時計の科学 人と時間の5000年の歴史 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 217
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065020418

作品紹介・あらすじ

人類が「時間」の存在に気付いたのは、いまから5000年以上も前のことです。
太陽の動き利用した「日時計」から始まり、周期を人工的につくりだす「機械時計」の誕生、精度に革命を起こした「クオーツ時計」、そして時間の概念を変えた「原子時計」まで、時代の最先端技術がつぎ込まれた時計の歴史を余すところなく解説します。

感想・レビュー・書評

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  • 1日は24時間で、1時間は60分で、1分は60秒。ずーーーっと当たり前
    のこととして疑問を持たずに生きて来た。でも、最初に時間という
    概念を思いついた人がいるんだよね。改めて考えると凄いわ。

    太陽の動きによって、木や岩の影の長さや方向が変わるのを見て、
    時間の存在に気がついたのだそうだ。そこから人類は「時間」を
    知ろうとする努力を積み重ねて来た。

    本書は人類が「時間」に出会ってから、それを知るために時計を
    作った歴史のお話である。

    面白いわぁ。特に古代の時計の話の数々は魅力的。日時計から始まっ
    て、水時計、火時計、砂時計、花時計など。どれも試行錯誤しながら
    改良を加えて、より正確な時刻を知ろうとしている。

    天文学と深い結びつきのある時計だが、天文台と一緒になった中国・
    北宋時代の水運儀象台は高さ12mになる巨大な水時計だったらしい。
    本書では写真が掲載されているが、これは本物が見てみたい。

    そして、花時計。今まで花壇の上を針が回るのが花時計だと思って
    いたんだが、これは違うそうだ。本当の花時計は開花時間の異なっ
    た数種類の花を植えて時間を知るものだった。

    こういう花時計。どこかにないかな。時刻の正確さは抜きにして、
    花の咲く時間で時を知るなんてロマンティックじゃないか。

    昔々の目覚まし時計は時間精度が低くて、目覚まし時計呼べるよう
    なものではなかったとかも面白い。

    時代が進むごとに時計は小型化と正確性が求められるようになり、
    腕時計も時代と共に進化していく。

    今では携帯用端末を時計として使っている人が多いのか、腕時計
    をしている人も少なくなった。でも、凄いんだよ、腕時計。

    手首に着けられるサイズなのに、小さな小さな部品がいっぱいに
    詰まっていて、しかも正確に時間を刻んでくれるんだから。

    各章の間には「時」と「時計」に関するコラムもあり、知らないこと
    ばかりが多くて勉強にもなった。

    尚、1日が24時間なのは十二進法や六十進法を多用していたシュメール
    人がバビロニアで文明を開化させたかららしい。

    どれだけいろんなものを発明してるんだよ、シュメール人。天才の
    集団か。

    本書の表紙カバーの写真は、マリー・アントワネットが金に糸目をつ
    けずに天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲ作らせた時計なのだが、
    これ、復刻版があるんだよね。展示用で販売の予定はないようだ。

    欲しいけれど、ブレゲの時計だから市販されたとしても高価過ぎて
    買えないだろうな。シクシク…。

  •  初めて「時計の存在」に気づいた人は、本当に素晴らしいと思います。何しろ、「見えないもの」の「存在」を解き明かしたのですから。
     人は太陽の動きにつれて、木や岩の影の長さや芳香を変えていくのを見て、時間の存在に気がついた」と言われています。時間がどうやって発見されたのかは、後人たちの推測の域を出ませんし、ましてや「最初に気づいた人」を特定することもできませんが、凄い知能だと思います。(p.16)

    1964年に東京で開催されたオリンピックで、セイコーは全自動でスタートからゴールまでhお100分の1秒単位で計測する電子時計を完成させました。
     スターターのピストル音をマイクロフォンでひろって時計が動き始め、ゴール線上に設置したカメラで全選手のゴールの瞬間を撮影し、タイムが組み込まれたフィルムに再現する仕組みです。また、水泳競技ではタッチ板を導入し、タッチの有無を含めて、波や水しぶきが舞って判定のしにくいゴール付近での正確な時計を目指したのです。
     その結果、オリンピックで史上初めて選手からのクレームのない公正な計時が実現し、今日の計時技術の基礎が築かれました。(p.183)

