- 講談社 (2014年5月23日発売)
本棚登録 : 1515人
感想 : 86件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・マンガ (226ページ) / ISBN・EAN: 9784063883381
作品紹介・あらすじ
初作品集『変身のニュース』/第二作品集『僕は問題ありません』(各全一巻)、両作品とも「俺マン」トップ10入り&「このマンガがすごい!」にランクイン!! 業界最注目の新鋭が、あらゆる種類の「さみしさ」を描いた最新短編集。
好きなものは世の中にいっこでいい。大切なものに代えがあるのは、さみしいから。…第一話「明日も触らないね」よりこれまでにないマンガ表現を模索する絵柄や描写で、評論家や目利きの書店員から2010年代を牽引する逸材として注目を集める宮崎夏次系の最新作。今作では、人間のあらゆる種類の「さみしさ」を描いた短編九本が収録されている。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
あらゆる種類の「さみしさ」をテーマにした短編集は、家庭という小さな社会の複雑さを描き出しています。各短編は、日常の中での人間関係の微妙なバランスや、長年の生活の中で風化した思いやりを浮き彫りにし、哀し...
感想・レビュー・書評
-
この人の作品は短編のほうが私には合ってるなと思った。一遍ごとの読後感のどうしようもなさというか、哀しさやるせなさが甘美。たびたび挟まれる人物アップのコマがすごくいい。『わるい子』が好き
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
相変わらず巻数を経ても衰えないセンス。
心の先を針の先で決してグサリとはいかずにちくちくと弄ばれる様な、そんな短編集。
どの話も基本的に家庭に焦点が当たっている
家庭ってやつは小さな社会の箱庭で、大抵決まったルーチンワークを淡々とこなして家族がそれぞれバランスを保っていたりする。
根底には勿論相手に対する思いやりだとかストレスなく暮らすためだっていう想いがある筈だけれど、それも長年の暮らしの中で風化して、いつしか本質が見えなくなり、そのバランスを保つ事だけに注力する様になってたりするもんだ
そこには諦観や、希望や、不満が内在していたりするけれど、結局どうしようもない現実があるだけで、結局連綿とその活動を続けていくばかりだけど
そんな風にして幾重にも重なった想いは、ちょっとしたアクションで簡単に決壊したりする
「今まで話すべき話を私達はしてこなかった」
後に分かるのはそんな当然過ぎるくらい当然の感想で、なんだか少し以前とは違った空気を感じるけれど、結局また同じ様な毎日を繰り返していたりする
家庭ってやつは実に面倒で厄介で呆れる程下らなくて、でも自分にとっては世界の一部で、決して手放す事の出来ないもの。
そこに溢れる諦観と希望の混在した一見整然としていてその実ぐちゃぐちゃに感情が混ざり合った実におかしな環境の中で、私たちが出来るのは結局そこで生き続ける事だけだ
全然関係無いけどこの人の作品はなんでどれも秋の匂いがするんだろう
医者のシャツの柄がえらい可愛い -
市川春子の短編より分かりやすくて肌に合う
「そういえば昔BSで流していた映画で アル中の男が酒瓶を隠すために アパートの外にロープで吊るしていたシーンがロマンチックだったなと思い出します」
《あの子は 弱い者無しにこの家が成り立たない事 知ってるんだ》
《僕は 好きなものはいっこでいいんだ 明日も会いたいと思える そんな感じの》
《隣人よ 耐えろ 私達は 生まれる場所を選べない……》
《僕は おとーさんが変になって良かった 嫌だったの ずっと ばーちゃんが死んでもキヨサダが死んでも みんな大丈夫になってくのが》
《祈ったらめっちゃ腹減りません?メニュー貰ってきますわ》
《昔から 触れてはいけないものばかり好きになる 気づかなければ 幸せになれるものばかり 私は》
《自分の弱さを 呪う 彼女が嘘をあきらめてからやっと》
寂しさ、暴力性 -
暴力性の潜み具合がよかった
-
売りに行くので好きだった台詞のメモ。
内容はあまり好きになれなかったけれど、作中に出てくる言い回しは割と好き。
好きなものは世の中にいっこでいい
失くしたらおしまい
そんな感じの
だってさ 大切なものに代えがあるのはさみしいから
嫌われるなら 好かれなくてもいいから
好きなものはいっこでいいんだ
明日も会いたいと思える そんな感じの
隣人よ 耐えろ
私達は 生まれる場所を選べない......
