コウノドリ (20) (モーニングKC)

  • 講談社
4.20
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065105078

作品紹介・あらすじ

聖ペルソナ総合医療センターの院長のお願いで、鴻鳥先生が大学で講義をすることになった。テーマはサイトメガロウイルスやトキソプラズマ原虫など「母子感染症」について。注意するだけで防ぐことができる病気なので、少しでも大学生たちに伝わってほしい鴻鳥先生だったが…。

感想・レビュー・書評

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  • テレビドラマ化もされた人気シリーズの第20巻。帯は「“奇跡"の医療TVドラマが帰ってきた―。絶賛放送中!!」ですから、ちょうどドラマ2期が放映されていた最中に出版されたようです。ドラマ2期も面白かったですね。

    「ペルソナ総合医療センター」の産科を中心に、妊娠出産、赤ちゃんとお母さんを巡る悲喜劇と、主人公サクラ先生を中心とした群像劇が、綿密な取材に基づく圧倒的なリアリティと現場感を伴って語られます。
    この第20巻は自分にとっては「四宮巻」であると同時に、自分がしてきた絵本の読み聞かせを懐かしく思い出す巻で、涙腺崩壊巻となりました。

    この巻には「母子感染症」、「妊婦の自殺」、「記念撮影」、「栄養素」が掲載されています。

    以下、各エピソードに一言ずつ。

    「母子感染症」
    サクラ先生が大学で母子感染症について講義するお話。てか、学生への講義の形を借りた読者への啓発企画かも。
    生肉がダメなのは当然として、生ハムやサラミもダメだったんですね。あと、猫を飼い始めるのもダメだとか…。このあたりは知りませんでした。

    「妊婦の自殺」
    妊娠を機にキャリアを捨ててご主人の栄転に帯同した三浦ミサさん。引越後の片付けは遅々として進まず、一日部屋に籠もって誰とも話さない日が続けばそりゃ病んできます。
    ご主人が異常に気付き、間一髪立ち直ったかと思われましたが、毒親だったミサさんの実母が止めを刺しちゃいました。

    健診の間隔が開いたこと、診療の時の心ここにあらずの様子から、サクラ先生も引っかかりを感じますが、手は届きませんでした。

    珍しく遣りきれない話ですが、でも結構身に覚えがある話でもあります。
    妊娠中ではなく赤ちゃんの頃の育児ですが、でも世界に自分一人だけ取り残された感と、家族に対するガルガル感は今振り返ってみれば崖っぷちで辛うじて踏みとどまった感じです。

    幸い自分には止めを刺しに来る毒親はいませんでした。母子共に助かったミサさんですが、今後どうなるんでしょう…。
    これから怒濤の育児が始まるわけで。とりあえずご主人は育児休暇、毒親とは縁切りするとして、いったんいろんなモノから距離をとってゆっくりするのがいいかもしれません。

    「記念撮影」
    4Dエコーをきっかけに、妊娠出産の過程をまるで長編ドキュメントのように記録に残そうとする小坂さんのお話。
    傍目から見れば滑稽ですが、外野があまり口を出す話でもありませんし、記録することを通して夫婦で妊娠出産に正面から向き合う結果になって、結果オーライですかね。
    自分のところは4Dエコーなんて撮ってくれなかったなあ…。探せばよかったかな?

    「栄養素」
    妊娠中の食生活、葉酸などの栄養素とサプリのお話。
    …なんですが、そんなストーリーより何より、このお話は四宮先生が倉崎先生の娘ユリカちゃんに絵本を読んであげる、そのシーンがこのお話、この巻、そして自分にとってコウノドリ全体の中の白眉です。

    子どもを膝に乗せて頭越しに絵本を読むそのポーズ、2人の柔らかな表情、読んでいる本が自分達にとっても思い出深い「きんぎょがにげた」だったこと…その後の「子供って絵本を読んでやるとあんなに楽しそうな顔するもんなんだな」という感想、そして、つぼみちゃんに読み聞かせていた絵本を「もう俺には必要ないものだから」と倉崎先生に渡すところまで…「喫煙妊婦」で語られたつぼみちゃんの件があってから凍り付いていた四宮先生の心が解け始める瞬間を目にし、トラウマから解き放たれて踏み出した一歩が、絵本をユリカちゃんに上げるところで。もう涙腺崩壊でした。
    ただ、膝に乗せて読み聞かせしてるときって、子供の表情見えませんよねえ…。

