浜村渚の計算ノート 8と1/2さつめ つるかめ家の一族 (講談社文庫)
- 講談社 (2018年7月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065122020
作品紹介・あらすじ
警視庁の武藤は、群馬の大地主の血を引く亀倉行俊の葬式に潜入した。彼の家から、黒い三角定規との繋がりを暗示するものが見つかったからだ。かて行俊の祖先は鶴亀と名乗っていたが、莫大な財産をめぐる相続問題により、「鶴ノ森家」と「亀倉家」に分裂していた。二つの家に隠された秘密ととは――。血なまぐさい事件が、浜村渚によって数学的解決をみる!
感想・レビュー・書評
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『悪魔の手毬唄』だね(笑)。武藤と渚が、別々の時間軸での潜入捜査を余儀なくされる面白さ。方程式や行列式を扱う前に、つるかめ算で数学的思考の基礎を養うことが大切なのだ。奥深いな~。物語の舞台である家屋には、円に外接する六角形に関する定理を応用した謎解きが用意されており、一冊で二度おいしい作品だった。
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偶然の出会いを利用し。
既に犯行を始めていた時に、自身のアリバイを証明する者が現れるなんて運が良すぎるな。
演技がうまかったからこそ、時間軸がずれたまま過ぎていき簡単に逮捕できたのかもしれない。 -
渚シリーズ2冊目の長編。
おそらく横溝正史的な因習残る村を狙ってるんだけど、そこは渚シリーズなので、みんな数学的に変で全然怖さはない。プロットはなかなか複雑で、最後まで読んだ後にもう1度読み返すのも面白いかも。 -
面白かった
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「1/2さつめ」なので、今回は番外編!
私は普段ミステリはあまり読まないので、長編でしっかりミステリをやられてしまうと、簡単に引っかかってしまう・・・(笑)。
タネが明かされてしまえば「そんなことか」と思ってしまうような仕掛けが多いため、ミステリ慣れしている人には物足りないかもしれないが、私は結構楽しめた。
でも、列太郎が遺産目当てというのは、納得できないというか、不可解に思った。
彼は遺産を受け取る権利がそもそもないのでは?
まあ、こじつけはできるから破綻はしていないが。
それと、黒い三角定規がほとんど関係していないことと、物語における数学の存在感が薄いこと、それによって渚の出番が少ないことも気になった。
ミステリとしては面白いのだが、シリーズとしては少し外れている。
だから番外編なのだということかもしれないが、「3と1/2さつめ」はミステリとしてもシリーズのストーリーとしても面白かったので、そのレベルを期待してしまう。
物語も佳境なので、ここからどう盛り上げていってくれるのか期待。 -
つるかめ