- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065117293
作品紹介・あらすじ
日英同盟か日中親善か、格差是正か地租減税か。日本近代史の碩学が「同盟」と「格差」に焦点をあて、外交と内政の歩みを描く決定版!
感想・レビュー・書評
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本館開架(新書) [日本 -- 歴史 -- 明治時代]
http://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB26085735詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
う〜ん、分かったような分からなかったような。
既存政党が社会政策(社会的弱者への利益誘導)に関心を向けなかった理由がよく分からない。 -
近代日本政治史を、外政では「日英同盟」対「日中親善」、内政では「民力休養」対「格差是正」という2つの対立軸からなぞるもの。著者の狙いはわかるが、読むほどにむしろこの枠に収まらない複雑な様相が見えてくる。
外政では、権益重視の英の黙認を背景に21箇条要求を突きつけるのは確かにこの対立軸のとおりだ(明石元二郎参謀次長の手紙に明らか)。しかしその後出てきた多国間協調の幣原外交も、陸軍中堅将校たちによる「日本帝国第一主義」も、この対立軸のいずれでもない。また、英の期待に一番近かったという田中義一内閣の対中強硬外交も、結局英と利害が一致しなかったため、この対立軸というより同盟管理の失敗ではないかと思える。更に著者は、小川平吉らアジア主義者による、満州支配だけに留める、後には南京陥落時点で日中戦争を終結させるとの主張を「日中親善」の例として挙げているが、今日の視点からはそれを「親善」と呼ぶのには抵抗も感じる。
また内政では、「民力休養」論は地租軽減を指し都市中下層民には恩恵はなかったことや、リベラルな憲政会・民政党が「格差是正」には無関心だったことは初めて知った。他方、明治期にはむしろ「民力休養」と「富国強兵」の対立の方が目立つ。昭和期になり「格差是正」論の受け皿になったのは合法社会主義勢力だが、この頃になるとこれと対峙するのは「民力休養」というより既成政党全般だ。
なお、1章・2章で、それぞれ各対立軸の視点から詳細に時系列で見ているが、各章の末尾で又は終章で総括する構成だったらより頭に入りやすかった。 -
東2法経図・6F開架 B1/2/2479/K
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東2法経図・6F開架 B1/2/2479/K
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210.6||It
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