子供はわかってあげない(下) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1046
感想 : 104
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063883800

作品紹介・あらすじ

誰かと出会うことのおかげで
僕たちは生きていける。

別に全力疾走しなくても
人生はとっても楽しいよ。

サクタさんともじくんのひと夏の冒険、後半戦。
いい、夏休み。

あの時キミと出会わなかったら、こんなに素敵な夏にはならなかった。サクタさんともじくんのひと夏の青春お気楽サイキック宗教法人ハードボイルドボーイミーツガール、後半戦。イノセントでストレンジ、モーニング超期待の新星、田島列島の初単行本作品です。

感想・レビュー・書評

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  • すごく良かった。何度も読みたい。
    ラストの想いを伝える場面も、感情を上手く扱えていない姿が胸にグッときて、あの頃の自分やまた別のあの頃の自分を思い出す。
    明さんの借りの返し方にもとても共感。心の中で何度も「うん、うん」と頷きながら最後まで読ませてもらった。
    ラスト1ページを読んで、なんだか素敵なマンガだったなと清々しく思えた。

  • ❁*.゚クスッと笑えるようなやり取りが多いけれど‪、この物語が伝えようとしているものはきっと奥深いものなんだろうなと感じた。

    ❁*.゚会ったことのない私にお金を渡して、病院に連れて行ってくれた人が『お礼もお金も要らない。だけど、もしどうしてもなにか返したいと思ってくれているのなら、貴方が余裕が出来た時にまた同じように手を差し伸べてあげてほしい。』と送り出してくれた時のことを思い出した。
    綺麗ごとだって言われても、あの助けがなかったら私は今生きていられなかった。だから誰かに手を差し伸べる連鎖は自分自身も含めて誰かをまた救ってくれると信じてる。
    ❁*.゚そうして、また私も助ける側に回った時、そのバトンを渡していこうと思うし、驕らず『あの時の借りを返しているんだ』と感謝し続けることを忘れないでいたい。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    『世界に必要なのは「自分にしかない力」じゃない「誰かから渡されたバトンを次の誰かに渡すこと」だけだ』

    『「好き」という言葉はただのカードだ。それを見せるだけで済むようにお前らの先人達があみ出した方法だ。お前らはそれを受け継いで未来に残せばいい。カンタンでいいな。』

    『じゃあ、そしたらね、美波ちゃんが大人になった時、私と同じように自分より若い人にそのお金の分何かしてあげて。
    そういう借りの返し方もあるの。覚えておいてね。』

  • 「甘酸っぱいってのは、まさにこういうのを言うんだろうな~」と読後まず思う。また、主人公2人をとりまく脇役も印象的で、門司兄、善さん、藁谷さんなどなど、何れもキャラクターが動いている感じがした。この点は、『水は海に向かって流れる』が主人公2人の細やかな心理描写に注力しているのとは違う感じで、どちらにより魅了されるかは読者の好み次第だろう。

    ちなみに門司兄は、『水は』でも重要な場面でゲスト出演する。あの場面に登場するのが門司兄なのは、作者の主人公(榊さん)への優しさなんだろうな、と本作を読んで思った。

  • ストーリーがうまい具合に構成されていて、最後まで満足いたしました(コマ割りや台詞も素敵すぎる)。上巻のあのエピソードが伏線になってたなんてと驚いたり、それぞれの家族愛で感動したり、ほろりとしました。屋上のシーンは本当に大好きです。

  • 面白かったですね!こういった優しさは、若い世代にバトンタッチされていく!
    甘酸っぱい青春ストーリー。

  • 良かった!
    独特な雰囲気で、何でもない話なのだけど良かったと思える

    失踪した父のお家へ泊まる下巻
    誰にもできないことをするんじゃなくて、誰かから受け取ったバトンを渡すだけでいい
    というのが琴線に触れた
    門司くんとの仲も甘酸っぱ〜

  • 絵柄がこの世界の片隅に に似てるなと思った。
    ゆるくてフワフワしてて読んでて本当に心地良かった!
    屋上の合鍵を作っちゃうとか、母親に内緒で父親に会いに行っちゃうとか、どんな人でも悪い面はあるけれど、その一面だけをみて否定する人は誰も居なくて。その人はその人として認められてる世界観がとても良かった。

  • 田島列島著『子供はわかってあげない 下』(講談社)
    2014.9.22第1刷発行

    2022.5.15読了
     朔田美波は実父そっくりで、母親と全然似ていない。「絵に描いたよーなシアワセ家族」であることに疑問を差し挟むつもりはないが、音の遮断された水中で一人水泳に臨む彼女の姿にはやはりどこか哀しみを感じさせる。今の幸せを壊したくないという気持ちと実父に会いたいという気持ちに引き裂かれながら、実際にはかなり危ない状態だったのではないだろうか。

     つまり、どう説明すればよいのか、要するに彼女は自分の存在に自信が持てなかったのだと思う。

     実父は悪い人ではないのだろうけれど、ただやはり父親として肝心な部分が欠けている気がする(ついでに言えば、サエグサさんの犯行を予知しながら止めなかったのは、もはや共犯者に近いと思う)。しかし、あのままでは彼女は実父の元から帰れなくなる危険があった。門司くんが助けに来なかったら本当にどうなっていたか知れない。

     けれども、習字教室の「先生」である門司くんから「人は教わったことなら教えられる」という言葉をもらい、彼女の中で確実に何かが変わった。彼女だけでなく、実父にとっても自分の生き方をもう一度改めているきっかけになった。

     人は多くのものを他の人から受け取りながら生きている。悪いものは人に伝えず、良いものだけを他の人に手渡していければいい。そうやって良いものが世界をぐるぐる巡っていくとすれば、人の心を読める能力なんて大したものではないことが分かる。

     「貸し・借り」「先手・後手」「先生・生徒(弟子)」といった大きな主題の中に、子供から大人へと成長していく過程が見事に描かれており、清々しい読了感であった。

  • 台詞回しが好みだったし、伏線のわかりやすさも落ちの付け方もまた自分好みだった。
    夏にまた読み返したい。

  • 映画鑑賞後に。
    映画よりもサラッとしてる感じはあった。いい意味でも悪い意味でもなく。

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著者プロフィール

2008年に新人賞受賞作『ごあいさつ』でデビュー。2014年に開始した連載デビュー作『子供がわかってあげない』は実写映画化もされる人気作となる。2020年に『田島列島短編集ごあいさつ』『水は海に向かって流れる』が評価され第24回手塚治虫文化賞新生賞を受賞。『水は海に向かって流れる』は2023年6月に実写映画の公開も予定。現在「モーニング・ツー」にて『みちかとまり』を連載中。

「2023年 『みちかとまり(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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