- 本 ・マンガ (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063885125
作品紹介・あらすじ
【長期入院】長い入院生活は、ベッドの上で一日を過ごすことが多く、何もすることがない。単調な毎日の中、赤ちゃんの様子を見られるエコー検査や面会の人との会話が楽しみになる。他【フルコース】【未熟児網膜症】を収録。
感想・レビュー・書評
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テレビドラマ化もされた人気シリーズの第11巻。
帯が「ただいまTVドラマ放送中‼」となっているとおり、TVドラマ第1期の放映期間中に出版されています。ちなみに、ドラマの放映に合わせて、第10巻が9/23、この第11巻が10/23、第12巻が11/20と、コミックスが1ヶ月おきに3冊発行されました。「3ヵ月連続刊行」だそうです。わが子を必死で寝かしつけてテレビの前で全力待機していた頃を懐かしく思い出します。
これまでどおり、「ペルソナ総合医療センター」の産科を中心に、妊娠出産、赤ちゃんとお母さんを巡る悲喜劇と、主人公サクラ先生を中心とした群像劇が、綿密な取材に基づく圧倒的なリアリティと現場感を伴って語られます。
この巻には「長期入院<後編>」「フルコース」「未熟児網膜症」の3編が掲載されています。
掲載作の中には「3ヵ月連続刊行」の山場、「長期入院」の後編があります。10巻で前編を読んだ後、11巻で続きを読むのがどれほど待ち遠しかったことか。
ちょっと冷却期間を置いた今、改めて読み返すと盛り上げ方に漫画らしいあざとさを感じたりするのですが、初見時は読後に少し熱いものがこみあげてくるほどで、当時の自分の熱中ぶりを少し照れながら再読しました。
以下、各エピソードに一言ずつ。
「長期入院<後編>」
ドタバタしながらも無事退院に漕ぎ着けた七村さん。一方で西山さんは冷酷な事実に直面させられているところでした。
この西山さんのエピソードは…何と言えばいいのか、自分だったら耐えられないなあ、じゃなくて、仮に西山さんの立場に身を置いてみて、その心境を想像するとそれだけで全米が泣く、というか、とにかく幸せの絶頂から突然どん底に突き落とされたわけで、振幅が大きすぎるなあと思うのです。
とりわけ、事情を知らなかった七村さんからの「赤ちゃん元気?」という無邪気で残酷な質問に「カワイイよ」と100%嘘ではない答えを返すシーンが切ないです。本当に可愛かったんだろうなあ。
最後にベイビーがアリサ・ローグに書いた曲が流れながらのエピローグ、というのは、もしかして映像化を意識していたのかな、なんて勘ぐってみたりしました。
余談その1:レビュー書く前に再読してみたらラスト近くに抱っこ紐で赤ちゃん抱えて多分ヨドバシのゲーム売り場で3DSの箱眺めてる吉野さん発見w。PSP七村さんにあげちゃって失敗したと思ってるかな?
余談その2:よく出てくる脇役「サオリちゃん」ですが、ようやくフルネームと身分判明、助産師「山内サオリ」でした。
「フルコース」
直前の「長期入院」が重たかった反動か、迷信に右往左往する妊婦白鳥さんに振り回される四宮先生がコミカルに描かれます。
まあ、妊娠中に火事を見るとアザのある赤ちゃんが産まれる、なんて今どき真剣に信じている人はそうそういないとは思いますが、でも日本の人口ピラミッドが、丙午の1966年がはっきり分かるくらいペコンと凹んでいるのは紛れもない事実です。次の丙午は2026年…さすがに今どき信じている人はいないでしょう。でも、それに代わる科学の皮を被った迷信がどんどん登場しています。母乳神話やら、キャベツ湿布やら、ここは四宮先生を見習って「笑えないでしょ」と笑い飛ばしてしまいたいところです。
妊娠中には歯科健診もあり、予防や治療についての情報は仕入れていました。盲腸についても妊婦ならではの難しさがあるようです。楽しみながら知識が増えるのは嬉しいことです。
余談その3:「海長塩耕作」なる島耕作ネタが出てきました。10巻にもあったし、作者さん島耕作好きなのかしら…
余談その4:外科の腹切、じゃなくて霧原先生、そのうちまた登場するかと期待していましたが、なかなか出てきません。待ってますからお願いします!
「未熟児網膜症」
院長回です。ただのエロオヤジではない、「ひょっとして本当にスゴイ院長」であるところを見せてくれます。まあ、根っからの金の亡者なのかもしれませんが…。こうやって脇役まで一人ひとり拾っていくあたり、プロットの作り方に並々ならぬ力を感じます。
あと、赤西ゴロー先生、お帰りなさい。 -
ずっとろくな役回りじゃなかった人がいきなりかっこよくなるのはいいね。
フルコースの話も中々。 -
なんかもう、コウノドリ全部教科書か人類必読にして良し。
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だいたい泣いてします話しがある。
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