- 講談社 (2018年8月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (194ページ) / ISBN・EAN: 9784065128688
作品紹介・あらすじ
芥川賞受賞から2年、本谷有希子が描くSNS狂騒曲!海外旅行でインスタにアップする写真で"本当”を実感する僕たち、ネットショッピング依存症から抜け出せず夫に携帯を取り上げられた妻、自分たちだけの"印”を世間に見せるために動画撮影をする夫婦――。SNSに頼り、翻弄され、救われる私たちの空騒ぎ。
芥川賞受賞から2年、本谷有希子が描くSNS狂騒曲!
海外旅行でインスタにアップする写真で"本当”を実感する僕たち、ネットショッピング依存症から抜け出せず夫に携帯を取り上げられた妻、自分たちだけの"印”を世間に見せるために動画撮影をする夫婦――。
SNSに頼り、翻弄され、救われる私たちの空騒ぎ。
感想・レビュー・書評
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SNSに纏わる3つの短編集。
ないわぁ、あり得ないわぁとなるような感じ。
なんだろうか、この最後の感じは…。
嘘だろう⁉︎な結末というのか、自分のなかで消化しきれない後味の悪さなんだろうか。
「本当の旅」の友だち3人は、身近にはいないような次元の人たちで最後にギョッとさせるのは、彼らじゃなくてその他なのか…。
「奥さん、犬は大丈夫だよね?」の犬よりも奥さんの方が、どうにかしてる。桃子という名の犬の甲高い鳴き声は、どういう理由で…。
「でぶのハッピーバースデー」は、最後まで目が離せなかった。これ何を見せられてるんだろう私…ってなる。
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3篇の短編集。どれもなにか「不穏」さを感じる作品。とくに最初の「本当の旅」。
世間知らずでエコーチェンバーの仲良し3人組がマレーシアに旅に出る。
けっこういいトシの勘違いグループ。昔の自分をどこか見ているようで、非常に気分が悪い⋯。でもどこか不穏な雰囲気が。。そして最後には⋯。
あとの2編も、それぞれ勝手な人たちが勝手な思いで、割と気分の悪い行動をする。
これだけ気分の悪いストーリーを作れるのは、さすが本谷さん。
3篇目の『でぶのハッピーバースデー』、夫婦の話は、割合救われた。この二人は幸せになってほしい。。。
単行本188ページ、図書館。 -
なかなかに皮肉のきいた、独立した三つの短編が収められている。それぞれのタイトルは、「本当の旅」「奥さん、犬は大丈夫だよね?」「でぶのハッピーバースデー」。
どの話もどこか「相容れない」感じがする。それは登場人物同士のことであったり、登場人物たちと社会全体であったり。それは最後まで拭えない。ついでに私とも相容れない(特に本当の旅の登場人物たちとは…苦笑)。
それなのにするする読めて、だんだん続きが気になってくるところがすごい。
そういえば、この三編を収めた本のタイトルが「静かに、ねぇ、静かに」である理由が、読み終わってもよくわからない。全編に漂うこの相容れなさが、社会の中で沈黙されるべきものだからだろうか。社会が彼らに、ねぇ、静かに、と彼らの口を塞いでいるのだろうか…?
