107小節目から

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 29
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065126653

作品紹介・あらすじ

【第58回講談社児童文学新人賞佳作入選作】

泳いでいるとき、由羽来(ゆうら)の頭の中には、音楽が流れている。それは、泳いでいる苦しさを忘れるため。そして、本当は音楽をやりたい自分を消してしまうため――。

「世界に一着しかない服を作ろう」とアトリエを開いたはずの父は、親戚に借金までして強制的に由羽来に水泳を習わせ、そして母に暴力を振るうようになった。その母は、家族への気持ちを言葉にしようとしない。そんな両親のいる家で、由羽来も家族をあきらめている。

父に命じられるままスイミングクラブで泳ぐ由羽来の心に、ドボルザークの交響曲「新世界より」が響くとき、彼女の世界は変わるのだろうか――。

最後の一行まで小六の少女に寄り添って描かれた、切なくも優しい児童文学の誕生。

水の中にいるみたいに、息が苦しいって感じているみんなに伝えたい。

きっと「新しい世界」は、すぐそばにあるんだって――。 【対象:小学上級以上】

感想・レビュー・書評

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  • 2021年5月5日
    毒父だ!
    こどもは逃げ場がない。
    自信がなく、会話がない。
    遠慮して思っていることが言えない。
    それでも誤解が解けて互いが互いを思っていることがわかった。
    その先の光が少し見えてきた
    この話はそうしていい方に向かった。
    がJさんは実際のところ毒母に耐えてきた。
    父が亡くなってから18年間母を訪ねてない会ってないそうだ。
    毒親の影響は深い。

  • 強圧的な父親に水泳をさせられているが、音楽をやりたい。少しだけ前に進めたのだろうか。

  • 水の中のように息ができなくて苦しい。高学年向け。

  •  家ではお父さんがよく怒鳴るし、お母さんも何を考えているのかわからない。由羽来は自分の思いを口に出せないでいた。
     
     クラスメイトで仲良くしているタミィは、不思議ちゃんだけど、由羽来をなぜか元気づけてくれる。由羽来が苦手だったおばあちゃんともすぐにうちとけた。
     おばあちゃんのことを少しずつわかりかけてきていたところで、おばあちゃんが入院してしまった。
     お見舞いに行った病院で、由羽来はお父さんとおばあちゃんの確執を知ることに。

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著者プロフィール

大島恵真
作家。静岡県生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。日本児童文学者協会会員。ライター、イラストレーター、ブックデザイナーとして活動のかたわら、『あみものやさんピーヨのプレゼント』(おおしまりえ・岩崎書店)で絵本デビュー。その後、初の児童文学『つばさ』(大島理惠・文研出版)を刊行、執筆活動に入る。第58回講談社児童文学新人賞佳作受賞、『107小節目から』(大島恵真・講談社)を刊行。YAアンソロジー『わたしを決めつけないで』(講談社)に「空、雲、シュークリーム、おれ」が掲載。

「2022年 『グレイッシュ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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