すぐ死ぬんだから

著者 :
  • 講談社
3.70
  • (98)
  • (228)
  • (191)
  • (27)
  • (7)
本棚登録 : 1672
感想 : 212
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065125854

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 78歳後期高齢者のハナは、年相応に見られることを厭い、自分に手をかけ美しくいるよう常に意識をする女性。
    夫とは仲が良く、家業の酒屋を長男夫婦に任せた後の隠居生活を送っていた。

    スパッとしたハナの性格に少し戸惑いました。
    自分を大事にし自分に意識を向け、若くい続けることは大事。
    でも、人は人なんだから、と思いながら読んでいました。

    途中に判明する大きな出来事、それ以降のハナの様子はカッコ良かった。
    最後に菩薩の域にまで達する、そんな歳の取り方が出来たらいいですね。

    ハナの今後は、さらに楽しいものになりそう。
    頑張れ、おばあちゃん♡

  • 高齢化が進んで進んで気づけば人生100年時代。
    電車に乗ったとき道を通ったとき、色んなところにいるthe高齢者
    見え方としてはピンきり。
    どう見ても萎びてるよな(失礼)っていう人から
    え?すごい若く見える!ってまさに魔法使いの様な人まで千差万別
    で、そんなthe高齢者素敵マダムが主人公の小説
    見た目が残念すぎる同窓会の人や嫁姑問題から
    無難に過ごしている夫とか孫とかいろいろ。
    でも、そんな無難に見えた夫が急死した後に驚きの事実が隠れてたっていう話
    エンディングノートとか遺産とか
    今書いておいた方が良いのか悪いのか
    老いってなんだろうとか、衰退後退ってなんだろうとか
    普段あまり考えないことを考えた。
    100歳越えなんて今ザラにいますしねぇ

  • 印象に残ったこと。
    裏を見せ、表を見せて散る紅葉。
    自分のための趣味を楽しみながら、死ぬ日を待つしかないのか。
    フェイドアウト。
    品格のある衰退。
    快適な文章運びで面白く可笑しく読めました。
    その中に考えさせられること有りでした。
    品格のある衰退を考えねば。

  • 内館牧子さんの本はこれが初めて!
    こんなに面白いことを書く人だったとは!
    もちろん、面白いだけではなく、
    人生の捉え方がまた素晴らしい!
    僕は色々なところで共感してしまった。
    まだ死なない人も、まだまだ死なない人にも
    薦めます、ぜひ読んでみて下さい!

  • 図書館で借りた本。78歳のハナさんはオシャレでマニキュアもして見た目年齢は65歳位のお婆ちゃん。同窓会に行っても周りが年相応の同級生達を内心見下していた。ある日、仲良しのダンナが突然死してしまう。遺言から他に家庭を作っていた事がわかり一悶着…といった内容で妾がハナさんより10歳程若い女医で婚外子の子が一級建築士でバリバリ活躍してたりする事実を知り、ハナさん一家も騒動するが遺産相続で法的に揉める案件ではなかったのは妾の自立と強かさがあったから。最後は浮気を40年も続けていたダンナへの憎しみは薄れ、結局夫婦の人生といえど違う人間だという事。自分はすぐ死ぬんだからと残りの人生を、憎しみで過ごすのでは無く生き甲斐を他に見つけます。という話だった。

  • 「終わった人」に続き、タイトルが気になり読みました。内館さんの本は、メッセージ性が強く、勉強になり、共感できる。著者がいわんとしていることは、あとがきにわかりやすくまとまっているので、そこを読めば腑に落ちる感じ。夫が隠していたことは、予想通りだったが、主人公の忍が、迷い、悩みながらも、どんなときでも身綺麗にして品よく歳をとっていく姿は、まだまだ先と思っていても、案外あっさりきてしまうであろう自身の老後の参考にできそう。セルフネグレクトと対局の、品位のある衰退。自分もそこを目指せれば。

  • まだ先?かもしれないけど、そう遠くない未来。
    心して挑もう(笑)

  • 出てくる登場人物、みんな生々しくて面白かった。
    「老いる」というのは何をどう言い繕ったとしても切ないことだなぁとしみじみ。

  • 人生いくつになっても、内面外面の両面で研鑽&自己意識をすべきと感じましたね。
    本題の中の岩造の遺言は驚きます。
    平気で生きて居る

  • 内館牧子の作品は初めて読んだが面白かった。

    外見に気を遣い「とても78歳には見えません」といわれるのが生きがいの女性ハナが主人公。外見に気を遣わず老いていく同級生や、関係がうまくいっていない息子の嫁のことを心の中で見下しているが、一方で夫を愛し日々の暮らしを楽しんでいる姿はどこか憎めない。

    前半は幸せな老年期を迎えた夫との暮らしが物語の中心だが、中盤で夫が急死し(読んでいて、あまりに急で驚いた)、その後に実はハナの知らないところで愛人がいて子供まで作っていたことが判明し、物語は愛人親子とハナの息子夫婦・娘との物語になっていく。

    自分はまだ30代だが、今でも老いていくのは怖いと思っている。なんだかんだと気にかけてくれる人がいるハナのような老年期は幸せなんだろうなと思い、40年後このようになっていたいと思った。

全212件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1948年秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業。1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本に「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「毛利元就」(1997年NHK大河ドラマ)、「塀の中の中学校」(2011年第51回モンテカルロテレビ祭テレビフィルム部門最優秀作品賞およびモナコ赤十字賞)、「小さな神たちの祭り」(2021年アジアテレビジョンアワード最優秀作品賞)など多数。1995年には日本作詩大賞(唄:小林旭/腕に虹だけ)に入賞するなど幅広く活躍し、著書に映画化された小説『終わった人』や『すぐ死ぬんだから』『老害の人』、エッセイ『別れてよかった』など多数がある。元横綱審議委員で、2003年に大相撲研究のため東北大学大学院入学、2006年修了。その後も研究を続けている。2019年、旭日双光章受章。

「2023年 『今度生まれたら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内館牧子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
横山 秀夫
辻村 深月
西加奈子
道尾 秀介
三浦 しをん
辻村深月
知念 実希人
三浦 しをん
森 絵都
恩田 陸
角田光代
東野 圭吾
柚木 麻子
湊 かなえ
東野 圭吾
朝井 リョウ
林 真理子
柚月 裕子
東野 圭吾
雫井 脩介
村田 沙耶香
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×