  • 人類が「時間」の存在に気付いたのは、いまから5000年以上も前のことです。
    太陽の動き利用した「日時計」から始まり、周期を人工的につくりだす「機械時計」の誕生、精度に革命を起こした「クオーツ時計」、そして時間の概念を変えた「原子時計」まで、時代の最先端技術がつぎ込まれた時計の歴史を余すところなく解説します。

  • 時計の技術的な進歩が社会を変えていく様が面白かったです。時計の構造の説明がいちいち細かくそれはそれで面白いのですが、技術革新により異業種からの参入があったり、質の担保への要請からの規格化や監査があったり、技術を独占しようとするも代替技術が現れて廃れたり、行きすぎた質の追及が市場で受けなかったり、ビジネス本としても面白いです。

  • 5000年にわたる時計の歴史。本書は、日時計から機械式時計、クォーツの登場、そして原子時計まで、時計の進化の跡を丁寧に解説しているが、あまり得るものはなかった。(マニアックでない)時計ファン向きの本なのかもしれない。

    メカニカルな機構、簡単な図解だけでは分かり難いなあ。

  • 古代の時計から始まり、機械式時計、クオーツ時計、原子時計、光格子とけいまで、様々な時計の開発の歴史が書いてある本。
    いろいろな時計職人の逸話なども入っているのがおもしろい。

    ブルーバックスなので、科学的・工学的なアプローチが深く、そのあたりを知りたいひと向け。

    うるう秒の現在の国際間での討議状況については他の文献に書いてなかったので参考になった。

  • 日時計から機械式時計、クォーツ、光格子時計まで。時計の歴史は科学の歩みそのものですね。

    ミニ四駆でお馴染みのボールベアリングってクロノメーター開発時に導入されたものだったんですね。

  • 献本でいただいた 生きていくうえで誰もが関わることを避けられない時間 それを正確に計測し、自分の手で掴もうとした人間の軌跡が詰まった一冊 後半部分はかなり専門的な内容であったが、全体的に興味を引く内容となっており面白かった 個人的に第一章の古代の話が好き(レビュー遅くなってすみませんでした)

  • 内容は興味深い。
    時間の発見から、時計の進歩、原子時計が出来るに至って、時間だけでなくいろんな概念が変わらざるを得ない。
    自然の「時間」との誤差が大きな問題になっていることとか面白いんだ。

    だが、肝心の技術面のところが、図も説明も素人には全く判りづらくって、寧ろキーワード拾ってネットで調べる方が判るってくらいで。

    どういう人を狙っての本なんだろう。

  • 機械式時計に興味を持ち、読んでみた。人間と時間との関わり・自然を利用した日時計の時代から、最新の原子時計まで、時間・時計と人類の歩みを順に追って行けるような感じ。

    第1章 時間の発見
    第2章 機械式時計の発明
    第3章 腕時計の誕生
    第4章 電子技術で誕生したクオーツ、デジタル時計
    第5章 超高精度時計と未来

    ・東向島にあるセイコーミュージアムに行った事がある。第1章は、そこでの展示をなぞっているような感じ。

    ・人類最古の時計である日時計、そこから水時計、火時計、砂時計、花時計。どれも自然のものを利用して時間を得ていた。現在のように手軽に正確な時刻が得られるのは、実は当たり前ではなかった。遊女が客の時間管理に線香時計を使っていたとか、当時のエピソードがちょくちょく出てきて面白い。

    ・機械式時計の仕組みの説明は、文章メインなせいでわかりづらかった。

    ・和時計のガラパゴス感。不定時法と定時法。もし不定時法がもう少し続いていれば、日本が時計業界の覇権を握っていたかも?

    ・原子時計のような高精度の時計が一体何の役に立つんだろうと思っていたが、やっとわかった。GPSで位置を割り出すためには正確な時刻情報が必要だ。原子時計よりも更に精密な光格子時計では、時空の歪みまで検出できるようになる。

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著者プロフィール

時の研究家。日本時間学会理事。1947 年生まれ。1971 年慶應義塾大学卒後、(株)服部時計店(現セイコー)に入社し時計の営業・販売企画・宣伝・広報などを担当。著書に『時計の針はなぜ右回りなのか?』(草思社文庫)、『あなたの人生の残り時間は?』(草思社)、『日本人はいつから<せっかち>になったか』(PHP新書)、『「時」の国際バトル』(文春新書)、『歴史の陰に 時計あり』(グリーンアロー出版社)、『時と時計の雑学事典』(ワールドフォトプレス)など。

「2013年 『「世界最速の男」をとらえろ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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