- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063886764
作品紹介・あらすじ
英仏百年戦争のただなかで、天からの啓示を受けたジャンヌ。「王を助けよ」という声に従い、協力者を求めヴォークルールへ向かうが……。「あの娘はもう町中で評判なのです。3日間門番に迫って一歩も退かなかったのです」(ボードリクールの妻)山岸凉子×ジャンヌ・ダルク、待望の第2巻!
感想・レビュー・書評
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ついにシャルル王太子との謁見がなり、大きく事態が動き出す第2巻。
周囲が自分たちの見たいものをジャンヌに重ねて大きなうねりになる構造は、好意的な勘違いで成功を続けるタイプの喜劇でもある。ただジャンヌ自身にも似た構造が内包される上に、啓示の存在がまた不穏。
現代日本の視点から見れば百年戦争でシャルルに肩入れすることが特別な正義でも無いことが、作品中の高揚した読書感の背後に忍び寄る。
それでもジャンヌの聡明さと勇気は極めて魅力的に描かれていて眩しいばかりであり、惹き込まれる。 -
ジャンヌ・ダルクを描いた歴史物第2巻。「神がかり」がどういう状態なのか、を具体的に描いている視点が山岸さんならでは。厩戸皇子とジャンヌに通じる物を感じるかも。
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ようやく伝説の始まり。
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著者が意図してそう描いているのか、そう思えるだけなのか、ジャンヌは人に試されすぎ、そこで聖人と思われようとしすぎで、モーセやイエズスやノアや諸々のtestament に出てくる人と違って人間から見て優等生すぎるのが怪しい。笑
ジーザスは高価な香油を塗ったり、ご馳走にあずかっていたよ? -
彼女が得た啓示が真実であるとか事実であるとか、それは彼女自身にしかわからないこと。そして、彼女自身だけがわかっていればいいもの。
だけど、彼女の行動と取り巻く環境・状況がそれを許さない。
少しずつ、世の中の悪とされている部分を経験していくジャンヌ。拠り所となるのは、信仰と亡き姉の姿。それがなくなった時、失ったと思ったとき、彼女の人生は終わってしまいます。
と、歴史上の結末を知っているだけに悲劇を予想してしまいます。しかし彼女を信仰でなくて救うことができそうなのが、ピエールなんだけど・・・。
彼の周りにも俗物が湧いているので、雲行きあやしいです。 -
いよいよただの百姓娘ジャネットがジャンヌ・ダルクらしくなってきた!山岸先生の絵は線も細くてあっさりした感じの絵なのに相変わらず静かな炎が燃えてるような雰囲気があって引き込まれていきます。すごく歴史を調べられていて時代の様子が緻密に描かれていて興味深いです。
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待ってました!いよいよジャネットがジャンヌ・ダルクになっていく。彼女の弱さと強さの描き方のバランスが絶妙。
山岸先生のこと、おそらくたくさんの資料を調べて、基本的にそれに忠実に描いてあるのだろう。それでもその「事実」から生身の人間の姿が立ち上がってくるところがすばらしい。