異セカイ系 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
3.43
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  • (9)
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本棚登録 : 243
感想 : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065125557

作品紹介・あらすじ

第58回メフィスト賞受賞作。

作者(おれ)が、きみもセカイも救ってみせる。

キャラクターをめぐる小説は愛をめぐる哲学の試みである。
――東 浩紀 感嘆!

セカイ系をなろう系に改装し、新本格と重ね合わせる最強のワイドスクリーン・メタフィクション!
――大森 望 絶賛!


小説投稿サイトでトップ10にランクインしたおれは「死にたい」と思うことで、自分の書いた小説世界に入れることに気がついた。
小説の通り黒騎士に愛する姫の母が殺され、大冒険の旅に……♪
ってボケェ!! 作者(おれ)が姫(きみ)を不幸にし主人公(おれ)が救う自己満足。書き直さな! 現実でも異世界でも全員が幸せになる方法を探すんや!
あれ、何これ。「作者への挑戦状」って……これ、ミステリなん?

感想・レビュー・書評

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  •      言 文 之 我
         葉 化 文 読
         足 多 章 之
         変 風 非 思
         化 雨 也 有             
                          

    • おびのりさん
      私、普通にレビューしたら、悪態つきそうだし。
      返点入力できなくて、液晶にマジックで書きたくなった。
      私、普通にレビューしたら、悪態つきそうだし。
      返点入力できなくて、液晶にマジックで書きたくなった。
      2023/07/31
    • 傍らに珈琲を。さん
      返点!懐かしい響き!
      私、学生時代に漢文とってましたが、教授が"飯蛸の煮付け"みたいな頭をしていらした事しか覚えてないです。
      返点!懐かしい響き!
      私、学生時代に漢文とってましたが、教授が"飯蛸の煮付け"みたいな頭をしていらした事しか覚えてないです。
      2023/07/31
    • 土瓶さん
      レ点とか一二点? みたいのが記憶の片隅にぼんやりと……。

      いつも普通に作品に悪態ついてる俺がスキップしますよ~♪
      レ点とか一二点? みたいのが記憶の片隅にぼんやりと……。

      いつも普通に作品に悪態ついてる俺がスキップしますよ~♪
      2023/07/31
  • めちゃくちゃ好み分かれそう。
    私は会話形式が好みではないのもあって、なかなか入り込めなかった。

  • 素晴らしい。
    勿体ないと思う点もなくはないが、これは大傑作。ハマらない人がいるっていうのも頭では分かるけど...いやハマらない奴なんておるんか?

    開いたら分かる関西弁。読んでいくうちにどんどんクセになった。行間から滲み出る主人公の優しさに浸りながら、語りをそのまま聞いているかのようにグイグイ読んでいける。
    「誰も出ぇへん。あたりまえか。平日の昼。」といった超短文(単語)の連鎖は不要な気もしたが、「ネット小説」という体裁を考えればリアルと言えるのかもしれない。

    内容は、まず設定が面白い。小説世界に入り込む、という一見ベタな設定が、まさかあんなことになっていくとは。
    作者への挑戦状、解決の創造といったミステリ好きに刺さる要素を取り込み、物語は深淵へと進んでいく。
    『異セカイ系』によってこの「現実」が創られ、さらにその中で『異セカイ系』を作り/作らされ、その中に書いたことにより「現実」が改変されていく...だが、書くこと、それは創ると同時に、「書かない」領域をも生み出す。
    その余白/自由意志が、リアルな存在となったキャラクターを作者がコントロールせざる部分となる。
    さらにはこのメタ的な構造が、互いに作者兼登場人物となる平等な関係をつくり、また愛すか否かを相手に委ねることになる..........

