浜村渚の計算ノート 8と1/2さつめ つるかめ家の一族 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065122020

作品紹介・あらすじ

警視庁の武藤は、群馬の大地主の血を引く亀倉行俊の葬式に潜入した。彼の家から、黒い三角定規との繋がりを暗示するものが見つかったからだ。かて行俊の祖先は鶴亀と名乗っていたが、莫大な財産をめぐる相続問題により、「鶴ノ森家」と「亀倉家」に分裂していた。二つの家に隠された秘密ととは――。血なまぐさい事件が、浜村渚によって数学的解決をみる!

感想・レビュー・書評

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  • 渚シリーズ2冊目の長編。
    おそらく横溝正史的な因習残る村を狙ってるんだけど、そこは渚シリーズなので、みんな数学的に変で全然怖さはない。プロットはなかなか複雑で、最後まで読んだ後にもう1度読み返すのも面白いかも。

  • いつもとは、テイストが変わった話になっているため、賛否が分かれるところかと…個人的には大山や渚、渚の友達がわいわい話をしているほんわかした様子が好きなので、今回は微妙だったかな…
    謎解きや、数学の解説自体は面白かった

  • いつもよりミステリ要素強めなエピソードでした。今になって考えると、小学生の頃は謎ルールによく縛られていたんだなと思います。「方程式を使ってはいけません」、そんな縛りの下で教えられる自信はないなあ。算数の教科書とか、今読んでみると案外面白いのかもしれませんね。

  • ■方程式を使ったら、死ぬ

    警視庁の武藤は、群馬の大地主の血を引く亀倉行俊の葬式に潜入した。彼の家から、黒い三角定規との繋がりを暗示するものが見つかったからだ。かて行俊の祖先は鶴亀と名乗っていたが、莫大な財産をめぐる相続問題により、「鶴ノ森家」と「亀倉家」に分裂していた。二つの家に隠された秘密ととは――。血なまぐさい事件が、浜村渚によって数学的解決をみる!

  • このシリーズは、娘が中学の頃、一緒に読み始めました。
    数学の難しいことをわかりやすく書いてくれています。
    読むのは今は私だけ。
    3と1/2さつめ もあったので、これは10冊目になります。
    つるかめ家の一族 という副題のとおり、方程式がNGの設定。

    小学生では方程式を習わない⇒≒使ってはいけない
    ので、塾講師時代に苦心したことから発想した「方程式を使うと死ぬ村」を舞台に
    数え歌もプラスして
    ステリー仕立てになっている番外編です。

    ちょっとこんがらがってしまいました。
    ミスリードされているので仕方ないですね。

    そして、方程式より気になるのが、私にとって鬼門の行列!
    それにしても P48 の2行目の式が??? ミスプリなのかな?
    変だとは思うけど、正しくはどうなのかまではわからないので
    今大学生の子どもに聞いたら、「何これ?」と逆に聞かれてしまいました。
    今は、高校で行列を習わないらしいです。

  • 意地で読み続けているが・・・算数は全く分からない

  • 今までの浜村渚シリーズとは全く異なる作品!
    数学(算数)のエッセンスはそのままに、つるかめ家の一族に次々と降りかかる不幸の真相に迫る完全なる推理小説!

    過去作のどこかほのぼのとした雰囲気は今作にはほとんど見受けられません。
    渚ちゃんの登場シーンも武藤さんとの絡みも少なめです。

    人間の怨念はとてもとても恐ろしい…
    ハッピーエンドな物語を好む方にはあまりおすすめできませんが、ミステリー好きな方には是非一読頂きたい一冊です。

  • 『1/2さつめ』が示すように、これまでの浜村渚シリーズからは雰囲気の変わったお話。
    舞台は本拠地となる東京・千葉から離れた田舎町。そこで黒い三角定規のカードと書類が出てくることから、これまでのようにテロに関する事件が起きるのではないか……そう思ったところ、起きた事件は遺産相続に伴った殺人事件。
    浜村渚シリーズならではの、どこか憎めないテロ組織と浜村渚の数学語りからはやや離れたミステリーものとなっています。

    シリーズの雰囲気から離れていたり、主人公の渚の出番があまり多くなかったりと、異色の作品ではあるものの、非常に完成度の高い作品だと感じました。
    タイトルの『つるかめ家』はかの有名な『犬神家』から、そして事件自体は綾辻先生のかの作品からのオマージュであったりと、今となってはミステリーの定番を詰めた構成で、言い換えれば、ミステリーとして誠実な作りになっています。
    それが浜村渚シリーズという、比較的低年齢向けを意識した作品と合わさることで、名作と呼ばれるミステリーへと入り口になっているのではないでしょうか。

    もちろんこれまでの浜村渚シリーズのようなお話を期待してしまうと、予想以上の話(肩透かし、ではなく)に驚き、受け止め難いかもしれません。
    ですが、浜村渚シリーズでミステリーをやるとすればどうなるのか。
    そんな展開を見事にまとめた作品ですので、決して悪い評価に結びつけるのは勿体なく感じました。

  • 読んでいて、最後はどう繋がるんだろう?と不思議に思いました。
    だってそれぞれの話が時間的に順番に進んでいると思っていたので。
    なので、ビックリしました。

  • 新本格数学ミステリー。     
    待望の長編。        
    数学要素とミステリ要素を組み合わせて相乗効果は抜群だ。     
    何よりもう今回は本当ただの本格ミステリである。そこに絶妙に組み込まれるマスマティック。     
    唯一にして無二の作品であることは間違いない。(浅学)      
    そしてこれが面白い事も間違いない。      

    うん、面白かった。

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著者プロフィール

1980年千葉県生まれ。2009年『浜村渚の計算ノート』で第三回講談社birth小説部門を受賞しデビュー。「ブタカン」「西川麻子」「猫河原家の人びと」などシリーズ多数。2019年刊行の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』が各ミステリーランキングや書店年間ランキングにランクインし、本屋大賞にもノミネートされた。

「2023年 『あかがみんは脱出できない(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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