- 本 ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063887037
作品紹介・あらすじ
聖ペルソナ総合医療センターから一人だけ、1ヵ月の間離島へ研修に行くことになった。そこで選ばれたのは、赤西ゴロー。都会生まれ、都会育ちの彼は不安でたまらない様子だったが……。ゴローの、医師として、人として大きく成長する旅が始まる!
感想・レビュー・書評
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この巻がいちばんグッとくる
父ちゃんカッコ良すぎる -
唐突にはじまった離島医療編。
いきなり医龍のパロディが来てどうなるかと思ったが、これはゴローじゃないと始まらない話だったかな。
安易にいい話にしてしまわなかったのも良かったと思う。
いやいい話だったけど。 -
ゴロウ先生の離島での物語。
日本の医療はこういう人たちに支えられている。
このことを漫画に書いてもらえて、皆が知るということはとても大切なことだと思う。
感謝。
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毎度泣いてしまう。
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【推薦者】
体育学部 健康学科教員 三瓶 舞紀子
【学生へのメッセージ】
COVID-19流行下では、「10代の妊娠」「望まない妊娠」「貧困」の問題がよりクローズアップされました。産婦人科医&謎のピアニストでもある主人公が、様々な妊婦のお産に向き合います。この漫画に登場する様々な生命から、子どもたちを育てる社会の責任とは何か、全ての学生と特に教員を目指す学生にお薦めします。
▼配架・貸出状況
https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00539355 -
テレビドラマ化もされた人気シリーズの第17巻。
「ペルソナ総合医療センター」の産科を中心に、妊娠出産、赤ちゃんとお母さんを巡る悲喜劇と、主人公サクラ先生を中心とした群像劇が、綿密な取材に基づく圧倒的なリアリティと現場感を伴って語られます。
これまでもキャラクター一人ひとりを丁寧に掘り下げてきましたが、この巻に至って、とうとう一冊丸ごと「離島医療」としてゴロー先生回となりました。
医療のなかでも特に周産期医療の現場は、数件の訴訟をきっかけに産科医不足や周産期医療の崩壊なんて話を聞くようになりました。そもそも「コウノドリ」でも、未受信妊婦に院内に緊張が走るところから物語が始まっています。そんな中、まだ研修医のゴロー先生は1か月間離島の病院に研修に行きます。
離島での医療は、緊急時の咄嗟の判断と平常時の住民との交流を通じた信頼関係の構築といったテーマで物語を作りやすいことは自分のような素人でも想像がつきますし、例えば「Dr.コトー診療所」のような作品も既にあります。そんな中でこの巻は綿密な取材に基づき、離島での周産期医療の現状を浮き彫りにしています。
作品内で明言はされていない(背景の書き込みに「隠岐」の文字が読めますし、後書きには記載があります)ものの、舞台は隠岐です。一般的な「離島」のイメージよりは相当大きな島ですが、それでも救急車で容易に近隣の総合病院にアクセスできるわけではありません。
島内で出産ができる状況を維持するため、全体の4割にあたるリスクのない経産婦だけを「院内助産」として党内で受け入れ、それ以外は島外の総合病院で取り扱うこと、緊急時のヘリによる患者の搬送、常備している血液製剤がなく輸血ができないことなど、取材に基づく隠岐での現状を織り交ぜつつ、現地取材に対応した方々をモデルに登場人物を造形し、また9巻「研修医<後編>」での出会いという伏線を回収しており、「コウノドリ」の魅力の根っこはキャラクター一人ひとりのディテールにあることを感じます。まさに「神は細部に宿る」です。
だけど、です。
島のコトをよく知らない若造が生意気なことを言って一度は拒絶されるものの、日々な生活を通じて島民と心を通わせ信頼を育て、最後には受け入れられる、さらにはわずか1ヶ月で淡い恋すら経験するプロットって、何て言うか…普通です。コウノドリでなくても描けるじゃないですか。
そこに共感のスパイスがかかっていないとツルッと読んで終わり、心のどこかに引っかかるフックが足りないように思えます。
そんな中で、キャラクターの魅力だけで巻末までストーリーを引っ張ったゴロー先生は立派です。研修が終わったらちゃんとペルソナに戻ってきてくれるかな…?
著者プロフィール
鈴ノ木ユウの作品





