いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(2) (モーニング KC)

  • 講談社 (2015年2月23日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ) / ISBN・EAN: 9784063883961

作品紹介・あらすじ

2012年秋、竜田は6次下請け企業からの脱出を図り、念願の建屋内作業の職に就く。2012年末、一旦首都圏に戻り覆面漫画家としての活動を始めた竜田だったが、実は彼は2014年夏、ふたたび作業員として1Fで働いていた。作者が見てきた「福島の現実」に賞賛、反響続々!! NHK「クローズアップ現代」や朝日新聞「プロメテウスの罠」などで特集され、今も世界中から取材依頼が殺到する話題作、待望の最新刊です!

みんなの感想まとめ

福島第一原発の廃炉作業に従事する作業員の日常を、淡々とした視点で描いたコミックの第二巻。主人公の目線を通じて、事故から3年経過した現場の変化や、依然として厳しい作業環境がリアルに伝わります。大げさな表...

感想・レビュー・書評

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  • 漫画というドキュメンタリー。事実を淡々と。世界に届く手法だと思う。

  • たった一人の報告はつづく。でも大げさじゃないんだよね。生活している人間の目線の良さ。批判とか摘発じゃない、現実に対する、働く人間の感想。そこがいい。

  • 福島第一原発で廃炉作業を行う作業員の日常を描いたコミックの第二巻。
    あの原発事故から3年が過ぎた2014年。より線量の高い現場での作業に従事する主人公の日々が、3年という時間の経過で変わった原発周辺の状況(瓦礫の撤去や国道6号線の開通など)とともに描かれている。
    3年という時間の経過とまだまだここまでという現状、そして、限られた年間線量の制限の中で行われる日々の廃炉作業のなんとも途方のない感じから、復興・復旧や廃炉への道のりの果てしなさが伝わってくる。

    自分の世代では完了しない、いつ終わるともしれない状況に途方に暮れそうになる。でも、作者は、少しずつではあるにせよ確実に変わっていく状況に希望を見出していて、読む者は少し救われる。

  • 福島第一原発作業員が描く、ルポルタージュ漫画の第2巻。

    原発作業の実態と少しずつ復興していく、周辺の様子がリアルに描かれる。しかし、著者が放射能の影響を安易に考えている描写もあり、読者としては少し心配になる。

    それにしても、廃炉までにあと何十年掛かるのだろうか…

  • 残るは圧力容器上蓋 玉掛け=クレーン荷吊りワイヤー掛け 1Fにウンコしに来てるみたい 歯軋り 前借りの清算も追いつき 番を張った 侠気に溢れた人物 いわき市内にもビニールシートがかかった屋根はまだあった 姉御肌な人物 高線量現場の話 一口に多層下請けといっても内情は複雑だ 当然その間で給料の中抜きをしつつ TBMツールボックスミーティング KY危険予知 でもそういうのって抜き打ちで来なきゃ意味ねんじゃね 実態把握が目的ならね 放管手帳には毎月の被曝量を記載する欄があり 電動ディスクグラインダー通称サンダー 海江田経済産業大臣 TIG溶接 PT検査 バンドソー(電動金ノコ) タイベック 線量役者 サーベイ=汚染検査業務 JV=ジェイヴィレッジ ADP=警報付き個人線量計 「酪王カフェオレ」は福島県が誇る県民的飲料なのだ 常磐線竜田駅 小名浜特殊浴場街 美空ひばりのみだれ髪 震災の風化 ガラスバッジ リングバッジ 南相馬 凍天しみてん 楢葉の水田に秋桜 分譲中 冷却停止 いわき市平 目光メヒカリ唐揚げ WBC=ホールボディカウンター 昔から漁師には水死しても身元が分かるように刺青入れる風習があんだってよ

