ヒストリエ(10) (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063882100

作品紹介・あらすじ

エウメネスは、アテネ近郊・ピレウスで懐かしいカロンとの再会を果たした後、進軍してきたマケドニア軍と合流する。マケドニア軍は、強国テーベからの援軍を得たアテネ軍と対峙。場所はギリシア中央部カイロネイア。ギリシアの覇権をめぐり、史上名高い「カイロネイアの戦い」が始まる!

感想・レビュー・書評

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  • ずっと気になっていた手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞を既刊10巻まで読み終えた。アレクサンダー大王の生涯を、マンガという個人作業で雄大に描く「意義」ならば分かる。しかし何故、その書記官を勤めたエウメネスが主人公なのか。物語はまだアレクサンドロスが王位に着いてさえいない。作者の意図が、いつも最終巻で明らかになることを考えると、おそらく「真の意図」が明らかになるのは、十数年後と考えられる。

    それでは、まだ面白味が出ていないかと言えば、当然左に非ず、紀元前4Cの激動の地中海世界、その華やかしいギリシャ文化を鳥瞰で見る視線とともに、また、マンガらしい驚きの展開も忘れずに、飽きずに見させてくれる。

    スキタイという地中海世界では「蛮人」の血を持ち、奴隷から歴史の表舞台に立った青年。その目から、一国の「英雄伝」ではなく、もっと広い視点の「歴史」が綴られている気がする。

    しかし、ホントに展開が遅い。十巻目にして、やっと5巻目で突然挿入されたアレクサンドロスと父マケドニア王のフィリッポスとの語らいの場面に繋がることになった。

    エウメネスとアレクサンドロス王子とが同数の一万で戦うとどうなるか?マケドニア王は、3回のうち一回しかエウメネスが勝たないというが、アレクサンドロスは一回目で討ち死に、エウメネスは3回とも生き延びるというのである。

    それがどういう意味を持つのか、いよいよ王の左腕としての生き方を求められ始めたエウメネス。「ヒストリエ」は佳境に入ろうとしているのかもしれない。

    それにしても、この時期の武具の凄さ、街の大きさは世界随一、日本の奈良時代の水準だ。つまり、日本よりも1000年近く進んでいる。

    2017年8月21読了

  • カイロネイアに死神降臨。
    アレクサンドロスとしては、その場で必要なことをただただ気負いもなく行っただけなんだろうけど、落ちたものを拾うかのような、何気ない様子で人を殺していくというのは、狂気にしか思えない。
    武器が壊れたから、新しい武器を手に入れなきゃ。そこに落ちてるから、それ拾えばいいじゃん。
    そういうことではない。文化が違う、とかいうレベルでない。

    鉄火の戦場ではまだまだ傍観者でいられるエウネメスも、政治という戦場ではそうもいっていられない状況に。個人の感情・思惑を踏みつぶして回る車輪にいつの間にか組み込まれています。抜け出したい。それが困難なことは重々承知だけど、抜け出したい。それは子供のイヤイヤと同じ感覚なのかもしれないけれど。

    でも、何気なく左腕選抜とか考えちゃうところが、目に留まっちゃうんだよなぁ、ついつい。才能の発露とか言われてしまう始末。苦労は続きます。

  • 出征した自分は恐れられている

  • 戦死者の遺品を漁る 「雲泥」と言って良い程技量・力量に差があった 後は速やかな講和だが テーベは実質的な占領下_対しアテネの独立は保たれたものの_長きにわたりエーゲ海を支配した「海上帝国・アテネ」はここに消滅した 侮れぬ権限を与える以上スキタイの血のままが望ましい この世の柵

  • 注目はアレクサンドロス。この歳にして天下無双(?)。エウメネスが王の左腕に…という話は、多分さらに拗れていく…のかな?それとも過渡期か。

  • 次巻がはやく読みたい

  • この巻はカイロネイアの戦いのあたりを描いている。初陣のアレクサンダーが、単身でアテネ・テーベ連合軍に突撃するエピソードなど。

  • 2017-3-27

  • 王の左腕に反発。彼女は王妃に。

  • エウメネス私書録の「アレクサンドロスはほんのわずか先の未来が見えるようなのだ」、というのはなるほどと思った。戦の天才は無謀にやみくもに突っ込んでるんじゃなくて、突っ込める処が視える人なんだろう。

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著者プロフィール

1960年7月28日生まれ。東京都出身。1985年、ちばてつや賞入選作品『ゴミの海』が「モーニングオープン増刊」に掲載され、デビュー。『寄生獣』で第17回講談社漫画賞(1993年)、第27回星雲賞コミック部門(1996年)受賞。2003年より「アフタヌーン」にて『ヒストリエ』の連載中。

「2004年 『雪の峠・剣の舞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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