    あぁ頭おかしくなりそう笑。本当に凄まじい。
    そのあとの、可能性それぞれの世界が存在していたら、というロジックにも仰天させられる。最後がややきれいごと臭くなるのは勿体ないが、もはやそれすら受け入れてしまう。
    後出しの情報が多いというのは一つ欠点だが、前半の問題→解決を繰り返していく、畳み掛けていくような展開はスピーディーで素直に楽しい。

    前例があるとかっていう話もあるみたいだが、まだSFはあまり読んでいないのでそれはわからない。セカイ系、なろう系などの言葉の意味すら分からない。そんな状態ではあったが、全く問題なかった。心を鷲掴みにされた。
    最高だ。

  • 誠実さや愛や祈りをテーマにした小説。 誠実さや愛や祈りはいつだって至上のエンターテイメントとなりうる。
    メタ構造を用いており、『好き好き大好き超愛してる。』や『君と彼女と彼女の恋。』などとの類似性を感じる。
    本作のメタ構造は、『好き好き大好き超愛してる。』の「世界間の差異を創作内で解体することを通して、創作と現実の差異をも解体し全ての存在は連続体であると示し、それによって自作内の"祈り"を世界全体に普遍化させようという試み」の踏襲で、でも『好き好き大好き超愛してる。』が既に言葉を使わないかたちで鮮やかにそれを完全に達成してしまっていて、本作は「作中世界の構造の解説」という言葉を使った説明によって再現しているわけで、言葉は悪いけどその点においては先行研究の展開というより戯画化しただけという印象があった。
    一方で、『未来にキスを』の展開としては正当後継的で、未キスでは「自分の認識の枠組を参照する形でしか他者を捉えられない」という問題を「その"距離"こそが大切で、「知りえない」ことには祈りがあり、「知りえない」と知ってしまった新しい人類としての私たちの新しい愛の形だ」と結ぶ。本作では、それが双方向的であるという指摘を付け加えて「愛の対象が代替可能であるように、愛の主体も代替可能であり、それでも代替可能な者同士の間の"感情"は真実で、それならそもそも代替可能であるということは受け入れるべき悲しみでもなんでもなく、喜ぶべきものじゃね」と展開する。さらに、現実世界と創作世界の差異の脱構築と、恋愛の対象と恋愛の主体の脱構築をオーバーラップする形で話を広げていて、結果的に独我論的ながらも他者志向的な祈りになっていく。
    一方で、ポリアモリーの観点からは、納得がいかない。わざわざ「ポリアモリー」というアイデンティティを直接的に使用したにも関わらず"誠実さ"という立場から明瞭なアンサーを出せなかったように思う。言及しない方が良かったと個人的には思う。

  • 2018年。第58回。
    よくわからんかったが、とりあえず最後まで読んだ

  • 変わった作品ではあるけど、おもしろくない。

    文体はWeb小説をモチーフにしているので読みづらいし、オチも劇的ではない。似たような作品を読んだことがあればたぶん見えてしまう。

    メタ的な視点を持った作品が僕の好みではないだけかもしれない。

    僕は読んでいてつまらないと感じた。

  • 小説投稿サイトでトップ10にランクインしたおれは「死にたい」と思うことで、自分の書いた小説世界に入れることに気がついた。小説通り悪の黒騎士に愛する姫の母が殺され、大冒険の旅に……♪ってボケェ!! 作者が姫を不幸にし主人公が救う自己満足。書き直さな! 現実でも異世界でも全員が幸せになる方法を探すんや! あれ、何これ。「作者への挑戦状」って……これ、ミステリなん?

  • 創り出す小説と、現実を行き来でき、それが投稿サイトのベスト10位に入れば誰でも出来る。だが、ベスト10位から外れたものは、行き来することができなくなる。
    猶予期間を利用して、創り出した小説世界を行き来できる人物たちと模索するメタフィクション小説であろうか。
    ただ、メタフィクションでも、もう一捻り欲しかったことは否めない。
    物語が終盤に向かっていくにつれて、結末が徐々に見えてきてしまったのが残念ではある。
    メフィスト賞で、このような作風のジャンルが生まれたのは新たなる境地かなとも感じている。著者の次回作に期待したい。

  • 想像していたよりは悪くなかった。論理を捏ね繰り回してるだけな感じはあったけれどね。オチはなんとなく予想ついてたけどセカイ系の解釈の一つとしてはありだと思う。

  • 初名倉。メフィスト賞受賞作。初めての異世界モノで勝手がよう分からんけど、他もこんなもんなの?最終的にはキャラクタ愛をトコトン追求する作品。まあまあ楽しめました^^ 星三つ。

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著者プロフィール

【名倉 編(なぐら・あむ)】
京都府出身。「ゲンロン 大森望 SF創作講座」をへて『異セカイ系』で第58回メフィスト賞を受賞しデビュー。

「2018年 『異セカイ系』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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