山下和美音楽短編集 コンチェルト (モーニングKC)

山下和美

• 講談社 (2011年9月1日発売)

感想・レビュー・書評

[NORISさんの感想 · 2024年10月4日]

2024.10.1市立図書館
「天才柳沢教授の生活」が蔵書のあるだけ読み終わってしまったので、もう少し余韻に浸るべく同じ作者の短編集を借りてみた。「ROCKS」はリストラにあった父親と高校生の息子の話。子どもには想像できないけれど、しょぼくれてみえる親にだって尖っていた若かりし日があり、それは埋み火のように残っている、というのは著者がよく使うモチーフのような気がする。柳沢教授の「こころ」は若かりし頃の親友への思いがけない感情を追体験する話。「ベラとカリバリ」はモンテ・クリスト伯となにかをかけあわせたようなすごい話だった。「不思議な少年」もいずれ読めるといいな⋯

opus 1　ROCKS　　　 「山下和美短編集」に収録
opus 2　こころ　前編　「天才柳沢教授の生活」9巻／漫画文庫版5巻に収録
opus 3　こころ　後編　「天才柳沢教授の生活」9巻／漫画文庫版5巻に収録
opus 4　メロディー　　「天才柳沢教授の生活」9巻／漫画文庫版5巻に収録
opus 5　ベラとカリバリ　前編 「不思議な少年」4巻に収録
opus 6　ベラとカリバリ　後編 「不思議な少年」4巻に収録
Bonus track（描き下ろし）　

著者プロフィール

1980年「週刊マーガレット」からデビュー。主に少女マンガ誌を中心に活躍していたが、『天才 柳沢教授の生活』で「モーニング」に不定期連載を開始。以降、『不思議な少年』など話題作を発表し、女性、男性問わず幅広い人気を得る。現在、「モーニング」にて『ランド』を月イチ連載中。

「2018年 『杉原千畝　命のビザ』 で使われていた紹介文から引用しています。」