西遊筋 (2) (モーニングKC)

  • 講談社 (2016年7月22日発売)
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感想 : 1
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  • 本 ・マンガ (136ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063886252

感想・レビュー・書評

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  • ホント、筋肉に効くコメディだ
    KANA先生の『女の友情と筋肉』に負けないくらい、読んでいると鍛えられる
    世界的な名作と言っても過言じゃない、『西遊記』を軸にし、そのアクション性やドラマ性を損なわずに、同時に、オリジナリティもブッ込んでいるOTOSAMA、地力があるわ
    やっぱ、イイ漫画家に人種は関係ないな
    各エピソードに、本家の良さを破綻させない程度に独創性を盛り込み、ストーリーを盛り上げているのは実に素晴らしいのだけど、「じゃあ、本家を読んでみよう」ってキモチが湧いてくるかは微妙
    公式のスピンオフ作品を先に読んでから、本家を読むと、違和感を覚えるもんだが、恐らく、この『西遊筋』にも当てはまってしまいそうだ
    ありえないとは思うが、もしかすっと、『西遊筋』(1)を読んでから、本家を読んだ人は、「え、この三蔵、貧弱じゃん!?」と吃驚したのではないだろうか
    ある意味、読み手を選ぶ漫画ではある。面白いのでお勧めはしたいのだが、本家を汚すスピンオフやパロディを認めたくない人は無理だろうな。でも、そう思われる作品ほど面白いのも世の常
    キャラが生き生きとしているってのが、この『西遊筋』の魅力だろうな
    孫悟空を筆頭に、ほとんどのキャラが本家のそれから懸け離れているのだが、それが気にならないほど、言動に対して好感が湧く
    憎むべき悪役らも、三蔵の筋肉の前に平伏すさまを目の当たりにしちゃうと、笑っちゃ悪い、と思いながらも、笑いを噛み殺せない。もちろん、同情はしている。確かに、非道な悪行を重ねてきているのは事実なのだが、その罰にしちゃ、三蔵の存在は過ぎているな、と思わんでもない
    三蔵一行は、三蔵のみが男で、他のメンバーは女子な訳だが、ハーレムって感じでもなく、ラブコメ感もない。忠義心があるかは別として、とことん、主従を貫いている。そのパーティのブレなさが、面白さを土台で支えているのも間違いない
    先の巻もだが、今巻も引きが巧い。本家を読んでいるからこそ、余計に、この『西遊筋』では、どうなっちゃうんだ、と期待が持てる一旦の切り方だ
    個人的に好きなエピソードは、奎木狼と百花羞の種を超えた変則的なラブコメ。ハッピーエンドにしてくれたのは、実に嬉しく、好感度が上がった
    この台詞を引用に選んだのは、百花羞のイイ女っぷりが如実に表れているから。女性蔑視と言われそうだが、イイ女ってのは男の道を阻まないもんだ。本当は、自分だって好きな人と一緒にいたい。けど、その我儘は彼がやり直せるチャンスを奪ってしまう。だからこそ、あえて嫌われるようなキツい態度で接す。イイ女にしか出来ない。また、このシーンがあったからこそ、このエピソードのラストが活きているってのも選考理由

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