深紅の断片 警防課救命チーム (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065118344

作品紹介・あらすじ

「少女が閉じ込められている。早く助けないと死ぬ」。不信人物から、謎の119番通報を受けた若き救命救急隊チーム。駆け付けた彼らが目にしたのは、衰弱した少女……その背中には不可思議なシールが貼られていた。傷ついた少女は事件の被害者なのか。そして電話をしてきた人物は。トリアージタッグと言われるその色鮮やかなシールは何を意味するのか。次の命は渡さない――救命隊が凶悪犯に挑む、緊迫のサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 警防課救急隊員が主人公を務めるといユニークなミステリー。
    救急隊員が探偵役をしているが、謎解きの主役は刑事とか医者とかで、隊員は補完役でいた方が無理がないのではないか。
    けれども、あまり馴染みのない救急活動が詳細にリアル感たっぷり描かれ、お仕事小説としても読むことができる。
    冒頭、少女の監禁場面から始まり、いやでも読者の興味をひきつけてしまう。
    続けて起きる事件も、トリアージタッグが鍵となって、救急医療の在り方も問題提起するエンターテイメントとなっている。続編も期待したい。

  • 麻見和史『深紅の断片 警防課救命チーム』講談社文庫。

    なかなか見事なミステリーだった。しかも、救命救急隊の隊長・真田が探偵役を務めるという麻見和史の作品としては異色の設定で、予想だもしない驚愕の結末まで一気読みだった。

    不審人物からの匿名通報により救命救急隊の真田らが現場に急行すると、業務用冷蔵庫の中に少女が監禁されていた。床には大量の血液がまかれ、少女の背中にはトリアージタッグが……そして、同一犯による第二、第三の犯行が……




    タイトルの『深紅の断片』は物語の重要な鍵となるトリアージタッグの色を意味する。

  • 『暗イトコロハ、好キカ?』
    奇妙な声に怯える少女。
    そして、それが悲劇の始まりとなった。
    救急医療の現場をモチーフにした、慟哭のミステリー。

    消防署への奇妙な匿名の通報
    『少女が閉じ込められている、早く助けないと死ぬ...』

    舞川中央消防署の救急隊・真田隊長は、チームの工藤、木佐貫とともに、現場へ急行する。
    そこには、血まみれの少女が大型冷蔵庫の中に監禁されていた。更に、コートには、奇妙なシールが貼られていた。

    誰が、一体なぜこんなことを?
    そして、続く第二・第三の事件。
    被害者は、皆、狭い所に閉じ込められ、背中にシールが貼られていた。

    やがて、5年前のトレーラートラックの横転事故との繋がりが見えてくる。
    真犯人は、この事故の遺族の関係者なのか?
    果たして、5年前に何があったのか?

    この作品では、トリアージタッグが、重要なキーワードとなっている。緑・黄色・赤、そして黒。
    医療関係者であれば、誰でも知っている患者(傷病者)の重症度合いを4段階で表すタッグ。
    この色により、治療の優先順位が決められるのだが...

    二転三転するストーリーに、あらゆる伏線が絡まり、終盤には、それらが見事に収斂する。
    ノンストップで進むストーリーは、読みやすく、救急医療の一端も知ることができます。
    ぜひ、続編を...

  • 救急隊員が謎解きをするのが斬新。ただ犯人が意外な人物ではなく、すぐ見当がついたのが惜しかったです。
    救急の仕事の大変さやトリアージタックのことが深く知れたのは面白かった。
    茂刈は実は警視だったとか何か秘密があるのかと思っていたら本当に医師だったので拍子抜け。
    続編にも期待。

  • 救急隊の小説って新鮮でした
    事件が連続して、救急隊が事件の真相を探るというお話
    事件の原因から、その原因となった出来事(事故)の
    真相もまた明らかになっていく
    隊長すごい!

    この小説にも出てきますが
    トリアージタッグを選ぶって大変だなと思う

  • 「少女が閉じ込められている。早く助けないと死ぬ」。不審人物から、謎の119番通報を受けた若き救命救急隊チーム。駆け付けた彼らが目にしたのは、衰弱した少女……その背中には不可思議なシールが貼られていた。傷ついた少女は事件の被害者なのか。そして電話をしてきた人物は。トリアージタッグと言われるその色鮮やかなシールは何を意味するのか。

  • 救急隊が主人公のミステリ。
    初めは面白かったのだけど、救命に必要な緊迫感とか臨場感とかスピード感とか、今一つ足りない気がした。

  • 2024/02/19-02/24

  • 麻見氏には珍しい救急救命隊の話。
    仕事に懸ける信念と情熱が熱いところはとても良いのですが、刑事紛いの捜査活動を続けて警察の先回りをするのは出来過ぎかな。

  • 救急隊員たちが救急隊員ならではの角度から事件に関係していき、事件を想い、解決していくのが新鮮だった。
    助ける順位つけは永遠に議論され続ける課題。

  • 話し全体としては面白かったし、知らないこともたくさんあって良かったが、動機が思ったより薄い感じした。

  • 目新しい設定で面白かった。疾走感に欠けるが、救命救急医療がメインではないから仕方ないとも思った。

  • すごく良くできた小説。かっちり組まれていて、それでテンポ良く気持ちよく読める。テーマに興味を持てるかっていうのはあるけど、読んで損はしない小説。

  • 消防署の救急隊が活躍するミステリー作品です。
    麻見氏の著作はドラマ化されたものが多い様ですね。本作も火サス的な雰囲気があります。
    119番への通報、指令を受け救急車が現場へ向かう。死なせてなるものかという意気が感じられ
    緊迫した展開に、思わず身体が硬くなる。救急車に乗った経験を思い出すんだよなぁ〜

  • その事件は119番通報から始まった

    中央消防署・救急隊長の真田が現場へ急行すると、そこには業務用冷蔵庫に監禁された少女の姿があった。その背中には奇妙なシールが。二転三転する事件の果てに、救急隊に突き付けられた?慟哭の真相?とは?

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著者プロフィール

1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。『石の繭』から始まる「警視庁殺人分析班」シリーズで人気を集める。その他著書に「警視庁文書捜査官」シリーズ、「特捜7」シリーズ、「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、『深紅の断片 警防課救命チーム』『共犯レクイエム 公安外事五課』『骸の鍵』『擬態の殻 刑事・一條聡士』などがある。

「2023年 『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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