心理学者が教える 読ませる技術 聞かせる技術 心を動かす、わかりやすい表現のコツ (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065124635

作品紹介・あらすじ

誰もがブログやSNSで表現者となっている時代。表現することの大切さと難しさを痛感している人も多いはずです。本書では、表現することを、どうしたらわかりやすく伝えられるのか、著者みずから名付けた「認知表現学」をもとに系統立てて解説します。あふれる情報のなか、自分の発信するものをどうしたら読んでもらえるか、聞いてもらえるかが見えてきます。1988年刊の著書『こうすればわかりやすい表現』新装版。

感想・レビュー・書評

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  • ブクログさんの献本企画に応募して、頂戴しました!ありがとうございます!

    海保先生の本では、以前「こうすればわかりやすい表現になる-認知表現学への招待」(福村出版)でお世話になったことがある。本書はそのリメイク版であると書かれていた。

    ブルーバックスからの出版ということで、単なるノウハウ本ではなく、根拠となる心理学上の理論を関連付けて展開されているということですね。確かに、前書より深い。

    認知心理学を表現に生かすことにより、より分かりやすく相手(読者)に伝える技術を身に着けることができる。

    その原点に、人間の情報処理システム、つまり短期記憶と長期記憶のメカニズムが説明されており、これを知ることが大前提のようだ。

    表現活動が発生しているとき、短期記憶内で、①構想を練り表現システムへ変換し、②その結果を評価して、もっとよい表現を考え、③あるいは構想を練り直すと言ったことをしているという。・・・確かに、短期記憶の領域でやっているような気がする。

    そしてその上記のプロセスは、長期記憶の中に貯蔵されている膨大な知識を存分に活用して実行されるという。
    ・・・確かにそうかもしれない。

    著者は言う。「したがって、よりよい表現ができるかどうかは、この知識の量と質にも強く影響している」と。

    またあるページでは、国際化に伴う異文化の交流や異なる言葉での交流が増えたり、寿命(一生のサイクル)が長くなったこと、生活スタイルの多様化などにより、「伝えたい情報の増大化」傾向を指摘され、だからこそ「わかりやすい表現」は伝達コストを下げるという社会的な有用性があると述べられている。なるほど~と、著者の考え方に思わず共感した。

    本書にも例示されているが、巷には、わかりにくい表現が蔓延っている。これらは結局、一人ひとりのロスタイムにつながり、トータルでみれば莫大なコストの無駄遣いと考えられないことはない。これは恐ろしいことだ。

    上記のメカニズムに基づき、読み手の短期記憶時の負荷を下げるにはどう表現したらよいかとか、長期記憶に貯蔵されている知識や質に応じた表現とかの各論へ展開されている。各論の中では、さらに細部の手法などについて紹介されている。

    認知心理学の権威である著者とすれば、「メンタルモデルに配慮した分かりやすい表現」のあたりが特に訴えたいポイントであるのかもしれない。

    多少、表現技巧のまずさがあっても、相手の心を動かす熱意のようなものがあれば、そのまずさを相手のほうで補ってもらえることがあると言われている。少々の表現下手は、熱意でカバーできるということか。これは本書の趣旨とは異にする部分だろうが、興味深い。

  • <目次>
    認知表現学の基礎
    第1章  わかる技術の基礎~人間の情報処理システム
    第2章  表現の目的~自分を知る・心を開放する・伝える
    第3章  表現する前に頭の中で起こっていること
    第4章  さまざまな「わかり方」「わからせ方」
    認知表現学の実践
    第5章  気持ちを引き込む表現の工夫~「わかりたい」「わからせよう」と思わせる
    第6章  相手の知識の世界に配慮する
    第7章  「読みたい」「聞きたい」気持ちにさせる表現の技術

    <内容>
    昨年まで東京成徳大学学長だった心理学者の本。この本はもともと1988年出版の『こうすればわかりやすい表現になる』(福村出版)のリメイク本である。30年ぶりの復刊だが、古さは感じられない。むしろ今の世の中でわかりにくい表現がてんこ盛りの中、本の作りも語り口もわかりやすく、飲み込みやすいものである。30年間で認知表現学(心理学)も大幅に発展したと思われるが、基礎の部分はここに盛り込まれているのではないか?と思われる。

  • 【配架場所】 図・3F文庫新書 ブルーバックス2064
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/429949

