玉瀬家、休業中。

  • 講談社
3.28
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本棚登録 : 69
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065122075

作品紹介・あらすじ

澪子は41歳、バツイチ。"人並み”の幸せを夢見ていただけなのに、もろく崩れる。家財道具は旦那に持っていかれ、お金もない。そんな中、姉の香波が金の無心にやってくる。香波は澪子の状況を知り、久しぶりに実家で暮らすことを提案する。そして10年ぶりに母親が一人で住む家に戻ったのはいいのだが、娘たちの出戻りを笑い飛ばす始末。がさつな母に傷つく澪子。そしてある日、家で怪しい人影を発見するのだが?!

感想・レビュー・書評

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  • バラバラな家族なのに、なんか憎めないそんな面々の物語。

    シングルマザーの家庭に育ち、夫の浮気を機に離婚し、上京し病んだ姉・香波さんと札幌の実家に出戻りした澪子。

    母は強烈なキャラで、人の気持ちなど汲むようなことはなく、ズバズバとものを言う性格に、耐えられず出て行った澪子としては、不安の日々が始まる。

    しかし長年行方知れずだった兄・ノーリーが帰ってきて、彼の自由な生き方に触れる度に、澪子は変わっていく。


    「家族なんて所詮他人の集まり、個人」という独特な母の考えが、生きる力を呼び覚まし、また家族である以上に絆を感じさせてくれる。

  • 離婚した澪子はパニック障害を発症し闘病中の姉香波と一緒に母が一人暮らしをする実家に帰った。
    時を同じくして、行方不明だった兄も帰ってきて、引きこもっていた。
    40代、妙齢の兄妹と母の4人暮らしが始まった。

    不思議な話。
    でも、こういう家族はきっといると思わせるリアル感もある。
    澪子のウジウジした感じは好きになれないけれど、家族の元で少しずつ再生していく様に、期待が持てそうな予感を感じた。

    青空を見上げて、素直に気持ちいいと思える人で私はいたいと思う。

    それにしても、ノーリー、話し方バカボンのパパみたいだった…

  • 0163
    2019/12/03読了
    表紙に惹かれて読む。
    個性の強い家族の話。
    家族でも知らないことや分からないことは多いよなあ。むしろ家族が一番分からないのかも。
    働くことや幸せは人それぞれだなと思った。
    終わり方にびっくり。最後まで気になるノーリー…。

  • 離婚してバツイチ無職になってしまった澪子に元に突然やってきた姉の香波。

    パニック障害で働けない姉と一緒に、あんなに嫌だった北海道の実家に転がり込んでの日々。

    あけすけな物言いをするデリカシーのない母、息するのがめんどくさいと言っていた兄のノーリー
    気の強い姉の香波とネガティブな私。

    ただ家族というだけでまったく気の合わない人たち
    人生から逃げかけていたけれど、徐々に働き口を探すようになる澪子。

    最後がノーリーのことでぐだぐだしたような気も。
    自分の意見をはっきりと言える強さ。

  • このお母さん、苦手なタイプだ。

  • 家族のあり方を独特の視点で描いていた。家族だからとわかり合えるとは限らない。家族だからとはいえ、所詮は他人。何を考えているのかなんて本当はわからない、確かにその通りだなぁと思った。

  • う〜ん…。

    みんな好き放題。

  • +++
    澪子は41歳、バツイチ。"人並み”の幸せを夢見ていただけなのに、もろく崩れる。家財道具は旦那に持っていかれ、お金もない。そんな中、姉の香波が金の無心にやってくる。香波は澪子の状況を知り、久しぶりに実家で暮らすことを提案する。そして10年ぶりに母親が一人で住む家に戻ったのはいいのだが、娘たちの出戻りを笑い飛ばす始末。がさつな母に傷つく澪子。そしてある日、家で怪しい人影を発見するのだが?!
    +++

    41歳にして自分探しの澪子である。一度人生設計につまずいた後は、すべてを失い、未来さえも失くしたような気になっていた。自分には何もない。何もできない。そうやって日々を無為に過ごし、ほかのだれかの自分よりもわずかに劣るところを見つけては、わずかに自分を慰めるのだった。だが、がさつで人の気持ちをわからないと思っていた母にも、いつも尖って自分勝手だと思っていた姉にも、引きこもりでどうしようもない兄にも、それぞれの人生があって、自分よりもはるかに充実していると知り、ますます鬱々とするのである。家族の知らなかった一面を知るうちに、少しずつ視点が変わってきて、なんだか馬鹿らしく思われてくるにつれ、縛られていたものが少しずつ緩み始める。少しずつでも未来のことを考えられるようになった澪子には、きっとこれまで見えていなかったものがどんどん見えるようになってくるのだろう。家族との関係も、きっと少しずつ変わってきて、玉瀬家もいつか休業中ではなくなるのだろう。前半は、いろんな意味でイライラさせられもしたが、次第に応援したくなってくる一冊だった。

  • 読み終えた瞬間、思わずノーリーっっ!!!」と叫びそうになりましたよ。もう、完全なるノーリーロス。
    ノーリーが私の中を「大丈夫」でいっぱいにしてくれていたから、これで終わりなんて思いたくない。ノーリーカムバック!!
    玉瀬家はちょっとダメな家族なんだけど、そのダメさがとても心地よくて。なんだろな、家族ってやっぱいいなって思った。血が繋がっていたって結局別の人間なんだし、好きだろうと嫌いだろうと家族であることは変わりないし、変わる必要も変える必要もないし、一緒に暮らそうが離れて暮らそうが、それはもうどういう形でも家族は家族のままだしね。
    なんだか明日明後日も私はきっと大丈夫ってそんな気持ちになっちゃいました。そうそう、「大丈夫」という言葉がこんなにも素敵に思えたのは初めてかも。
    玉瀬家はノーリーがこの家族の真ん中にいてお母さんも香波さんも澪子も「家族」でいられるんだな。
    あぁ、いや、どうしてもノーリーに目が行ってしまうのだけど、実はこの家族が家族でいられるのはお母さんのおかげかも。いろんなことをすべて飲み込んでそして息を吐くように大声で笑い飛ばす、しかもそれを「家族のため」とか「苦労してきた」とか全く思わせずに。そうだそうだ、玉瀬家が今日も平和なのはお母さんのおかげだ。みんな幸せになってほしいけど、とりあえず大門くんお母さんをよろしく。そして玉瀬家に幸あれ!

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道育ち。1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。著書に『夜の空の星の』『完璧な母親』『きわこのこと』など。

「2018年 『玉瀬家、休業中。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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