- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065125922
感想・レビュー・書評
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アムステルダム市庁舎に飾ってある
レンブラントが描いた絵から
夜な夜な王が抜け出してさまよう
という噂が広まっていた。
レンブラントの息子ティトゥスは
そのせいで困っているさなか
かつて肖像画を描いたことのある
町で高名な宝石商人
ホーヘフェーン宅に呼び出される。
だが、面会中に苦しみだした富豪は
そのまま不可解な死をとげた。
ところが、翌日もういちど
屋敷を訪れたティトゥスが見たのは
生き返った彼の姿だった。
噂通り、レンブラントが描いた人間は
絵から甦るのだろうか?
レンブラント好きの私にはたまらん
歴史ミステリでしたわ。
息子ティトゥスに協力するのは
ふとしたきっかけで知り合った
記憶のない旅人ナンド。
事件は合理的な解決をみるけど
ちょっと不思議な味付けも。
ティトゥスがね〜(T_T)
若くして病死しちゃうのは知ってるんで
ここに描かれた線の細そうなキャラが
読んでる最中も心配で、心配で。
ちなみに最後の謎解き探偵は
なんとレンブラントその人です。
ずっとこもって絵を描いていたくせに
安楽椅子探偵のようにズバッと
犯人を言い当てちゃうんですよ〜( ^∀^)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
他のレビューにもある通りのオチだったので、凡作という意味から星3つとした。本作はミステリというより、奇想奇譚に類すべきものであろう。
素材はいい。
記憶を失った主人公。(ミステリアスだ……)
翼竜館で発生したペスト死。(当時としてはショッキングこの上ない!)
顔を見せない謎の医師。(さらにミステリアスな登場人物が!)
謎を呼ぶ宝石承認の復活。
レンブラントの絵から抜け出るという亡霊。(もしやこの話はオカルト方面にも?という期待が持てる)
この素材で、出力結果はなぜこうなった?
と、いささか疑問な部分が見受けられる。
・ダイヤモンドの話が細切れすぎて、後半再度語られるもまったく関係してないような印象がある。登場人物視点から語る文体なのだから、回想に一節いれておけばよかったのでは。
・謎解き役のレンブラントの登場が唐突すぎる。この話のキモがキモだけに、最後まで主人公と対面するわけにはいかなかったのかも知れないが、それでも息子を通じて何らかの存在感を示すわけにはいかなかったのか。
・ほかの重要キャラの登場も、唐突といえば唐突の感である。最初のプロットで、時間軸に沿った流れを作って固執したのかもしれない。
とにかく、伏線というものが全く『それらしくない』ため、機能不全に陥っている印象の凡作であった。
ディテール細切れにして、再構成したら江戸川乱歩の作品めいて面白かったんじゃないだろうか。 -
陰気でどんよりとした街の様子や当時の風俗等が感じられる描写と、ミステリアスな記憶喪失の男、ペストで死んだ宝石商人は生き返ったのか…といったミステリー要素が絡み合って読み応えがありました。
探偵役には意外な人物、しかももの凄い安楽椅子探偵っぷりでしたが、一番驚いたのは記憶喪失の彼の正体とその幕切れ。これはホラー、それも海外のゴシック物を連想しましたね。 -
舞台となった1660年台のアムステルダムの雰囲気が伝わるいいミステリでした。あの人が探偵役とは。ぜひシリーズ化してほしいと安易に思ってしまいました。
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17世紀のアムステルダムが舞台の歴史ミステリ。
ペストで死んで埋葬された男が生き返ったという謎に、レンブラントの息子と記憶喪失の男が迫る。
ペストと水没の恐怖にさらされる街が陰鬱な雰囲気でやるせないが、ストーリーもキャラもしっかりしていて面白かった。レンブラントの出番は少ないが、存在感あり。 -
安楽椅子探偵レンブラント登場!
まあ続編は無いけど。