螺旋じかけの海 音喜多生体奇学研究所 (1) (アフタヌーンKC)
- 講談社 (2015年10月23日発売)


- 本 ・マンガ (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063880960
作品紹介・あらすじ
遺伝子操作が産業として発達した世界。水没した街の残骸で暮らす人々の中には、”異種キャリア”と呼ばれる異種遺伝子を持つ者が存在する。遺伝操作を生業とする生体操作師・音喜多(おときた)。自身も何種もの“異種キャリア”を抱えている彼の元に、様々な事情を抱えた者たちが訪れるーー。「人間と他の生物を分かつものは何か」――普遍的なテーマを、作者の専門知識に根ざした緻密な設定と、広大無辺な想像力で描き出す!
感想・レビュー・書評
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ファンタジーとバイオの境目が程よい。個人的に今年読んだ中で屈指の佳作。
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なんだろう、こう、漫画を読んだー!って気分になる。オトが好きだ。
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好き嫌いっつーより、「問題ない」か「苦手」で評価が分かれるタイプの青年漫画かな、これは。私はこれと言った抵抗を感じなかった
この『螺旋じかけの海 音喜多生体奇学研究所』について、どう感想を書いたら、未読の人に魅力が伝わるか、こうやって書いていても、頭の中がゴチャゴチャしてきてしまって分からなくなってしまうのだが、一つだけハッキリしているのは、最初から最後まで読み切ると、「ニンゲンの定義とは何だろう」と、結構、真面目に考えさせられるコトか
大多数がイメージする、人間の形をしていないニンゲンが“ひと”扱いされない世界、それは紛れもなく、最悪の一つだろう。少なくとも、現代の日本が、そんな無自覚の差別を正義として振りかざすxxxばかりじゃないのが幸いか
読み手の心に楔を打ち込む、強い印象を残せるコトが、面白い漫画の条件なら、この『螺旋じかけの海 音喜多生体奇学研究所』は満たしている
私が勝手に感じているモノに過ぎないが、ホント、アフタヌーンって雑誌は、マニアックと言うか、ニッチと言うか、つまらない普通の枠に囚われないタイプの漫画家が集まるな。長くて重い歴史をこれだけ背負ってるのに倒れないだけあるわ
内容は、まぁ、ざっくり言うと、医療系?
一部の人間の勝手な欲望を満たすために生み出され、捨てられ、傷つけられ、守ってもらえない人間を体だけじゃなく、心も救う、そんな展開の話
主役の音喜多の個性も強烈だが、助手である雪晴が朴訥とした顔をしている割に、どことなく、シビアなものを背負っている雰囲気がある点が、この作品に落ち着きと共に、鋭さのあるインパクトを作っているな
どの話も、境界線について思い悩まされるが、特に私が好きなのは、中島敦の『山月記』を彷彿とさせる、『鰐の歌う淵』だ。種を跨いでしまっても成立し続ける友情、それ故に約束を果たさねばならぬ辛さ、生と死は表裏一体であり、命は未来に繋がれ続ける。番外編の『淵の縁にて』を本当のラストにしている点にもグッと来た
この台詞を引用に選んだのは、私が漠然としながらも、確かに心の中に感じていた苛立ち、怒り、不信感を代弁してくれたような気がしたからだ。まぁ、あくまで、私が勝手に同調しただけの話であり、永田先生が危ないタイプの漫画家、と勘違いしないでほしい。本当、人を人として成立させているのは、肉体なのか精神なのか、それとも、他の何かなのか、それはきっと答えを出さないまま、私らが話し合っていくべきコトなんだろうな -
蟲師と似た香りがする、つまりとてもよい
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TLで宣伝を見かけて気になってた本。めっさ面白かった!
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遺伝子レベルでの人間性を考えさせられる作品。デザイナーズベイビーのもう現実になってますよね。翼を持つ人が現れるのも近い将来かもしれないと考えて恐ろしくなる。
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表紙買いした一冊。
当たりでした。
新人さんらしいのですが、新人らしからぬ完成度というか…
ここ最近読んだ作品の中では、非常に印象に残る作品。
これで一応の完結かと思いきや、連載は続いているらしいので
次巻が楽しみです。
著者プロフィール
永田礼路の作品





