青い春を数えて

著者 :
  • 講談社
3.56
  • (5)
  • (12)
  • (11)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 185
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065122105

作品紹介・あらすじ

青春期。
数えても数えきれない複雑な思い、葛藤を抱え、少女たちは大人になっていく――。

「白線と一歩」……どうしてあの子みたいにうまくできないんだろう。
「赤点と二万」……受験勉強って、不平等だ。
「側転と三夏」……SNS。それが私の居場所だった。
「作戦と四角」……本当の“わたし”って何?
「漠然と五体」……はみ出したくない。でも、たまに息がつまりそうになる。

この痛みは、感情は、“青春”の一言で片づけられない!!

「響け! ユーフォニアム」シリーズ著者、待望の最新刊!
切実でリアルな思いの数々を、5人の女子校生の視点から描いた連作集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【白線と一歩】
    仲がいい友達だからこそ、いつも近くにいる友達だからこそ、自分と比べて劣等感を抱いてしまったり、キツく当たってしまうことがあるものだ。だが、優しさや愛想ばかり振りまいてみんなに好かれようとするよりは、こうしてぶつかり合ってともに成長していける関係の方がいいと私は思う。

    【赤点と二万】
    『きっと、ずるくたっていいのだ。誰かに嫉妬してばかりの惨めなところも、自分を好きになれない情けないところも、その全てをひっくるめて、私という人間は存在している。生きるって、きっとそういうことだ。嫌な自分を抱きしめて、二人三脚で明日を目指す。』
    時に自分を嫌いになってしまったり、自分を卑下してしまうときもあるが、そんな自分と二人三脚で明日を目指す、というこの表現が気に入った。

    【側転と三夏】
    なんでもできる私よりいつも失敗ばかりの姉がみんなから愛されるのはなぜ??という妹のもどかしい感情を描いたお話。
    淋しさを感じていた妹だったが、ずっと近くにいてくれた姉が1番自分のことを理解し、愛してくれていたことに気づき、自分にも、苦しいときや淋しいときにもいつもそばにいてくれる存在を再確認できた。

    【作戦と四角】
    性別なんてなければいいと思う主人公の気持ちに共感した。性別があるからこの世には未だに性差別や男女格差が蔓延っているわけで、性別などなければ私達はもっと親しくなれたり、苦しみをなくすことだってできると思う。

    【漠然と五体】
    優等生の自分が嫌いな女の子のお話。学校に休みがちになった彼女は、本当に追い詰められていたのだと思う。自分にはまだ、学校を休める勇気がないから。

  • 登場人物が同い年だったこともあり、共感できるところが多い本でした。自分が嫌になったり、不安になったり、心の中で渦巻くもどかしい気持ちが巧みに表現されていました。
    p178『自分の容姿に自信を持ち、自分を支配しようとする不合理なルールを全て蹴散らして生きていく。他人にしかれたレーツを無視して、自分の足だけで道を作る。私はそんな人間になりたかった。そして、自分がそうなれないことも知っていた。』
    本に出てくるある一人の言葉です。まさに私の気持ちを代弁してくれているようだと思いました。他人が作った常識、規則に支配されてそれに少しでもはみ出ないように。いい人でいなければいけないという気持ちがどこかで私を抑圧している。自由を謳歌している人間を羨ましいと思っているとともに、自分を変える勇気はないのです。
    こんなもどかしく、複雑な気持ちが表現されている本は今までありませんでした。高校生はもちろん、高校生の脆く繊細な心に触れたい人におすすめしたい1冊です。

  • 自分の考えが他の人と違っていて突飛な物に感じてしまい、成りたい自分と周りから見た自分の間で葛藤する物語

    自分も若い頃はもちろんそうだったけど
    年を取ってもあまり、変わってないなと思った

  • 5章それぞれの好きなセリフです。どんな話だろうか?と興味を持つきっかけになっていただけたら幸いです。

    ・白線と一歩「本当は、自分だけを頼ってくれるなら誰でもいいんだ。他人から求められることで、自尊心を満たしてるだけなんだよ。」
    ・赤点と二万「誰かに嫉妬してばかりの惨めなところも、自分を好きになれない情けないところも、その全てをひっくるめて、私という人間は存在している。生きるって、きっとそういうことだ。嫌な自分を抱きしめて、二人三脚で明日を目指す。」
    ・側転と三夏「姉みたいに、困ったときに助けてと言える人間になりたかった。努力していると思われたら恥ずかしいから、何でも出来るような顔をして。」
    ・作戦と四角「自分のことは自分にしか理解できないし、他人が真に望む姿になることなんて出来やしない。誰かに理解して欲しい、なんて感情は単なるエゴだ。だから、私は他者にそれを求めない。」
    ・漠然と五体「明日は来るじゃん。呼ばなくても、勝手に。じゃあ、仕方ないじゃん。楽しいとか関係なしに、生きてかないと。明日が、たとえ怖くても」

  • 五つの短編。
    悩みを持つ個性あふれるそれぞれの主人公が晴れ晴れとした気持ちになるストーリー。
    最後のストーリーでは、全く関わりのない二人が関わり学校もその後やめてしまうので会えたのはその一瞬だけ、
    スマホも捨て、連絡先も交換できず、後から思えばそんなことあったのかすらさえ、わからなくなるようなひと時の夢のようでありながらも、なぜか頭の片隅から離れない夢だったかのような二人の少女にとっては忘れられない経験の話

  • 【おはよう】
    部活、勉強、家族、友達・・・
    どこにでもいるような女子高生たちが過ごす“青い春”
    5つの短編で綴られる彼女たち
    絵で文字で文章で“青い春”を感じてみませんか?

  • みずみずしい。各話の登場人物が少しずつずれながらリンクしていくところがうまい。「響ユー」みたいに吹奏楽部の縛りがない分、自由に書けている感じ。まだまだ絡んでいない人が多いので、このワールドの話(続きの話)をもっと読んでみたい。第四話、第五話の清水さんがいい味出している。第四話の泉さんとの攻め攻めみたいな絡み、第五話の細谷さんとの攻め受けみたいな絡み、どちらも良い。

  • それぞれ多様な価値観とそれに対する不安と矛盾を抱えて学生生活を送る少女達。
    彼女達の他者との関わり、そしてすれ違いを描いた連作短編集。

    期待して読み始めた割に拍子抜けな気分になったのは、キャラクターの造形がテンプレートの域を全く出ていなくて新鮮さがなかったから。
    友人への嫉妬、他者を見下す青臭い価値観、ジェンダーレス願望、早熟な行動派美少女、評価ばかり気にする優等生。
    枠からはみ出しているキャラを書いているようでいて、結局他でも見たようなキャラと使い尽くされた既視感のあるネタばかり。
    あっという間に読み終わってしまって、今時の青春物の習作を読まされたような気分になった。

  • 登場人物がゆるくつながった連作短編集。
    高校生という多感な時期に考える、周りの友人たちのことや進路、自分のこと。
    多種多様な考え方を持つ高校生たちが違和感なく描かれている。人間の描写が上手。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1992年京都府生まれ。第8回日本ラブストーリー大賞の最終候補に選ばれた『今日、きみと息をする。』が2013年5月に出版されデビュー。第2作『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』がテレビアニメ化され注目を集める。同作はシリーズ化されており、映像化、コミカライズなど多方面で絶大な人気を博している。他の著作に『石黒くんに春は来ない』がある。

「2018年 『青い春を数えて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青い春を数えてのその他の作品

青い春を数えて Kindle版 青い春を数えて 武田綾乃

武田綾乃の作品

青い春を数えてを本棚に登録しているひと

ツイートする