時空のからくり 時間と空間はなぜ「一体不可分」なのか (ブルーバックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065020197

作品紹介・あらすじ

色も形もない時間と空間が、ゴムのように伸び縮みする!?

大人気・山田流「物理学白熱講義」シリーズに、現代物理の最重要キーワードが登場!


物質と相互作用する時間と空間のふしぎ――。

時間と空間が融合した「時空」とは何か?

個別に分けて考えることができないのはどうしてか?

「時空のゆがみ」こそが重力の本質であるとはどういうことか?

この宇宙に「絶対的」なものは唯一、光速度だけであり、時間と空間を含むその他すべてのものを「相対化」したアインシュタインの画期的アイデアが時空を生み出した!

おどろきとふしぎに満ちた時空の性質を一から解き明かし、相対性理論の「宇宙観」をゼロから理解する。

感想・レビュー・書評

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  • 最初はなんとかついて行っていたが、テンソルが出てきたあたりから、だんだんと分からなくなってきた。再読でもしないといけないかな?

  •  「アインシュタイン方程式を読んだら『宇宙』が見えた(講談社ブルーバックス、深川俊太郎・著)」の数式を追いかけるうち、自分が今なにをしようとしているのかが分からなくなることが度々あったため、補助線として購入。数式から理屈を読み解くのも確かにスリリングで面白いが、「理系の言葉」に不慣れな門外漢にはこのような「タテ書き」の解説本もあったほうが良い。前述の深川本に出てくる計量テンソル、リッチテンソル、クリストッフェル記号などの難解な概念について、それぞれがアインシュタインの重力方程式の中で担う役割を平易な言葉でまとめてくれている。

     ビッグバンから38万年後という「一瞬」の後に起こった急速なインフレーションにより、それ以前に発生した光は「宇宙の地平線」の向こう側に閉じ込められてしまい、もはや観測不可能。しかしこのインフレーションを引き起こしたインフラトン場(正体は今なお不明)の量子ゆらぎが、アインシュタイン方程式の「時空」即ち計量テンソルgμνの量子揺らぎを引き起こしたという。これが宇宙にまだ質量がない時代であるにもかかわらず生じたとされる「原始重力波」であり、もしこれをビッグバンの残光である「宇宙背景放射」の中から観測できれば、宇宙の地平線の向こう側、即ちこれまで観測不可能とされたインフレーション時代の宇宙の姿を掴むことができるというわけだ。

     やや難しいところもあるが、全般的に平易な書きぶりで読みやすい。「からくり」シリーズは他にも何冊か出ているが、この著者の巧みな伝達の仕方が読者に受けているのだろう。

  • 山田さんの本は、文系でも結構わかりやすい。
    だがそこは流石ブルーバックス。
    テンソルとか色んな話が前提無しに出て来たあたりで面倒くさくなってきた。文系向けならもっとわかり易い本がある。

    ただ、改めて、アインシュタインは変態だったなってのはよく判った。

  • 特殊相対性理論が説く時空の性質について,平易な水準から解説を始め,そこから一般相対性理論による,重力と時空の関係を説明し,更にそれらの根拠となる,重力波の観測に関しても扱う.私の理解が十分でないのかもしれないが,推進力を得て加速するロケットと,重力場内で静止しているロケットとを,内部から見れば同一視できる(等価原理)とした上で,92ページ以降で,時間の進み具合や光の経路についてもこれを適用できるとし(ここが飛躍して見える),重力ポテンシャルエネルギーとの関係を扱う記述はおかしいと感じた.重力で光が曲がるのは最終的に時空そのものの歪みで説明するはずで,単に加速するロケット内で光が慣性に従うというレベルの話ではないのでは?それを抜きにしても結局光速が変化するという話なら,濃度勾配のある溶液中での屈折の例とかが適切かと思う.一般相対性理論では時空の歪みを扱うが,物体が時空の歪みに従って最短の測地線で運動すると同時に,それ自体でも時空を歪ませるという相互関係にあること,測地線自体は微視的にはミンコフスキー時空として,等速直線運動をしているとみなせる座標系を集めたものから成っていることが理解できた.一般相対性理論の方程式は,空間の曲率と質量・エネルギー・運動量の相互関係を規定しているものの,エネルギーと質量の相互関係も考える必要があり,非常にややこしいということを認識.あと曲率についての説明がよかったと思う.

  • 時空というものをキーに宇宙の誕生から現代物理学までを解説した本。山田克哉の本は難しいことを割と平易に書いてあるので、とても読みやすい。ただし本書の中の長屋落語的な掛け合い部分は正直無駄。より面白く分かりやすくするつもりのようだが、難しいことは少し砕けても難しいし、そもそも字数の無駄にしか見えなかった。

  • ※スマホ・読上版です!
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  • 出来るだけ数式を使わず、平易に解説していただいているのだが、残念ながら理解があまり出来なかった。少しづつ理解が進んでいる部分もあるが、基本的な所でつまづいてしまってキチンと理解出来ない。
    重力場と重力、重力子の関係?

  • 時間と空間について、ニュートン的な時空からアインシュタインの時空へと至る過程や、一般相対論が示す時空の姿について解説している。一般向けの本ではあるが、入門書というよりは入門レベルは何となく理解している人に向けた脱入門編のようなところがあり、そういう本が少ない中で、このレベルのものを読みたい人というのも多かったのではないだろうか。ベクトルとかテンソルとか、難しい行列も出てくるが、深入りせずに、これまた何となく分からせてくれる。

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著者プロフィール

山田克哉(やまだ・かつや)
1940年生まれ。東京電機大学工学部電子工学科卒業。米国テネシー大学工学部原子力工学科大学院修士課程(原子炉理論)、同大学理学部物理学科大学院博士課程(理論物理学)修了。Ph.D.。セントラル・アーカンソー大学物理学科助教授、カリフォルニア州立大学ドミンゲツヒル校物理学科助教授を経て、ロサンゼルス・ピアース大学物理学科教授に就任。2013年6月に退官。アメリカ物理学会会員。主な著書に『原子爆弾』『光と電気のからくり』『量子力学のからくり』『真空のからくり』『時空のからくり』『E=mc2のからくり』(いずれも講談社ブルーバックス)などがある。「読者に必ず理解してもらう」意欲にあふれた熱い筆運びで、ブルーバックスを代表する人気著者の一人。1999年には、講談社科学出版賞を受賞した。

「2023年 『重力のからくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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