- 本 ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065111819
作品紹介・あらすじ
僕は鈴木実(すずきみのる)、16歳の高1。僕には誰にも言えない悩みがあるんだ。それは、時々高校時代の母さん(旧姓・大蜘蛛)が見えること。どうやらそれは、死んだ父さんの記憶がフラッシュ・バックしてるみたいなんだ。父さんの想いも混じってるせいか、僕は母さんのことを──。 このやり場のない感情をどうしたらいいんだ! というわけで、僕は煩悶の毎日を送っています……。
相変わらず僕の脳裏にフラッシュ・バックする母さんの高校時代。父さんの大蜘蛛ちゃんへの想いが積み重なって、僕はますます母さんのことを──。そんな中、母さんも高校で所属していた漫画研究会のヤンチャ女子・一(にのまえ)が、僕を入部させようといつも誘ってくるんだ。絵も描けない僕をどうしようっていうんだろう!? そんなこんなで、僕はエキセントリックな毎日を送っています。
感想・レビュー・書評
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この人しか描けないというものが好き。
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"「ああ わたしのお尻って よく蚊がとまるのよ」
「へっ…?」
「昔 台所で洗い物してたら よくお父さんに 蚊がいるよってたたかれてたわ」
『何!?その話!!
「よくたたかれてた」って……それってほんとに蚊 いたの!!?それとも確信犯!?
おれの場合はほんとに 蚊がいたんだからな!!!父さん!!』"
線がすごく良いなぁとしみじみ。
言えないことってなんだろうと思ったけど、そんなに深い意味で捉えるべき台詞でもないのかも。親子の間にも隠し事はいくらでもあるよね。 -
ほんと、攻めてる漫画である
受け取り方は読み手それぞれだろうが、私としちゃ、ここまで、描き手の趣味、拘り、フェチズムが惜しげもなく詰め込まれている作品は大好きだ
植芝先生がどう思っているかは分からないけど、仮に、藤島康介先生にライバルがいるとするなら、植芝先生の名は、ファンの口から必ず上がるような気がする
どちらも、自分が描きたい事、読み手に伝えたい事を妥協しない人だしな
ネームをチェックする担当さんとしちゃ、植芝先生がどんなマニアックさをぶっこんでくるのか、毎度、不安と期待が入り混じるんだろう
改めて言うでもないが、主人公・実のマザコンっぷりが健全であるのは、とても好感が持てる
コミックゼロスやcomicアンスリウムに時たま、母親と息子の近親姦ネタの作品が掲載されるが、私、この手のやつがあまり得意ではない
まぁ、あくまで、この『大蜘蛛ちゃんフラッシュバック』は、実の片思いであるからこそ、プラトニックなんだろう
実際、フラッシュバックした父親の記憶にある、母親の学生時代の姿を見て、我に返ってから、年を経た事で熟した美しさも目の当りにしたら、好きになっちまうのも納得である
ブルマやスク水と言った、青春コスチュームだけではなく、何故、実の父母は付き合うようになったのか、いつ、好意が芽生えたのか、と言ったイベントも蔑ろにしていない点も、植芝先生らしい
むしろ、見た目や衣装よりも、その手の青春イベントにこそ、植芝先生のロマンが詰まっているのではないか
エキセントリックではあるけど、ストーリーは正道を行っている
お約束の展開ばかりのラブコメに飽きた人には、ぜひ、お勧めしたい作品だ
ただ、普通慣れしている人ほど、植芝先生の毒で、妙な扉が開いちまうから、そこはちょい、心配だ。責任を取る気は皆無にしろ
実の中で、母親だけでなく、一もちょっとずつ、特別な存在になってきているようなので、(3)では、どんな変化球が投げてこられるか、楽しみだ
どの回も、植芝先生の人間性が垣間見える気がするが、私としては、第8話「バリアフリー母子かよっ」が好きだ
やっぱり、男たるもの、惚れた女を守るために、泥くらい被れなきゃな
ありきたりかも知れないけど、恋に落ちるキッカケってのは、大体、シンプルなもんだ。そんなシンプルな理由から、「好き」が枝分かれしていって、根元の「大好き」が育つのが好いのだ
この台詞を引用に選んだのは、反則だろ、この聞き方は、と思ったので
乗るべきか、止めるべきか、そんな板挟みの中で葛藤すれば、鼻血くらい出ない方がおかしい
ヒロインが彼氏を誑かす(言い方w)様が勉強になるのは、『ああっ女神さまっ』よりも、こっちの『大蜘蛛ちゃんフラッシュバック』だなぁ、と思った -
きもい
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ブロードウェイにピーコック、って事はやっぱり舞台は中野なのかなあって。
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今年読んだ200冊目のコミックでした。「スカートのはためき具合とか⋯プリーツの感じとか⋯そういうのをきちんと観察してわたしは描きたいの!」と語るお母さん。植芝先生もそういう気持ちで描いているのだろうと思った。第9話、体育の授業とお尻への視線の回はきい先生のクラシック「布団の中の宇宙」を思い起こすなど。
著者プロフィール
植芝理一の作品





