戦乱と民衆 (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065122181

作品紹介・あらすじ

白村江の戦い、応仁の乱、大坂の陣、禁門の変――。民衆は戦乱をいかに生き延びたのか? 戦乱は「下克上」のチャンスだった!? 民衆の被害に国家は関心を持っていたのか? 『京都ぎらい』の井上章一氏も交え、日本史研究の風雲児たちが描く、英雄中心の歴史とは異なる、民衆を主語とした日本史!

感想・レビュー・書評

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  • 民衆の視点から戦争を再定義する。ここで取り上げられるのは、白村江、応仁の乱、大阪の陣、蛤御門の変。シンポジウムでの論説を掲載するもの。第2部として座談会も収録されているのだが、井上章一を交えたこの座談会が爆笑もの。なぜか「京都ぎらい」になっている。
    なかで倉本先生の「歴史から学ぶ教訓があるとすれば、ひとは歴史から学ばないということ、そして人は同じ過ちを何度でもくりかえすということ」に100%同意しちゃう。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    元々はシンポジウムの内容とその後に行われた対談をまとめた内容なだけあって、読みやすい内容となっていた。
    しかし、一般的には支配する側の目線から語られることの多い歴史を支配される側の目線から知るのは新鮮だった。

  • 戦乱と民衆について誰かと話したり、考えたくなる1冊です。

  • 面白かった

  • 単純に被害者としての民衆という視点だけでなく、兵士や加害者としての民衆の話も出てくるのが目新しい。さんざん戦争に揉まれているはずの京都の民衆が幕末の蛤御門の変ではすっかり平和ボケしているのが興味深い。江戸時代ってよっぽど平和な時代だったんだね。
    最後、京都人(洛中人?)への怒りが爆発してるしwww

  • 白村江の戦いと民衆:ではなぜ、倭国軍は敗れたのか。答えは明らかです唐の軍勢は国家軍であり、訓練されて統制のとれた軍隊ですが、倭国軍は豪族軍の寄せ集めであり、国家軍ではありません
    戦いにおいて最も重要なのは、実は戦意を支える忠誠心とモチベーションです。国家軍にはそれがありますが、豪族軍にはありません
    応仁の乱と足軽:民衆が必ずしも反権力の動きをしていたわけではないと言う事実です。民衆は、その時の状況に応じて本権力的な動きを見せることもあれば、権力の手先として動くこともあった
    私が不思議でならないのは、例えば新選組の視点に立って京都の幕末を見る人は極めて多いのに、先ほどご紹介したような、夏の暑い盛りにくさった死体をひっくり返してお金を集め、新京極にお店を出した男の視点と言うのは、一切ない

  • 面白く興味深くバラエティ豊か! 民衆はつねにか弱いのだろうか? 戦乱の一方的な犠牲者だったのだろうか? 名だたる戦乱の遠景として扱われてきた、名も無き当事者としての「民衆」の別の姿を、時代ごとに語り明かしていく。応仁の乱の前後に頻発した土一揆が、乱の期間中にぱったりと無くなっていたのは何故なのか。明治時代に入った時点で、京都市街の六割は焼失した状態だった。この視点を持って、もう一度同時代のあれこれを読み直したい、と考えさせてくれる好著。

  • 戦史というと記録に残りがちな武将や貴族の物語であることが普通だが、ここでのテーマのように民衆をフィーチャーしたものは珍しい。昨今歴史ブームと言われて久しいが、ブームのおかげでこういう広がりが出てくるから目が離せない。

  • 白村江の戦いと民衆 / 倉本一宏 述
    応仁の乱と足軽 / 呉座勇一 述
    オランダ人が見た大坂の陣 / フレデリック・クレインス 述
    禁門の変 / 磯田道史 述
    歴史を見る視点 / 倉本一宏, 呉座勇一, フレデリック・クレインス、磯田道史、石上阿希(司会)
    生き延びる民衆・チャンスとしての戦乱 / 倉本一宏, 呉座勇一, フレデリック・クレインス、磯田道史、井上章一、榎本渉、石上阿希

    著者:磯田道史(1970-、岡山市、日本史)、倉本一宏(1958-、津市、日本史)、フレデリック・クレインス(Cryns, Frederik, 1970-、ベルギー、日本史)、呉座勇一(1980-、東京都、日本史)、石上阿希(静岡県、日本史)、井上章一(1955-、京都市、建築史)、榎本渉(1974-、青森県、日本史)

  • 戊辰戦争で京都府民はそんなに被害にあっていたんだな
    支店を変えると歴史は幾通りにも楽しめます!

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著者プロフィール

磯田道史
1970年、岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年4月より国際日本文化研究センター准教授。『武士の家計簿』(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)、『無私の日本人』(文春文庫)、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書、日本エッセイストクラブ賞受賞)など著書多数。

「2022年 『日本史を暴く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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