海底の道化師 新東京水上警察 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 144
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065125861

作品紹介・あらすじ

中央外側防波堤で見つかった3枚の免許証はすべて若い女性。全員に捜索願が出ていて未だ行方不明と判明する。失踪はすべて海の近く、死体はどこにある? 東京水上警察・碇拓真と水難救助隊に配属された有馬礼子をまたもや前代未聞の危機が襲う! 東京湾が舞台の傑作サスペンス、第4弾!(書下ろし)

感想・レビュー・書評

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  • 吉川英梨『海底の道化師 新東京水上警察』講談社文庫。

    シリーズ第4弾。文庫書き下ろし。本屋に並んで直ぐに購入したのだが、長らく寝かせていた。前3作全てがイマイチだったので読むのに躊躇していたのだ。『……道化師』と言うと江戸川乱歩の『地獄の道化師』を連想するのだが、果たして本作は……

    今回の作品は吉川英梨にしてはかなり思い切ったストーリーだと思う。いつものように甘い恋愛小説のような展開から始まり、一転、奇怪な猟奇連続殺人事件が描かれ、あろうことか有馬礼子が殺人鬼に囚われの身となる……礼子の運命や如何に……

    あれよあれよという間にストーリーは展開し、息継ぐ間もなく殺人鬼はあっさり捕まり、殺人鬼の背景もいやにあっさりと明かされ、最後は色恋沙汰で終わるという……

  • 新東京水上警察シリーズ、第4弾。
    今回も碇や礼子、日下部などのお馴染みの面々に加え、新たな濃いキャラも...

    東京湾から回収された3枚の運転免許証。それらは、全て若い女性のもので、失踪中のものであった。更に、船員と思われる水死体も発見され、碇達は騒然となる。

    やがて、単独行動を起こした礼子が、連続殺人鬼『海底の道化師』に捕まり、監禁されてしまう。
    更に、甚大な海難事故が発生し...

    しかし、本シリーズは、よく船舶が破損しますね(笑)。もはや、定番でしょうか?

    最後のエピローグは、五臨署設立の裏話にも関連し、何やらきな臭いにおいがしますね。

  • シリーズ第4弾。
    前作で警察官に転職することを決めた礼子は、警視庁の水難救助隊、通称「カッパ」に配属され、不満を抱えた日々を送っていた。
    また日下部は捜査一課の囮捜査の応援で、巨大な売春組織を追っていた。
    そんな中、東京湾で3人の若い女性の免許証が発見される。
    全ての人物に失踪届が出ていることから、連続事件と判断し、本格的に五臨署が捜査に乗り出し、日下部は呼び戻され、礼子も海底の捜索の一環として、捜査に加わる。
    話はこのまま、連続失踪事件の話になるかと思いきや、全く違う方向に…
    このシリーズは警備艇でカーチェイスもどきをしてみたり、どう考えても、ありえない内容が多いが、今回は何と海保を絡めてきた。しかも、特救隊…
    連続失踪事件の犯人を追うことが本来の目的なはずなのに、中盤からメインは救助活動に…これは海猿???
    最初から恋愛要素が邪魔なのに、内容が180度方向転換した挙句、最初の事件の捜査はどこへやら、そちらはあっさり犯人が捕まる始末。
    毎回、次は読まないと決めていて、つい読んでしまって、後悔する。
    次はもう読まない!

  • このシリーズは人間関係を含め面白いけれど、時々ある部分に置いて、突出して、いくらお話しでもそれはないだろう!と思う極端な部分がある。それがあるから話が広がるというのはそうなのだけど。

  •  「しばらく船は沈まない、そして救助も来ない、ということですね。それなら私たちでへりの中にいるはずの隊長の救助を行います」

     さすがに碇はひるんだ。

     「冗談 ~ あの爆炎の中に飛び込むつもりか。三次、四次災害が起きて全員死ぬぞ。あんたバカじゃないか」

     「バカでいい。死んでもいい。後であんときどうして助けなかったのかと、後悔し続けて生きるくらいなら。」

     「私は1993年のあの日、津波に呑まれて浮上しようとして~母にすがりつかれた。私は潜水夫だった父親としょっちゅう潜っていたから、水の中は慣れている。だけど母は泳ぎすら苦手でパニックになって、浮かび上がろうとする私の体にしがみついてきた。10才の私には重くて、自分の身体が沈んでいくのがわかった。私は私の体にまとわりつく母親の体を蹴落としていたのよ」

     沈んでいく母親の長い髪は人魚のように見えた~

     「人魚だと思いたかった。自分が見捨てた母親を自らの意思で身を海に帰った人魚だと思い込むことで必死に罪悪感から逃れようとしていたのよ」

     

  • 5月-7。3.0点。
    水上警察シリーズ。東京湾海底から女性の免許が。全て行方不明者。単独で行動する有馬が、拉致され船に監禁。

    吉川英梨もので、一番恋愛沙汰の多いシリーズ。有馬、いつも勝手に行動して主人公達を窮地に追い込んでないか。

  • (2018-11-13L)

  • 東京湾海底から回収された運転免許証三枚は、全て失踪中の若い女性のものだった。船員とおぼしき水死体も発見され碇拓真率いる五港臨時署強行犯係は騒然となる。そんな中、単独で事故貨物船の救難に向かった有馬礼子は、衣服を剥がされ船底に監禁されてしまう。女を食い物にする「海底の道化師」の正体とは?

  • またもシリアルキラーの話。
    礼子の行動が軽率すぎてちょっと引いたかな。
    こんなに上司の命令を聞かない警察いないでしょう。

    碇は安定の安心感。
    砂に飲み込まれていったときは絶体絶命かと思ったけど、殺人鬼は裏切らなかった。

    東子の恋人は遠藤だとは思ったけど、東子が日下部に行くとは。
    東子も礼子も結局五臨署に来ることになるとは。
    また、最後の最後に鷲尾がすごい話を碇にした。
    次がシリーズ最終巻かな。どう完結するのか。

  • 犯人である海底の道化師を逮捕するまでの過程はいつになくすっきりした展開で良かったのだが、まだページ数もあったのでもう一波乱あると思いきや未曾有の大事故が起きる。
    作中にもあったが何もかも礼子の軽はずみな判断が巻き起こしたものであり、かといって礼子自身が尻拭いをするわけでもなく、礼子のキャラ設定が中途半端。
    最後に新たな恋愛模様も加わったので食傷気味である。

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著者プロフィール

『私の結婚に関する予言38』(宝島社文庫)にて第3回日本ラブストーリー大賞のエンタテインメント特別賞を受賞し、2008年デビュー。近著に『ブラッド・ロンダリング』(河出文庫)。そのほか、「原麻希」シリーズ(宝島社)、「新東京水上警察」シリーズ、「海蝶」シリーズ(ともに講談社)、「十三階」シリーズ(双葉社)、「警視庁53教場」シリーズ(KADOKAWA)、「感染捜査」シリーズ(光文社)など著書多数。

「2023年 『警視庁捜査一課八係 警部補・原麻希 グリーン・ファントム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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