- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065126653
作品紹介・あらすじ
【第58回講談社児童文学新人賞佳作入選作】
泳いでいるとき、由羽来(ゆうら)の頭の中には、音楽が流れている。それは、泳いでいる苦しさを忘れるため。そして、本当は音楽をやりたい自分を消してしまうため――。
「世界に一着しかない服を作ろう」とアトリエを開いたはずの父は、親戚に借金までして強制的に由羽来に水泳を習わせ、そして母に暴力を振るうようになった。その母は、家族への気持ちを言葉にしようとしない。そんな両親のいる家で、由羽来も家族をあきらめている。
父に命じられるままスイミングクラブで泳ぐ由羽来の心に、ドボルザークの交響曲「新世界より」が響くとき、彼女の世界は変わるのだろうか――。
最後の一行まで小六の少女に寄り添って描かれた、切なくも優しい児童文学の誕生。
水の中にいるみたいに、息が苦しいって感じているみんなに伝えたい。
きっと「新しい世界」は、すぐそばにあるんだって――。 【対象:小学上級以上】
感想・レビュー・書評
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2021年5月5日
毒父だ!
こどもは逃げ場がない。
自信がなく、会話がない。
遠慮して思っていることが言えない。
それでも誤解が解けて互いが互いを思っていることがわかった。
その先の光が少し見えてきた
この話はそうしていい方に向かった。
がJさんは実際のところ毒母に耐えてきた。
父が亡くなってから18年間母を訪ねてない会ってないそうだ。
毒親の影響は深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
強圧的な父親に水泳をさせられているが、音楽をやりたい。少しだけ前に進めたのだろうか。
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水の中のように息ができなくて苦しい。高学年向け。
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家ではお父さんがよく怒鳴るし、お母さんも何を考えているのかわからない。由羽来は自分の思いを口に出せないでいた。
クラスメイトで仲良くしているタミィは、不思議ちゃんだけど、由羽来をなぜか元気づけてくれる。由羽来が苦手だったおばあちゃんともすぐにうちとけた。
おばあちゃんのことを少しずつわかりかけてきていたところで、おばあちゃんが入院してしまった。
お見舞いに行った病院で、由羽来はお父さんとおばあちゃんの確執を知ることに。