昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.57
  • (18)
  • (64)
  • (60)
  • (7)
  • (3)
本棚登録 : 696
感想 : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065123393

作品紹介・あらすじ

昭和史研究者の第一人者が、はじめて石原莞爾論をまとめた。東條英機、瀬島龍三、吉田茂など本人や側近から「昭和の闇」を再検証する

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白いけど、昭和史の基礎知識が必須です。
    私は勉強不足だったので、携帯で調べつつ読みました。
    あの時代、あの事件の生き証人からインタビューしているので迫力がある。

  • 読了。
    七つの謎なのに主な登場人物は六名(笑)。そして何故この六名を怪物としてピックアップしたのか、その基準は良く分からない。
    実際、怪物?といえるのは石原莞爾と瀬島隆三、登場場面は少ないが牛島辰熊くらいだろう。
    だが、昭和を語るうえで重要だと思われる人物の評伝を通して、戦前~戦後を俯瞰する、という試みは成功しているように思える。
    但し、特段新たな発見は無い。

  • 瀬島龍三の事が書いてあるので買ったが、今まで詳しく知らないままになっていた石原莞爾についても知ることが出来て良かった。他にも犬養毅の孫娘、二・二六事件で銃殺された渡辺錠太郎の末娘にスポットを当てて、歴史を紐解いている。犬養毅は話せばわかるなんて言ってなかったんだ、、、興味深いエピソードも多数ありとても面白い。

  • このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。
    とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。

    1218/12/4

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/729301

  • 最近長らく船戸与一の「満州国演義」シリーズを読んでいて、そこに出てくる人物の実像にも触れられそうだと読んでみた。論じているのは、東条英機、石原莞爾、犬養毅(犬養道子)、渡辺錠太郎(渡辺和子)、瀬島龍三、吉田茂といった面々。
    一番面白かったのは石原莞爾(とそれを追い落とそうとする東条英機)。この人のことはもっと知ってみたい。この人が東条英機を凌いでいたら昭和12年あたり以降の日本はどうなっていただろうと思わされる。石原と吉田茂が対していたらどうなっていただろうかとか、なかった日本史を思ってしまう。
    また、目からうろこが落ちるような話としては、二・二六事件のとき目の前で父を殺され、後年シスターになった渡辺和子が、著者が「お父上の命を奪った人間が悪いのではない。もっと大きな構図があり、その中で事件が起こったということでしょうか。そのような考えに達しているということになるのでしょうか」と問うたのに対し、「二・二六事件は、私にとって赦しの対象からは外れています」とこたえたこと(p.175)。赦しきれないことを渡辺もずっと抱えて生きてきたのだろう。あまりなことはしてはいけないなと感じたしだい。

  • 最近昭和史を改めて勉強しており、何冊か読んだ上で保阪氏の著書にトライ。結果、難しいところも多々ありつつも理解出来、非常に面白いと感じた。(逆にいうと初見でこの本は厳しいかも…)

    東条英機、石原莞爾、犬養毅など、興味深いものばかりだったが、
    ニ・ニ六事件で父を惨殺された渡辺和子さんの「ニ・ニ六事件は私の赦しの対象から外れている」という言葉が衝撃的だった。
    もちろん良い意味での衝撃なのだが、いやそうだよなと。そう思うからこそあの生き方が出来たんだろうなと、ひしひし感じました。

    そして無知ゆえ、犬養毅の息子・犬養健さんがゾルゲ事件に巻き込まれていたことを初めて知った。その首謀者の尾崎からソ連切手を託されていたっていう、もう昭和史の中枢にいないと出来ない体験をしている道子氏の、「世間とはこういうもの」(お母様の発言なのだが)という言葉が突き刺さる。いつの時代も一緒。なんでテロの被害者側が傷つかないといけないのかね。

    なんだろうな、昭和史って正直すごくセンシティブというか、扱いにくいし難しいからこそ、学校や世の中できちんと教えていかなあかんと私はずっと思っておるのです。人の考え方や、その人で構成される組織がここまでおかしくなると、ここまで国は変わっていくということが、もう滲み出て実感出来るのが昭和史というか。ニ・ニ六事件や五・一五事件なんて今の視点から見たら恐ろしすぎる事件だけど、これが起きて当たり前の世界が日本にあったという、それはきちんと教えないといけないんじゃないかなぁと、私はつくづく思っております。(ただの呟き)

  • 石原完爾を知りたくて、手に取りましたが、あまりにもマニアックな内容で、途中から断念しました!瀬島龍三のスパイ説も始めて知りました、

  • 面白かった。石原莞爾の印象が変わった。瀬島隆三という人を初めて知った。

  • 東条英機や吉田茂など6人の人物にフォーカスして、昭和前期の歴史を読み解いた本。

    本書は関係者への取材や文献記録などをもとに、昭和前期(戦前)に起こった出来事に関係する6人の人物を中心にして昭和前期の歴史をひもといていきます。

    歴史から教訓を導き出すことは、未来をより良くするために必要なこと。私たちは昭和前期の歴史から何を学ぶべきか。何を教訓にすべきか。そのことを本書は教えてくれます。

全65件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

保阪正康 (ほさか・まさやす)
1939(昭和14)年北海道生まれ。現代史研究家、ノンフィクション作家。同志社大学文学部卒業。1972年『死なう団事件』で作家デビュー。2004年個人誌『昭和史講座』の刊行により菊池寛賞受賞。2017年『ナショナリズムの昭和』で和辻哲郎文化賞を受賞。近現代史の実証的研究をつづけ、これまで約4000人から証言を得ている。『昭和の怪物 七つの謎』(講談社現代新書)、『あの戦争は何だったのか』(新潮新書)、『昭和史の大河を往く』シリーズ(毎日新聞社)など著書多数。

「2023年 『Nの廻廊 ある友をめぐるきれぎれの回想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

保阪正康の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
塩田 武士
國重 惇史
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×