七十人訳ギリシア語聖書入門 (講談社選書メチエ)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065120941

作品紹介・あらすじ

紀元前三世紀頃、ギリシアが強大な力を持っていたヘレニズム時代。エジプトの港湾都市アレクサンドリアの七十二人のユダヤ人たちが、ヘブライ語聖書をギリシア語に翻訳しはじめたという。この通称「七十人訳」(しちじゅうにんやく)が、新興宗教のひとつでしかなかったキリスト教を地中海世界に広め、その後の世界宗教としての展開を決定づけることになる――。

七十人訳聖書とはなにか。なぜ生まれ、どのように広まり、いかにしてキリスト教を変え、政治や世界に影響を与えたのか。『七十人訳ギリシア語聖書』の訳者が、長年の研究の成果をわかりやすく解説する。

感想・レビュー・書評

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  • ギリシア語訳が成立した過程、ヘブライ語原典の版がどれだけ存在したのか……等々、謎は数多い。翻訳者のレベルもピンキリだったんではないかな〜と思わせる。

    それにしても著者はけっこうなツッコミ体質ではないだろうか。ちょっと下世話な書き方を敢えてしている部分もあると思うが、そういうポイント、ポイントでツッコミ体質が垣間見えるんだよなぁw

  • 七十人訳旧約聖書は必ずしもヘブライ語の原典の忠実な訳ではない!ギリシャ人にユダヤ人への偏見を解いてもらうためにギリシャ語に訳したものという著者の解釈。七十人訳が必ずしもヘブライ語の旧約と似た文章ではないことがこれまで不思議であったが、全く原典に忠実でないギリシャ語訳になっていたことを改めて知った次第。その意味ではやはり「旧約はヘブライ語の原典こそ神の霊感を受けた聖典」との解釈の正しさを痛感する。「創造された」を単に「作られた」としている七十人訳とは全くの驚き。そして何とアダムの年齢が七十人訳では100年サバを読んで230歳になっている!各旧約の文書ごとの詳細なギリシャ・ヘブル語聖書の分析は凄い!キリスト教徒ではないという著者の熱心さには不思議さを感じる。ギリシャ人にユダヤ人への偏見を解いてもらうためにギリシャ語に訳したものという著者の解釈。各旧約の文書ごとの詳細なギリシャ・ヘブル語聖書の分析は凄い!後半は原典、七十人訳の各旧約文書の英訳版にも詳しい。しかし、キリスト教に対しては悪意に富む。

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著者プロフィール

多摩美術大学名誉教授
国際キリスト教大学卒、京都大学大学院、ドロプシー大学大学院(フルブライト、Ph.D)、ペンシルヴァニア大学大学院上級研究員、オックスフォード大学客員教授(1999—2000年)、同大学客員研究員(2001年以降)、現在ケンブリッジ大学(クレア・ホール)フェロー終身会員、(ウォルフソン・コレッジ)フェロー終身会員、イェール大学大学院客員研究員

「2016年 『マカベア戦記 下 ユダヤの栄光と凋落』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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