巨悪

  • 講談社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065118160

作品紹介・あらすじ

「納得できないな。何もかも」
「俺もだ」
一枚の公孫樹の葉がその後の運命を決めた。

東京地検特捜部の検事・中澤源吾と特捜部機動捜査班の事務官・城島毅。高校時代野球部のダブルエースだった二人は、ある事件をきっかけに「検察」の道を選ぶ。

「現代にも巨悪はいます。それは過去の巨悪よりも巨大で性質も悪い。余りの大きさゆえ全体が見えず、巨悪を巨悪だと認識できないだけなんです」

二人の前に立ちはだかる、政治家、企業、秘密機関――そして「消えた二兆円」。真相に辿り着く過程で明らかになる現代の「巨悪」の正体とは。
東京地検特捜部を舞台にした、元新聞記者の著者渾身の検察ミステリー巨編。

感想・レビュー・書評

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  • 分厚さに一瞬萎えたけど、読み出すと止まらなかった。

    一つに収まる瞬間、そして、あんたらええ人やったんかい!の瞬間がたまらなかったです。

    政治家ってほんと怖いなぁ。ってゆうか、麻痺してるなぁ

    2020.11.6
    111

  • 400頁超の本格検察小説大作。文句のつけようのない素晴らしい出来で、夢中になって読んでしまった。登場人物の数・背景・描写、東京地検特捜部が本当に暴きそうなプロットの妙、すべて100点満点。このような小説があまり話題にならず、ベストセラーにならないことが悲しくてならない。刑事検察裁判もの小説が好きな方には超オススメです。

  • 一気に読んでしまった。
    少しずつ点が線になっていくのが面白かった。

  • 9月-2。3.0点。
    高校野球部の同級生が、検事と検察事務官に。
    検事は東京地検特捜部に。運送会社の二代目社長の背任容疑を捜査する。
    うまくいかない捜査、上司からのプレッシャー、そして二人には暗い過去が。

    前半、読むのに時間がかかった。後半は一気に行くが。
    もう少しスピーディーな展開でも良いのでは。
    捜査される側の人物が多すぎ、混乱した。

  • 検察,殊特捜という組織の描写に関して,どの作品に比べても現実に忠実な印象。
    終章に至るまでは鎌形特捜部長や本多担当副部長の描写がひと昔前のPのイメージ過ぎて,いやもちろん現在にもそういうPもいるが…本書も結局は誇張すればウケると思って書いた特捜モノかとがっかりした。でも2人は最後まで読んだら芯は熱いものを宿した秋霜烈日たる姿だった。その辺はいかにも小説な展開だけど,おかげで面白く読めた。
    Gとの関係も変に恋愛関係に発展するHEROよろしくな展開でなくて良い。
    個人的には寺西さんが好きだった。

  • 素晴らしく練られた物語だった。話の展開の仕方も好みで割と一気に読み進んでしまった

  • 高校時代に野球部のダブルエースとして活躍した中澤と城島。東京地検特捜部の検事と事務官となった二人が担当した事件は国会議員が夏祭りで顔イラスト入りの手ぬぐいを配ったという小さな事案だった。城島が秘書の卓上カレンダーに「水」という謎の書き込みを見つけるまでは・・・・・・。

    凄かった~、怖かった~、面白かった~!
    検事と事務官が事件を綿密に調べていく過程の緊迫感、経験に裏打ちされた直観の鋭さ、一本の糸が枝分かれして次第に大きな疑惑に連なっていく恐怖感、パズルのピースが嵌っていく快感と、根底にある空恐ろしさに後半は読む手が止まらなかった。

    「巨悪」とは何を指すのか。それが明らかになっていく終盤は胸が熱くなって、わが身をも顧みざるを得ない。
    被災地復興支援金を食い物にする政財官の構図、組織防衛に走る官僚たち、損得だけが先立つ人間達。
    一昔前と形を変えた認識できていない巨悪の恐るべき規模。こうやって、被災地のためと増税された私たちの税金が、金に群がる者たちに食い物にされている事実にうんざりする。
    1人が変わることで組織が変わり、国が変わる。中澤の青臭いまでの矜持が清々しい。先に読んだ「事件持ち」の登場人物も青臭いまでの矜持に突き動かされていたが、伊兼さんの作風かな。綺麗ごとと揶揄したくないものがそこにある。中澤と城島、保奈美たちの変えようとする努力を信じたいと素直に思わせてくれる清々しいラストでした。

  •  検査上層部が、実は、というのは、ちょっとなぁ。
     でも、それ以上に、現在の不思議な位のコロナ関係の予算のバラマキにも、明らかに「巨悪」は存在するのだと感じる。
     どこかの愚かな議員夫婦の逮捕くらいでは、「巨悪」は。

  • 腰巻の惹句にポスト横山秀夫とあるのも頷けます。
    ヒリヒリした人間関係、少ない言葉で状況を語る
    展開。雰囲気がよく似ています。

    内容は政治家の闇を追う特捜部の物語です。単純
    な謎解きではなく検察内部の派閥抗争も絡めて
    濃密であり、ボリュームのある物語が展開されて
    いきます。

    何となく続編を匂わせるラストでもあります。

  • 57ストーリーはよく練られていて、齟齬がない。全体的に硬調で高揚感がないかな。ただ巨悪と言うにはラストが甘いか。続編での主人公の活躍に期待。

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著者プロフィール

1978年東京都生まれ。上智大学法学部卒業。新聞社勤務などを経て、2013年に『見えざる網』で第33回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。2015年に『事故調』、2021年に「警視庁監察ファイル」シリーズの『密告はうたう』がドラマ化され話題に。本作は地方検察庁を舞台としたミステリ『地検のS』『地検のS Sが泣いた日』と続く「地検のS」シリーズの最終巻にあたる。他の著作に、『巨悪』『金庫番の娘』『事件持ち』『ぼくらはアン』『祈りも涙も忘れていた』などがある。

「2022年 『地検のS Sの幕引き』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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