  • 2012年秋、竜田は6次下請け企業からの脱出を図り、念願の建屋内作業の職に就く。2012年末、一旦首都圏に戻り覆面漫画家としての活動を始めた竜田だったが、実は彼は2014年夏、ふたたび作業員として1Fで働いていた。作者が見てきた「福島の現実」に賞賛、反響続々!! NHK「クローズアップ現代」や朝日新聞「プロメテウスの罠」などで特集され、今も世界中から取材依頼が殺到する話題作!!(Amazon紹介より)

  • 高線量な場所での仕事内容もさることながら、いちえふ内での転職事情、住宅やレンタカーを借りる際の拒否なども興味深くあっという間に読み終わりました。
    作者の身バレネタや地元の方との交流なんかも垣間見られ、賛否はあるのかもしれませんが本当にありのままを語られているように思えました。

  • 異常が日常になり、多重下請け構造や廃炉技術の継承などの根本的な問題を放置・先送りにしたまま、目の前の作業は続く。たった2万円の日当で除染作業を行う現場と、東電や上流会社を「お客さん」と呼ぶ、意識の断絶。現場の眼である本書を読む限り、東電に当事者意識はまるで感じられない。復興作業はフロンティアスピリッツを感じるのかもしれないが、そういった男気、心意気に自分も含めておんぶにだっこだ。

  • 『いちえふ』第二巻。一巻でも思ったけど、原発で働く人たちがこれだけ汚染対策をして線量限度を守っているというのはうれしく思う。労働者が自分の健康のために注意するのはある意味当然だけど、体制として法令をちゃんと守るようになっているのが安心できる(本来これも当然なんだけど)。やっぱり日本人はまじめだね。

    作業員が住居探しで苦労したり、作者さんが取材されるときに記者の偏見に遭遇したりというエピソードもあって、やっぱり放射線の無理解はあるんだなと思わされる。

    原発そのものの話ばかりでなく、被災地の復興に関する情報もあるのでいい。現場で働く人本人の発信する情報だから説得力がある。

    廃炉に向けて作業に取り組む作業員の方に敬意を持たなければ。「1F作業員をやたらと虐げられた労働者や逆に強靭なヒーローに仕立てたがる傾向には戸惑っている仲間も多い」とあるけども、適切な情報と理解が広まればこういうことも減っていくと思う。この漫画の役割はとても大きい。

  • 第八話において、作者は原発労働者の下請け構造についてスケッチする。4次下請けの段階で既に20000万円だった給料が6次下請けで10000万円になる仕組みは、下手なルポで書くよりもわかりやすい。しかし、作者にそれに対する根本的な批判思考はない。人数を揃えるためには必要悪だという認識である。

    まあ、そういうスタンスのルポだからこそ、二回目の原発労働が2014年に行けたのだろう。本人がそれを計算してやっているかどうかは別として、読む方はあくまでも原発労働の「真実」を描いているのでは無く「実態」を描いているマンガだという目は持っておかなければならない。

    実際作者が関わった労働は、パイプのほんの一部の溶接(の補助労働)のみであり、それで全体を見渡せ、という方が無理なのかもしれない。

    作者が無意識のうちに書いている、原発周辺の荒涼たる景色が、あと数年後には貴重な記録になるのかもしれない。
    2015年3月12日読了

  • 原発ルポというより、原発を職場に選んだ男たちの物語、という感じになってきていて大変良いです。センセーショナルな方向より、このままじっくりじんわり味のある内容で行って欲しい。

  • 図書館の都合で最後になった2巻
    続きのストーリーが問題にならない作品なので、特に読後に違和感はない。
    相変わらず面白い。
    必読。

  • きっちり被曝管理されながらの肉体労働
    誰かがやらないと、ですね。

  • プレハブ
    現場に入る前に別の場所で部品をある程度組み上げておくこと

  • 借りたもの。
    福島第一原発の廃炉作業は少しずつであるが確かに進んでいた。
    廃炉に向けての具体的な作業の一部(解体とか)が描写され、大変な環境(放射能だけでなく防護服着た状態とか、低賃金とか…)で作業されている事が垣間見れる。