    そう言えば自分のとこの子は自分で本を読むようになっちゃって、ここしばらく膝に乗せて読み聞かせなんてしてないなあ、あれは幸せな時間だったなあなんて、しみじみしてちょっと涙ぐんだりして。まだもう少しは膝で読み聞かせ聞いてくれるかもしれないから、今のうちに味わっておこうと心に決めたのでした。
    →と思って今日久しぶりに膝に乗せて読み聞かせてみました。読み聞かせる方としても楽しいし膝の上暖かいしやっぱりいいもんです。でもずいぶん大きくなっちゃって、もうすぐ膝に乗せると頭が邪魔で読み聞かせできなくなりそう。

    ちなみに、四宮先生の絵本チョイスは、以前の巻では「ぐりとぐら」、この巻では「きんぎょがにげた」そしてラストが「星の王子さま」だったみたいです。「星の王子さま」はユリカちゃんにはまだ早くないかな…?
    そして、倉崎先生に渡した3冊、「ごちそうさま」「つきのしたのモリー」「ねこのおこ」の元ネタがわからない…。何となく見覚えのある表紙なんだけどなあ…。

  • 本当に助ける
    気持ちの問題のその先
    心の問題のその先
    言葉にしたら一言だけど
    いろんな原因があって
    多分描かれていない原因があって
    こうやって出てきている症状がある
    症状があると
    辛くなる中で
    巧くやる方法って何だろうね

  • こういう母親って実際は反省どころか現状認識さえ拒否しそうと思った。
    いい話にしているけど、さらに追い詰める奴も多いんだろうな。

  • やはり結婚したらこの本全巻、本棚に用意すべきだと思う。
    もう教科書にしても良い。

  • 妊娠出産における自殺。妊娠と引っ越し、退職が重なり酒量が増えてうつっぽい感じから投身。何とか助かる。

    子供だけではなく夫婦の写真も撮る

    子供に優しい四宮と成長したゴロー

  • 2017年10月23日発売。

    TRACK56 母子感染症
    TRACK57 妊婦の自殺
    TRACK58 記念撮影
    TRACK59 栄養素

  • 【推薦者】
    体育学部 健康学科教員 三瓶 舞紀子 

    【学生へのメッセージ】
    COVID-19流行下では、「10代の妊娠」「望まない妊娠」「貧困」の問題がよりクローズアップされました。産婦人科医&謎のピアニストでもある主人公が、様々な妊婦のお産に向き合います。この漫画に登場する様々な生命から、子どもたちを育てる社会の責任とは何か、全ての学生と特に教員を目指す学生にお薦めします。

    ▼配架・貸出状況
    https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00539355

  • 女性の日の話し。

  • 生理前後でも、鬱々とした気分になるひとはいる。
    それが妊娠してるときはなおさら辛いんだろうな。
    出産子育ては一人でやるものじゃない。
    周りの人に協力してもらって、行うものなんだなと思った。

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著者プロフィール

1973年、山梨県生まれ。大学卒業後、ロックミュージシャンを目指したが、突然、漫画家の道へ。2007年『東京フォークマン/都会の月』が第52回ちばてつや賞準入選。2010年『えびチャーハン』が第57回ちばてつや賞入選。その後、週刊漫画雑誌『モーニング』(講談社)で、短期連載を行った『コウノドリ』が人気となり、2013年より週刊での連載がスタートした。2015年10月には綾野剛主演の連続ドラマとして放送。2017年10月に第2弾となる連続ドラマが放送された。2020年5月、『モーニング』での連載最終回を迎え、10月23日発売の単行本32巻が最終巻となる。単行本は、累計(電子版含む)800万部の大ヒットとなった。

「2020年 『コウノドリ はじめての妊娠・出産ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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