- 本 ・マンガ (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063885088
作品紹介・あらすじ
27歳の派遣社員・片浦渚にとって、“コスプレ”は人生のすべて。友人・公子の「趣味をやめる」という選択に、渚は自分の限界を意識し始める。そんな時、母の佐和子に、60歳になっても“ゴスロリ”を続けている母の友人・ノリを紹介され――。趣味を手放すか、しがみつくか、それとも――。趣味と現実の狭間で揺れ続けた、渚が出した答え。【収録内容】描き下ろしのエピソード/『COSPLAY MODE』監修の用語解説
感想・レビュー・書評
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本当は、もっともっとエグっていくストーリーが描きたいんじゃないのか? 何だかどうにも、どのエピソードでもドロドロになる直前で寸止めしているような印象があって、最初はそこがあまり好きではなかったけれど、今となってはもう、そこがこの物語の優しさなのかな、というか、最後の最後はちゃんと許されている世界だ……みたいな安堵感、そして切実さに胸が締め付けられるほどハマってしまった。週刊連載とは思えないほどに絵も素晴らしい。何よりセリフに「嘘がない」のが良かった。ずさんに書いている言葉がひとつもない。すごく大事なことだと思う。
ラストだけ、ちょっと葛藤なく走り抜けてしまった印象があったかもしれない。でも「溺れ続けているって気持ち良いよね」って結末だからしょうがないのかな……。もしもさらにその先まで描き抜けていたのなら、100点満点の250点になってたような気が、する。でも十分感動させて頂きました……!/長谷は葉山さんとくっつくほうがよかったような? -
最後何となく駆け抜けた感あるな。
もうちょっと続いて色んな方向から観たいなと思わされた。
全体的に面白かったから。
主人公は高校生の時からガンガンコスプレしてきて
大人になってお金も使いながら、スキルも使って
ようやく自分の思うようにコスプレ出来るようになって来た頃には
まだコスプレしてるの?と言われるような年齢になってしまったというね。
これ哀しいよね、、、w
だってほんと、やりたい事って人それぞれだから
例えばスポーツとかピアノとかだったら割と年齢関係ないじゃない。
スポーツは体力的にはどんどん損なわれるけど
趣味の範囲を出なければ別に誰に迷惑かけるって事もないと思うんだよ。
コスプレって美醜が関係するから、モロ加齢の影響って受けると思うからさ。
そりゃ年齢問わず、美醜問わず、
コスプレだって誰でも出来るけれどやっぱり
それで外に出る以上は自分が求めてなくても評価はされるからね。
それがどんな評価でも受け入れられるなら良いけど。
いつまでこんな楽しい時が続けられるんだろう、
なんて思ったりしてるところに親友がコスプレ引退したりして
自ずと自分の引退時期はいるなんだろう、とか考えたりしてね。
叔母の影響を受けて、
自分が本当に何をしたいか考えたところで
趣味を仕事に生かすことにした、ってところでオチで
物語としては中々いいオチだったと思うよ。
ただなんていうか、伯母さんの話の時にさ
『こんな人に持って欲しいなって思う人に買ってもらったら
どうぞ自分の子をお願いしますって気持ちになれるけど
そうじゃ無い時はつらい。』
っていうのがね。
すっごーーーーく引っ掛かったわ。
『仕事だから割り切るけど。』
って、まぁそれは良いんだけど
何ていうか店主が勝手にお客様に持って欲しいとか
この人には持って欲しくないとか、そういう思想がこの作家にあるのかと思ったら
気持ち悪いなと思ったな。
この漫画家にそういう思想があるかどうかも分かんないけどね。
でも時折、何か物凄いネジ曲がった格好良さとか、主義主張みたいのが垣間見えるのが
何とも言えない気持ち悪さに繋がるな。
私も30代で、スイーツデコとかやってるけど
でもこの趣味も実際材料や資材をそろえるのにお金が必要だし
少女趣味っちゃ少女趣味のジャンルではあるけれど大人にならないと出来ない事の方が多いよ。
ただ、作ってる本人は歳を重ねても
商品だけはいつまでも可愛く新鮮であるから
自分が続けようと思ってるうちはいつまでも作れるんだろうけどね。
でも私も作る側の人間だからこそ思うけど、
この人に持ってほしいな、この人には持って欲しくないなとか思って売った事無いよ。
売るときには
出来るだけ長く大事に使って欲しいな、って誰に売る時も思うけど
物には寿命があるからね。
どんなに大事にしてても太陽光による劣化も免れないし
埃だってつくし、汚れたり、黄ばんだりするんだよ。
そういう事含めて出来るだけ長く大事にして
でもちゃんと使って欲しいなって思うけどね。
それを、お金という対価を払って買っていく人に
この人にはふさわしいだの、この人にはちょっと買って欲しくないだの
そんな傲慢ちきな事思ったことないわ。
だから、すっごいイライラした。
その人だって、着てる服の趣味と、持ち物の趣味が違うかもしれないじゃん。
すごくシンプルな格好してたり、野暮ったい感じの格好してても
可愛い物が好き!って人は居るからね。
そこんとこ自分の価値観押し付けるようなら辞めてしまえと言いたいから。
それにその支払ってくれたお金だって
本人が稼いだにしろ、親のお小遣いにしろ、
一生懸命稼いだ貴重なお金を使って買ってくれようと思ってるんだからさ
それで自分の商品を買ってもらえるなら
本当にありがたい事だなぁって私は感じるんだけどね。
まぁ私のような価値観もあれば
ストーリーのような価値観もあるんだろうけど
自分の趣味を生きがいに仕事にしてる割にプロ意識足りねーな、って思ったわ。
選民意識高ぶらせたいならほんとに趣味だけでやっとけよって言いたい。
だから面白いマンガだとは思うけど
良いマンガとは思えなかった。 -
程よいボリュームで終わりも良く楽しめました。
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「好きは呪いだ 苦しくて そして心地良い」
「まぁやっぱ仕事にするしかないよねー」とは思うものの、所々の描写が卓越しており、実に心地良い読後感の作品でありました。
読み切り時に気になっていた、ウィッグもせず普通に煙草吸ってたりしててあんまり世界観作ってる風じゃなくて逆に気になってた脇役の人、こんな凄い人になってるとは思いもよらなかったよw -
社会人コスプレイヤーの苦悩を描いた作品が、無事に完結。最後は趣味を活かしたお店を開業するということで、とりあえず前向きな終わり方でよかった。趣味と仕事を交差させるって、私にはとても無理なんだけど、その辺は人によるんだろうね。
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渚は結局「好き」を貫けたんだろうか。それとも、現実に合うようにその思いを変質させたんだろうか。コスプレという特に理解を得るのに障害がある趣味を持ったがゆえの渚の葛藤だったけれど、多かれ少なかれ誰もが持っている経験。それでも、それだけ「好き」の気持ちが大きいことはとても幸せなことだと思う。
結婚式で公子がドレスを着たシーンでは泣いた。 -
進む道。
著者プロフィール
佐久間結衣の作品