    1巻では(どうしても)主に放射能対策ばかりに目がいってしまっていたので、「今」を知るためにこうした描写があるのが大切だと思った。
    現場での風景の変化――瓦礫の撤去、解体だけでなく女性職員が現場に入るようになったこと等、悪い方向に行っている訳では無いのかもしれない。

    作者の“楽しむ”姿勢が心強い。
    地元のB級グルメや、パチンコだけでなくバーで演歌演奏したりと地元の人達との交流が描かれる。
    休耕田のコスモス畑に遭遇するエピソードは、自然の力強さにも癒やされたのだろうと想像する。

    コミックを出したことでの周りの反応だけでなく、各種マスコミから受けた取材のエピソードには、興味深いものがある。
    現場でさえもあらぬウワサが立ったり、週刊誌などマスコミでさえも極論や尾ひれの付いたウワサが実しやかに報道される現実は、震災から3年(2014年)経っても変わらないようだ……
    勿論、何が真実なのか、現場に私たちはメディアを通してしか知れないのだが……このコミックを通しても然り。

  • 過酷なお仕事ありがとうございます。不安定な雇用の中で、危険なお仕事をしている人がいるということを私たちは知らなくてはいけないと思います。原子力発電所を稼働させて良いのか、火力発電に頼って地球環境を悪くしているなんていうことも言われるし、もう一度、みんなで省エネしてみませんか?と提案したい。お金を払えば電力は買えるけれど、それと引き換えにはできないほどのものを失っていないだろうか。人にも問いつつ、自分のことも戒めなくては。

  • 雑誌「pen」の漫画特集で気になって購入。気になった点は、絵が古臭いのと、字が多くて読むのが疲れること。前者はそれが味だって言われればそれまでだし、後者はルポの特性上やむを得ないことだとは思うけど。内容としては、現場で実際に働いた人ならではの視点が垣間見れて良かった。外部の人がいくら理論を並べたててみても、実際の現場とはどうしても相容れないところって、どういう現場にもありますもんね。

  • 花泉図書館。

    1巻目は鳴り物入りで出版されたのでそれなりに読みごたえはあったが、それを受けて(かどうかは著者本人が一番わかっているだろうが)かどうかはわからんが、この第二巻目は著者のプライベートな部分(はっきりいってギター弾き語りでライブをやったとか、どうでもいい)押しで、さっぱり「ふくいちで働く」という事が一旦置いておかれたように読めた。
    まぁ、それを言ったら著者の書きたいことと読者(ワタシ)が求めている事に開きが生じただけで、こちらとしてみればただ単に読まなきゃいいだけなんだよね。
    ワタシには、なんだか1巻目で祭り上げられて気を良くした著者が調子に乗っちゃった(覆面だったのがばれ始めたのもあって)ようにしか見れなかった。
    これが元々2巻目はこういう感じでいきましょう、と打ち合わせ済みだったとしても、ここで持ってこられると、なんか、つまんない、って感じ。
    でも~。3巻目出たら読んじゃうんだろな(笑)。

  •  現場作業のルポ漫画第二弾である。待望と言っていい刊行だっただろう。
     相変わらず、非常に興味深い内容である。今回から現場作業でもより重要度の高いものへと移行し、物語的にも内容的にもより良い進行が見られる。
     物語としては地味になりがちな題材だが(トラブルがあってはシャレにならないのだし)、そこにある実感が物語のリアリティとなって表れていて、物語の質自体も高いものである。

     文句なしに星五つ。本当に興味深く読ませていただいた。
     多少の箸休めや刊行速度の遅さはあってもいいから、これからも福島原発の廃炉作業の今や現地の様子を活写していってもらいたいものである。

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著者プロフィール

大学卒業後、職を転々とし、東日本大震災後、福島第一原子力発電所の作業員となる。

「2015年 『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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