- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065127797
作品紹介・あらすじ
いま、日本中が大注目! 「にぎやかな過疎地」づくり実践中の著者による新しい仕事と生活。
東京で立ち上げたITベンチャー企業。リーマンショックを乗り越えてようやく赤字を脱出。
しかし弱小企業の悲しさでいくら募集しても人が集まらない。
そこでとった窮余の策が徳島県美波町へのオフィス移転だった。
「昼休みにサーフィンができる会社」
「半IT半○○」(○○には自分の趣味を)を謳い文句に募集したところ、
大都市圏の若者から応募殺到。一挙に募集問題は解決。
と、話はここで終わらない。
実際にオフィスを移転してみると、いままで見えてなかったものが見えてきた。
会社の仕事だけではない、社員一人ひとりに期待される地域での役割、
限界ギリギリの過疎地ならではのさまざまな課題とIT企業ならではの課題解決方法。
田舎がのんびりしているなんてとんでもない。
田舎のほうがやることはいっぱいある。人がいないだけだ。
「半IT半○○」の生き方から「マルチX」の生き方、
都会と田舎のいいとこどりの「デュアルライフ」という生き方、働き方。
気がつくと、だんだんとさまざまな人が集まってきた。
人口減少は仕方ない。でもなんかいつもガヤガヤして楽しい。
「にぎやかな過疎」。
もしかすると、ここが課題先進国日本の最先端かもしれない。
感想・レビュー・書評
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筆者はセキュリティソフトの開発をするベンチャー企業の代表。東京にあったこの会社を、出身地である徳島県美波町にサテライトオフィスを作り、その後本社機能も美波町に移転。町の活性化の原動力となった苦労と成功体験を語る。
田舎に移住する上で煩わしいと思われがちな「人との繋がりが濃すぎる」ことは、美波町ではほどほどの緩さで繋がっているようだ。徳島県がブロードバンド回線が充実していて、尚且つIT関連企業という条件が成功に繋がったという面はある。しかしそれが起点となり、多くの移住者を引き付けている。
一番印象に残ったのは、「パイを奪い合うのではなく、人口が減っていくことが前提のビジネス」を築き上げているということだ。所謂「痒いところに手が届く」商売を中小企業の規模で地道にやっていることで好循環を生んでいる。これは過疎地に限らず、参考になる考え方だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20210822読了
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/710300 -
こんな生活してみたい!
私の職種では実現しそうにないが、IT系なら、、看護師だったら…といろいろ妄想してしまいました。
うらやましい生き方です。 -
2018年に読んだはずだが記録無し。
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採用難を突破するため、起死回生の策として「昼休みにサーフィンが楽しめる職場です」をPRポイントとするため、人口わずか7000人の過疎の町である徳島県美波町にサテライトオフィスを開設し、見事に人材獲得に成功。その後、本社も同町に移転し、どっぷり同町での「地方創生」に関わることとなったベンチャー企業の社長、吉田基晴氏による経験談とそれに基づく地方創生論。
まさに地方創生のあるべき姿がここにあると感じた。半X半IT、「つとめ」の意義、「課題の先進地」でありビジネスチャンスの源としての過疎地、奪い合わない地方創生といった、本書において語られる考え方やキーワードは、地方創生にとって本質的なものばかりである。公務員の体温を上げる必要性の指摘も、刺さった。
公務員をはじめとする地方創生関係者、地方への企業移転や移住の希望者は必読であると思う。 -
「プレーヤーになるか、消費者で終わるか」
1円でも安く買う方が賢い。10個より20個の選択肢がある方が有利だ。そうした行動原理も人間を不幸にしている。
田舎に足りないのは消費者ではなくて担い手です。
「変化の先頭に立つ」
田舎で起こっている問題は、そのうち都会にも起こる。
サテライトオフィスは総務省の予算。 -