大正=歴史の踊り場とは何か 現代の起点を探る (講談社選書メチエ 674)
- 講談社 (2018年5月10日発売)


- 本 ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065116395
作品紹介・あらすじ
大正時代、都市化の進行や人々の意識の変化は、明治に始まった「官製の近代化」とは質の違う近代を歩み始めたのではないか。新しい社会・思想の源があったのではないか。「震災」「民生」「学区」「趣味」「娯楽」「サラリーマン」「職業婦人」「専業主婦」「地方(ぢかた)」「自由」など、この時代の言葉に着目、その発生や流行の社会状況を立ち上がらせながら、現代の社会や暮らし方の起点となった時代を読み解く。
1910年代~1920年代に現れた大きな転換期「大正」。その元号と重なるように日本・世界が動き出した。
第一次世界大戦と大恐慌によって世界の各地域が同期化する一方、同じうねりに巻き込まれつつ日本では関東大震災が「足下」を崩壊させる。
都市化の進行や人々の意識の変化は、明治に始まったいわば「官製の近代化」とは質の違う近代を歩み始めたのではないか。民に焦点を合わせることで、そこに孕まれていたいろんな可能性が見えてくるのではないか。
「震災」「民生」「学区」「趣味」「娯楽」「サラリーマン」「職業婦人」「専業主婦」「地方(ぢかた)」「自由」など、この時代の言葉に着目、その発生や流行の社会状況を立ち上がらせながら、現代の社会や暮らし方の起点となった時代を読み解く。
感想・レビュー・書評
-
第一部は大正時代の骨組みがあり、おもしろい。
たとえば、大正時代にはどんな本が売れたのか。
また震災当時のまちの雰囲気は、どうだったのか。他の本では描かれていない内容が盛りだくさん。
第二部は、付録のような感じか。こちらはあまり集中して読めず、飽きてしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大学教授達による短い論文を編集したもので、小難しくて読みづらい本だった。
近代の元号の中でたった15年しかなく、断片的なイメージしかない大正時代。本書では「モガ・モボ」やこの頃に生まれた「サラリーマン」という言葉、関東大震災、文学などそれぞれのテーマで論じられている。
タイトルにある「踊り場」という表現がぴったりだ。明治維新からだいぶ経過し、昭和の恐慌や第二次世界大戦に突入する前の過渡期であり、新たな文化が生まれつつも、まだ混沌としており、「昭和へのバトンタッチ」的な短期間な印象だ。
人々の消費生活の様子を論じたくだりあたりは読みやすかったが、この時代の文学、思想、自治などに関する辺りは非常に読みづらかった。また大正時代に関する本を読むときは、人々の生活に的を絞った本にしようと思う。 -
購入 2018/06/28
-
東2法経図・6F開架 210.69A/W42t//K
著者プロフィール
鷲田清一の作品





