- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784063878158
感想・レビュー・書評
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日常から非日常まで、様々な要素の作品詰め合わせの短編集。振れ幅は大きいけれど、それぞれに面白くて引き込まれました。捨てられるかもだった過去原稿たちだったとは…捨てられなくてよかった!
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短編の名手ですね……。個人的には最後のMudって作品が好きですがオチのあの子のあの台詞とか表情は素なのかそれとも演技なのか……とか考えて怖くなる。恋愛のこととか良く分かんないまま生きてきたけど、「順序」ってホントに大事だなということはひしひしと痛感する。あとヤマシタトモコさんって借金取りに何か因縁でもあるのかしらん……?
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バターから入ってずっとヤマシタトモコさんの作品大好きです。あいかわらずハズレがない。
個人的にビューティフルムービーのシチュエーションは好きです。絶対にないでしょうが、あれの続きが読みたい(*´∀`*)ヤマシタトモコさんならきっと面白い展開にもっていってくれそうな気がします。 -
初期作品らしいけどこの頃から線が綺麗。
「MUD」が好きだなぁ。こーゆー女子はすんなり国公立受かる。間違いない。 -
かなり面白かった!
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映画の話と受験生の話が好き。
映画のように美しいその一瞬で
すべてが終わって欲しかった
どんなにそう思うことが多いだろう。きっと映画みたいなことが起こったって、美しい一瞬のあとに現実が続くにちがいないのだ。なんて残酷なのだろう。でも映画は夢をくれるけど、続くものにも救いとか続きはあるわけなのだね…とか思う。終わってくれたらよかった…と思いながら現実をかみしめるとき、この言葉が心に寄り添ってくれる気がする。
女子高生?の話は、ああいうキレッぷりも、ああいうキレッぷりを発揮できるような人間関係も、いいなと思います。自分の気持ちに気づくときの人ってなにか言いようのない魅力というか、胸に迫るものがある。好きよ先生、嫌いにならないで、って言う辺りの。
心情で背景とか物が壊れる描写にすごく共感を覚える。 -
時間の振り幅ある短編集。けど、終始一貫のヤマシタ節。好きなんだ…。このアイスピックで寸分の狂いなく心臓めがけて躊躇いなく刺すような刺されるようなヤマシタ節…大好きなんだ…!
私は刺したいよりも刺されたい人なので、根っからの読者ですね。感動と衝撃を受けたい派。 -
ヤマシタトモコの短編6作。
最初の4作は伝えたい事とかテーマとか
作品のまとまりに執着しすぎてて広がりが無い。
はい、それ伏線ね。
はい、ここ泣くとこね。
あ、落ちましたね、はい。
という感じ。
あーあれも喋らせとかないと
あーこれも描いとかないと
って感じがヒシヒシと伝わり
なんとも説明的になってしまっている。
が、後半2作はそういった「物語性」への執着を感じなかった。
抽象的な表現や繰り返す言い回しなどの演出が効いて
気怠く日常を捉えながらも不器用に自分と向き合う
登場人物の機微やその世界の空気を感じる事ができた。
読後感にも余韻があって素敵。
野球、妖怪、魔法、SM…
様々なテーマの作品が収録されてるけれど、前述したような
「気怠さ/諦めの中にある、何か少しあたたかなもの」
をどの作品からも感じる。
それを引き出すのはやはり起承転結の「物語性」ではなく
何でも無い文脈を切り取ったトコロにある感情を
どれだけ垂れ流せるか、だと思う。
だからこの人が輝くのはこっちの描き方。絶対。
それにしても
「なんてね」
「なんつって」
の破壊力が凄まじい。
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