- 本 ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063881110
作品紹介・あらすじ
2055年。わたしたちの町・花井沢町は、ある事故に巻き込まれ外界から隔離されてしまいました。どこにも行けず、誰もやってこない。いずれ滅びるこの町で、わたしたちは今日も普通に生きています。焼き立てパンが食べたい! パン屋を目指す女の子。閉ざされた町で、「どこにでも行ける魔法のじゅうたん」――小説を書く作家。望まない妊娠をし、子供を身ごもった女性の慟哭。町で起きる喜びと悲哀を、静かにつづる連作集。
感想・レビュー・書評
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隔離された町内。
本当にどうにかならならいものなのか…
パンづくり、小説家の話はグッとくる。
自分が同じ立場なら、ここまで生きがいを持てないかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
見えながら、無生物は通れる状態で外界から隔絶され、
何10年もの月日が流れている世界。
「当事者」「他人事」、狭い世界の「内から目線」と
広い世界の「外から目線」…触れられそうで触れられない外と内。
厳しい話が多いけれど、人の生きる時間には悦びも楽しみもある。
そんなことを感じさせてくれるエピソードには少しほっとします。 -
実験が失敗して生命体を通過させない膜で覆われた小さな町での災害後の住民達の日常記第2巻。地味に地味に精神的なダメージを食らう。色んな意味で痛々しい。
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強制的に外界と断ち切られた町の群像劇、第二巻。一巻よりも面白いかも。人がただその町で生きることの切実さが詰まってて、いい。
人と触れ合うことへの欲求が、いい形にも、悪い形にもブーストがかかってしまう環境だから、普段私達が普通に暮らしているときに守っている自分自身の殻も、ふとした瞬間に破れてしまうんじゃないかと、そんなあやうい気持ちにさせられる -
隔離された世界で最後の一人となった少女の母や、パンを作る女性やレズビアンの夫婦、終わっていく世界で子供を作るという問題や、徐々に減っていく人。
少し明るい話から、つらく、切ない話まで。 -
ある日突然境界線が出来て外界から遮断された町、花井沢町。絶望の中の希望。それは図書館だったり、映画館だったりする。高齢化し、経済は変容し、未来に希望の見えない閉塞的な世界。花井沢町は、私が住んでいる世界と変わらない。
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第9号のエーコとさおは1巻の少女達か。涙を流して打ち明けて、許されたその後が気になる。
第10号は、将来花井沢町最後の1人になる希の母親が残した日記の話。冒頭から衝撃が大きかった。父親を推測している辺り、父親と交流はなかったのだろうか?
第11号はパン作りに奮闘する香穂の話。お金を出して買わない感覚が突き刺さる。浅井さんへの違和感を覚えさせる表現がすごい。
第12号は小説家と図書室が舞台で、ほっとする話だった。
第13号はおバカな少年達に和んだラスト。
第14号は初めて町の外の住人側の視点。触れられない悲しさ。 -
人間の闇と希望を圧縮した町。代替わりしているのがリアルでつらい。SFだからと笑ってられない。
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あれから数年後とか数日後とか色々。
レズビアンの二人が悲しい。「お母さんになりたい」ってのが悲しい言葉になるなんて。つらいな。 -
月並みな表現ではあるけれど、
どうしようもなく閉じ込められて死んでいくだけの街のなかで、そこでもひたむきに生きることの重みを感じた2巻。パンの話がよかったです
主人公2人しあわせになれ
著者プロフィール
ヤマシタトモコの作品





