大店の暖簾 下り酒一番 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 70
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065118221

作品紹介・あらすじ

霊岸島にある酒問屋武蔵屋は、上方からの高級酒下り酒を扱う大店だ。だが商才のあった主の市郎兵衛が亡くなり四年、武蔵屋の商いは火の車になっていた。市郎兵衛の妾腹三男の卯吉は、主にはなれない。そりの合わぬ長兄の市太郎や義母のお丹に冷たく当たられながらも、心通う者たちと店の切り回しに奔走する日々。新酒番船で一番となった銘酒灘桜の新酒が千樽届くことになっていたが、春の嵐に遭ったという報に武蔵屋一同青ざめる。

感想・レビュー・書評

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  • 初千野氏の本をシリーズ3冊纏めて購入したが、何とか読み続けられそう。
    妾の三男という事で、本妻と長男、次男から酷い仕打ちを受けながら父の亡くなった店でこき使われる主人公。読んでいて可哀想になってくるが、周囲の人達に助けられて何とか頑張っている。父方と母方の二人の叔父が助けてくれ、特に母方の叔父からは棒術を習い、それが事件解決に役立って行く。主人公達の尽力で店が助かるのに、馬鹿長男と義母が相変わらず酷すぎる。次作以降は主人公の立場が改善されて行くのだろうか?

  • 江戸時代の酒の話をもっと詳しく書いているのかと思って読んだが、そうではなかった。酒の問屋ではたらく男の、あくまで商売の話。ありがちな話で、フツー。あまり盛りあがらず、感動もなし。

  • 2018年6月講談社文庫刊。書下ろし。シリーズ1作目。先代の妾腹三男の卯吉の頑張るさまが面白く、楽しい。次作も待ち遠しい。

  • お丹は自分への愛はないが、店を守りたいという気持ちはある。

  • 千野隆司の江戸の経済からの視点を織り込んだシリーズ。
    舞台は、上方の高級酒を取り扱う大店の酒屋「武蔵屋」そこの先代の妾の子、卯吉は三男でありながら、家族からは無視し続けられている。

    武家下りの先代の正妻。気概も意地もない長男次男に経営の才はなく、危ない状況。

    こんな折にその年のくだり酒の一番、「灘桜」を船で運ぶのだが、いつまで経っても江戸に入らない。

    卯吉と手代の定吉は事件性を疑い調査を始める。

    とまぁ、こんな感じで第一話が始まった。
    こういう切り口の得意な作家さんだ。

  • 時代小説も、女性作家の料理のシリーズ物などや、商い小説を読んだけれど、、、

    この本は、霊岸島の大店 高級酒を商う武蔵屋が、舞台となっている。
    主人公の卯吉は、先代の妾腹の三男。
    先代が、亡くなり、義母と、長男、次男は、商売に向いていないのだが、、、、卯吉は、店で、冷遇されながらも、商人になるべく商いの仕方を学んでいく。

    灘の新酒の千樽の注文した船が春の嵐で、行方不明で、もし、遅配になった場合、店の土台が、傾く危機である。

    卯吉と、定吉は、船の行方を捜すのに奔走するのだが、定吉は、首謀格を見た為に、殺されてしまう。

    さてさて、、、武蔵屋は、どうなる・・・・
    茂助などの後ろ盾で、今回は、ギリギリに、新酒が、届き
    、難を逃れたが、これからが、卯吉の踏ん張りどころになるのだろうと、次回を楽しみにしている。

  • 著者が好きデス

  • 霊岸島にある武蔵屋という大店の酒問屋を舞台にした物語。当主、長男・市郎兵衛、そして次男・次郎兵衛のバカ息子二人、見栄っ張りだけど仕事への思いは強い義母のお丹、そんな中で、妾腹の三男・卯吉19歳の孤軍奮闘ぶりとバックアップするわずなサポート組、最近の千野隆司さんにありがちなストーリーです(^-^) 「大店の暖簾 下り酒一番」、2018.6発行、たぶん、シリーズ化だと思います。

  • 傾きかけた大店を命を懸けて建て直す! 注目の新シリーズ

    上方の高級酒を扱う武蔵屋は霊岸島の大店だ。だが先代亡きあと店は傾いていた。長兄や義母に冷たくされる妾腹三男の卯吉は、手代になったばかり。春の嵐のあと新酒千樽を積んだ樽廻船が消えた。文庫書下ろし。

  • 定吉さんが気の毒。

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著者プロフィール

1951年、東京生まれ。國學院大学文学部卒業。90年、『夜の道行』で第12回小説推理新人賞を受賞し、選考委員から“第二の藤沢周平”と賞賛される。以後、時代小説を中心に活躍中。「入り婿侍」シリーズは、評論家の縄田一男氏から「著者の新たな頂点」と絶賛を受けた近年の代表作。他の主なシリーズに「おれは一万石」「出世侍」など。

「2023年 『新・入り婿侍商い帖 お波津の婿(三)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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