  • だいたい自分が考えてやってることが間違っていないので安心

  • この技術は中学生に教えていることでありますが、その技術を駆使して教師ができているかどうかということにもなりまして、大変参考になりました。

  • 知識として知っていることだけど,これを本にはできない。言われればそうだよなということばかり,背景知識としては持っているので表現や読解にどういかすかストラテジックに考えて実践することが大切。

  • 人が“わかる”ということを説明した上で、どうすればいいかを書かれている本。
    どうすればについては更に詳しい技術本があるでしょうが、“わかる”ということをこれだけわかりやすく要点をまとめた本は珍しい。

  • 文章の書き方や、プレゼンの仕方の指南書。
    それらの技術を伝授する本はたくさんあるが、認知心理学の立場から述べているところが、本書の特徴だろう。
    つまり、わかるとはどういうことかを解き明かして、その状態をもたらすにはどうするか、という考え方をするのだ。

    本書で「わかる」とは、外部から短期記憶に入った情報を、長期記憶にある既有知識と照合することだそうだ。
    わかるには、いくつかの種類がある。
    本書では、論理的に、行動的に、直感的にわかるというものと、確信をもってわかる、気持ちよくわかるというものが並置されている。
    メカニズムについてもわかっていないものもあるらしく、くいう気持ちの悪い分け方になるのは仕方がないことかなあ。
    自分にとって意味のあったのは、わかることには結構情意的なものも重要だということだった。
    わかった感覚を持たせるのも大切だ、ということだ。

    わかりたいという気持ちを喚起するには、適度なわからなさが必要。
    そのためには相手の反応を見て、少し冗長な表現、専門用語をさけるなど、わかりやすい表現をするといいらしい。
    しかし、ここで情緒に訴えることも有効だそうで、有名人とのつながり、面白いエピソード、身だしなみやジェスチャーを利用するなども手だし、あえて専門用語をちりばめてすごそうな雰囲気を見せることもあり、だという。

    表現には相手のバックグラウンドに配慮するのが大事とはよく聞くことで、本書でもそれがとりあげられている。
    その際、メンタルモデル(頭の中にあるその人の世界)によって説明していく。
    で、それが大切なことは、本書以前に誰しもいうことで、このモデルを持ち込んで何か新しい知見や、整理の仕方ができたかというと、残念ながらそうでもない。
    結局、比喩、図などイメージの活用、全体像を最初に伝える、今どの段階にいるのかを伝える、区切りごとにまとめをする…と挙げられていく。
    経験的に知られていたこと、まあ、経験則が正しかったということなのかなあ。

    あと、「自然な文」(p105)、「題目語を冒頭に」しているためわかりやすい文(p182)の例文が、ちょっとどうかな?と思わせてしまうのも残念。

  • 無邪気に「わからなかった」とか言っちゃいけない本。自分のレベルが達していないだけ、と自白するようなもの(かも)。
    認知心理学の視点で「わかる」とは何かを初歩から解説しているのは丁寧だけどまだるっこしいと感じる面もある。
    「メタ認知」という概念は、いろいろ解明されていないらしいけど面白いですね。

  • どうすればよいのかをポンッと提示している
    よくあるハウトゥー本とは違った。

    認知心理学に基づき
    なぜそうすべきなのかを解説している。

    新鮮なアプローチだがよい表現者になるには
    理論、実践、評価を繰り返すことだと
    定説に落ち着いている。

    実生活に即した例が少なく
    実践するには自身で消化することが必要。

    ただ、言われたことをやるのは抵抗がある
    自分で考え、納得してことを進めたいタイプにおススメ。

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著者プロフィール

筑波大学名誉教授。東京成徳大学名誉教授。1942年千葉県生まれ。1965年東京教育大学教育学部心理学科卒業、1968年東京教育大学大学院博士課程中退。同年、徳島大学教育学部助手に就任、講師、助教授を経て、1975年筑波大学へ転任。1985年教育学博士、1991年心理学系教授となる。定年退職後、2006年より東京成徳大学応用心理学部教授。副学長、学長を務め、2017年退職。分かりやすい表現とヒューマンエラーの心理学研究が専門。主な著書に『仕事日記をつけよう』(WAVE出版)、『「ミス」をきっぱりなくす本』(成美堂出版)、『集中力を高めるトレーニング』(あさ出版)、『くたばれマニュアル! 書き手の錯覚、読み手の癇癪』(新曜社)、監修書に『10キロやせて永久キープするダイエット』(文響社)など多数。


「2018年 『心理学者が教える 読ませる技術 聞かせる技術 心を動かす、わかりやすい表現のコツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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