嫌だったの ずっと
ばーちゃんが死んでもキヨサダが死んでも みんな 大丈夫になってくのが ずっとそれがずっと
嫌だったから僕 ずっと
うまく言えない
インチキみたいな事ばかり言うの あの人
でも安心するの インチキでも安心する方がいいの
まさか 傷つくもんか あんなことで 僕が あんな些細なことで
僕も おめでた野郎じゃないか
些細なことに一喜一憂する おめでた野郎だ
自分の弱さを 呪う
彼女が嘘をあきらめてからやっと
-
これは傑作ですね…! 少し前に読んだ長編作品よりも楽しめましたね。やはりこの著者は短編作品のが力を出せるのかも分からんですなぁ…。
時たま心に刺さるセリフなどが登場人物の口から吐き出されるわけですけれども、もうたまらんですね…! この感じは…! というわけでアレですね、まだ読んでない短編作品もありますので、今後が楽しみな漫画家さんですなぁ…。
というわけで、さようなら。
ヽ(・ω・)/ズコー -
母親の顔が星型だったり、父親が犬になったり、校長が盆踊りしながら悶え死んだり。こんな奇天烈な経験はもちろんないのだけど。
この痛み、苛立ちには既視感がある。
このシュールさに何故か見憶えがある。
例えば満員電車の中のケンカ。
ぎゅうぎゅうに人が押し込まれている車内に揉めている人の声だけが不穏に響く。
例えばある朝突然に空席になった会社のデスク。理由は知らない。誰も関心を持たない。そして淡々と日々の業務は続く。
時々見かける女子高生の脚は大腿骨の形がわかりそうなぐらい細い。
救われて欲しいと無闇に祈ったりします。 -
-
私たち現実味の分かんなくなる現実に、何かを挟んで寄り添っている。
-
ちとヤバいものを見た。宮崎夏次系さんの『夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない』という短編漫画。帯に書かれた“「さみしさ」には、種類がある。”という文句のようにいろんな立場のちょっと上手くやれない人たちの視点が描かれる。
ひとつ話が終わる度に鳥肌が立ってドキドキしている自分がいる。分厚いガラスに拳を突き立ててパリンと割ってしまうことがなんだか正義のように思えて、そうしてみるのだけれど、意外に強いガラスに弾き返されて痛めてしまった手首をぼんやり眺めるしかないような虚しさを感じた。それでもどの登場人物も最後に少しだけ救われていて、それは解決とかではないのだけれどとりあえず明日は生きようというところまで持って行ってくれる。極端に思えるかもしれないが、今のところ私は「とりあえず明日は生きよう」ってやつを毎日繰り返せていることに感謝したくなったのだった。 -
なんだかうまくいかないひとたちがちょっと救われるような話
-
言葉には出来ず葬ってきた感情に光を当てた短編集。
毎日に流され、いつの間にか自分でも気づかないくらいさみしさに慣れてしまっていた。そんな人たちの様々なさみしさが、きっとよく描かれているんだと思う。 分かりそうで分からないけど、読んでいて時々胸が苦しくなる作品だった。人はさみしいから優しくも出来るし、平気な顔で傷つけることも出来る。自分がさみしいのか分からないそんな人たちに読んでもらいたいです。 -
や、ば、い、ほんとにヤバいもの読んだ。世界が一時停止する
-
宮崎夏次系さんの単行本は3冊とも持っていてそれぞれ好きですが、この最新刊が一番好きかもしれません。
さみしくてちょっとおかしくなってしまった人たち。
滑稽で、哀しくて、とても愛おしい。
『毎日』はなぜか心の奥底を覗かれたようでドキリとする。穏やかな毎日の中で彼がそうしたくなった気持ちを分かりたくない、と思ったことも見透かされていそうで。 -
「大切なものに代えがあるのはさみしいから」って1話のフレーズが離れない。
超いい。 -
オールタイムベストのひとつ。
-
今年の4月に親友が白血病で亡くなった。
親友が宮崎夏次系先生が大好きだった。
親友が亡くなっても、毎日仕事をして、職場の人と普通に雑談して、3食食べて、夜は寝て、そうやって普通に過ごしている自分が嫌で嫌で、大丈夫になんかなりたくないのに、なんとか生きていけてしまう自分が本当に嫌で。それに私は親友の代わりなんてもういないし、そこまで大切な存在、もう作りたくない。だけど、まだ20前半なのに、これからひとりで生きていくのもつらい。親友は亡くなったのに、将来のことを考えてしまう自分も嫌だ。親友との記憶が日々薄れていくのも、親友がいないことに慣れてしまった自分も、たまに果てしなく苦しくて寂しくて会いたくて大泣きすることしかできないのも、全部全部もやもやして、そういう気持ち。なんか、変で、優しくて、めんどくさい感じの作品で、私のうまく言えない気持ちを、うまく言えないまま肯定してくれる。
「好きなものは世の中にいっこでいい
失くしたらおしまい
そんな感じの
だってさ
大切なものに代えがあるのはさみしいから」
「嫌だったのずっと
ばーちゃんが死んでもキヨサダが死んでも
みんな大丈夫になってくのが
ずっとそれがずっと
嫌だったから僕ずっと
うまく言えない」
著者プロフィール
宮崎夏次系の作品
