- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065124611
作品紹介・あらすじ
日本中世、激動と戦乱の混沌の時代。魂の救済を求め、そして神と仏に出会うべく、人びとは「彼方」を目指し巡礼の旅へ出た。受難と苦行の旅、エロスの旅、思念の旅、幻想の旅……。永遠へとのびる時間の糸を制御し、「彼方」を「此方」におびきよせるとき、時間は凝縮され、「彼方」は空間化されて儀礼の場となる――。
第一幕の舞台は、熊野街道中辺路。主人公は熊野詣の道者たち。
第二幕の舞台は、奥三河の山里、夜の神楽宿。演者は還暦を過ぎた老人たち。
第三幕の舞台は、深い海の底と南方無垢世界。主人公は八歳の龍女と水に棲む異類たち。
第四幕第一場は、宮中の高御座(たかみくら)。主人公は即位したばかりの天皇。第二場は、伊勢神宮・外宮。演者は神宮の可憐な童巫女。そして主人公のペルソナとしての金色の狐。
中世の混沌世界から生まれた、「変身」を主題とする四つのドラマ。
これらを貫く運動とは何か? またそれを影で操っていた存在とは――?
此岸と彼岸、現実と非現実、神と仏の境界と習合、そして変成の謎にせまる。
感想・レビュー・書評
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/741979 -
ものすごい面白いんだけど、このボリュームと密度を読み切る時間を作れなさそう、、
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プロローグ―神聖劇場への招待
1 苦行と救済 中世熊野詣の宗教世界―浄土としての熊野へ(葬送としての熊野詣;聖地と救済の構造)
2 擬死と再誕 大神楽「浄土入り」―奥三河の霜月神楽をめぐって(大神楽の宗教思想―『御神楽日記』を読む;浄土入りの装置;浄土への旅立ち;浄土での行い―「注連の本戒」を読む)
3 本覚の弁証法 龍女の成仏―『法華経』龍女成仏の中世的展開(幻の「龍畜経」を求めて―『平家物語』「潅頂巻」から;龍女の原像―「提婆品」の彼方へ;成仏のドラマトゥルギー)
4 人獣の交渉 異類と双身―中世王権をめぐる性のメタファー(双身の神智学;辰狐のイコノグラフィー)
エピローグ―錬金術的思考へ向けて
著者:山本ひろ子(1946-、市川市、神話学) -
2018/07/30
著者プロフィール
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