(笑)

    俺たち仲間だよな!みたいな熱い人間関係はないけれど、大人らしいいろんな事情を絡めて淡々とした人間関係が逆にリアルです。

  • とりあえず3巻まで。相変わらずのコージイ漫画。目のつけどころが違う。すぐにネタが尽きるかと思いきや、意外と面白さが薄れない。続きにも期待。

  • 作者が、あの「俺はキャプテン」の人と知りませんでした。そういえば、雰囲気がカズマサが大人になったような話だった。

  • 「ドカベン」、「タッチ」、「大きく振りかぶって」などなど、野球マンガの名
    作は沢山あります。
    そして、そのどれもがだいたい高校生を主人公にしたものですよね。
    個性豊かで魅力的なキャラクターや恋愛要素も含んだ青春も野球マンガの魅力です。
    特に今のような高校野球の季節になるとついつい読み返したくなるものです。

    しかし!
    今回ご紹介する「グラゼニ」は一味違います!!
    だって、こんなにも「銭」のことを全面に押し出した野球マンガを、私は初めて
    見ました!

    この物語は「グラウンドには銭が埋まっている」という言葉に導かれて始まります。
    だからマンガのタイトルは、「グラゼニ」なんですね。

    このマンガの魅力は何といっても「普通の野球選手」を主人公に据えたところに
    あると思います。
    プロ野球選手というとても夢のある職業を、ここまでリアルに描いているところ
    がとても面白いです。
    ご飯を食べていくために野球に全力になるその姿は、とても切実なものであり、
    プロ野球選手に限らず多くの職業とも共通しているのではないでしょうか。
    その描写が、とても遠い世界のように感じるプロ野球という華々しい場所を、身
    近な世界に引き付けます。
    そこが本作を読んでいてとても引き込まれる場面ではないでしょうか!

    それと個人的には、自分よりも年棒が低い相手にはとことん勝負強くなるってい
    う主人公・凡田のキャラクターには笑ってしまいました!(笑)

    とにかく!
    このマンガを読んだ後にプロ野球を見ようものなら、きっとまた違って見えるは
    ずです!!
    巻末の凡田の高校生時代の話も面白いですよ☆

  • 本作品は、選手全員の年俸を空で言えるという、プロ野球の中継ぎ投手、凡田夏之介を主人公とする野球マンガである。

    高校野球と比べて、意外と (リアルな) プロ野球を舞台とする作品は少ないように思える。また年俸や選手のキャリアパスにテーマをおいたこと、主人公がエースではなくて中継ぎ投手というのも面白い。

    全体として地味さの漂うマンガであるが、綿密な取材をされているようで細部までリアルに表現されている感じがする (私は野球を専門にプレーしたことはないので、あくまで想像)。プロ野球ファンには楽しめる作品であると思われるので★5つとする。

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著者プロフィール

長野県出身の1963年生まれ。中学・高校を野球部で過ごす。
『総理を殺せ』『おさなづま』『ショー☆バン』 等、野球に限らず様々な題材の原作を手がけてきた鬼才。『グラゼニ』 にて第37回(2013年度)講談社漫画賞を受賞。
現在「モーニング」誌上では『グラゼニ ~大リーグ編~』『昭和のグラゼニ』と2本の原作を手掛けている。

「2023年 『グラゼニ~大リーグ編~(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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