以下それぞれの話のちょっとした感想。
そんなにネタバレはないと思うけど、念には念を入れて情報仕入れずに読みたいんだ〜という人は本書読了後にでも気が向いたら見てやってください。
本当の旅:
専門学校時代の同期で四十手前の男2人女1人がマレーシアに旅行する話。読み進めていくうちに、3人に対して、(えっ、なんだこいつら…)と思ってしまう。なんというか、うさんくさい。うん…多分私とこの人たちとは合わないんだなぁ…主人公の主体性のなさというか、無理してる感がちょっと見てられない。それでいいのか?本当にしたいことは、本当の主張は一体なんなんだ?流されるままでいいのか?そして匂わせな衝撃のラスト。
奥さん、犬は…:
主人公である主婦とその夫、そして夫の職場の知り合い夫婦でキャンピングカー旅行に。主人公は旅行に全然乗り気でなかったし、夫とはあまりいい関係ではなさそう。というかない。相手夫婦とも気が合いそうにない。しかしとあるきっかけからだんだんこの旅行にノってきて…(ヤケともいう)。自分が本当に必要としているものはなんだろう?これまた匂わせな衝撃のラスト。
でぶの…:
三作の中で一番登場人物にまだ共感というか、主人公夫妻の思いがひしひし伝わってきた話。主人公夫妻は会社が倒産して2人同時に職を失った。主人公で妻のでぶ(会話文でも実際夫にでぶって呼ばれてる。もっとマシな呼び方ないんか?)は歯並びがとても悪い。夫はそれを俺たちの報われない人生の"印"だという。だから変わるために歯を矯正しろと妻に提案。でぶは印だなんてなにさ、といった感じで歯の矯正なんてしないと思っていたが…
普通ってなんだろう?普通なんて存在するのだろうかと日々思うけど、やっぱり世間の理想とする、誰もが経験してるだろって前提でいる普通ってもんが存在していて、その普通に焦がれて、でもやっぱり自分たちには無縁だと思っていて、でもそのことを世間のやつらが知らないことになんだかモヤモヤするものがあって……そんな2人の人生が、いい方向に向きますようになんて、つい思ってしまった。 -
三作とも素晴らしかった。
読みながらずっとうすら寒い話と、ゾッとする話と、何だか泣けてくる話だった。 -
現代の文芸は刺激が強いな! 「痒いところ」と反対に、「触られると不快なところ」を刺激してくる短編群で、ホラー映画を観る思いで何度も中断しながら読んだ。特に、1作目に溢れるパワーワード群がエネルギーを吸い取るので、共感性羞恥の気があるネットユーザーはしにます。
いまどきのインターネットサービスに絡め取られてしまったダメな人たちが、そのダメ属性を全開に発揮してなんの希望もなくダメの穴に吸い込まれていく。作者が掃き出し窓からさっさっと処分していく手際が痛快という読者もいるかもしれないけれど、わたしは登場人物たちの打つ手の下手さに憂鬱になってしまったので、読み終えてとにかくほっとしています。今どきの小説をほとんど読まないので、頭に風穴があいた感覚がしたのはよかったかな。 -
現代病って感じ。
一番最初の話「本当の旅」がいちばん苦手だった。読んでる間共感性羞恥で体が痒くなる。
薄っぺらくて痛々しい3人。周りにはいないと思うけど多分こういう人ってたくさんいるんだろうな。それくらい人物描写にリアリティがあって、いやー痛々しいわこいつら、と思いながら読了。
最後の話はちょっと意味わかんなかったです。 -
短編集。
意識高いやつの頭ってこんな空っぽなの?
とイライラしながら、読むかどうか迷って、どうにか読了。
後味微妙。 -
怖かった。
人の弱い部分、見たくない部分、見てほしくない部分に、こんなにもしっくり来る言葉があったなんて想像もしなかったような、そんなぴったりな言葉で表現してくる。わざとらしくなく、淡々と綴る。そこが怖い。 -
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短編3作。
どの話も現実をギリギリ見ないようにしている具合がヒヤヒヤと不穏でよかった。
「本当の旅」が特に面白く読めた。
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期待を裏切らない裏切り方w
ってな事で、本谷有紀子の『静かに、ねぇ、静かに』
本当の旅
奥さん、犬は大丈夫だよね?
でぶのハッピーバースデー
の3話の短編集。
本谷有紀子さんの本を初めて読んだけど、これヤバイなぁ。クセに成りそう。
他の本も読みたくなるなぁ
ダチョウ倶楽部の押すなよ!押すなよ!の芸で結局押すんかいっ!って安心感と、押さないパターンの不安感の波が交互に押し寄せる感覚(笑)
本当の旅は熱湯へ落とされるのが分かっていながら、押されないワンランク上の笑いを欲しがっていたが、結局熱湯へ落とされる安心感とべっとり後味悪い切なさ
奥さん、犬は大丈夫だよね?は無邪気で自分勝手な利己主義者
でぶのハッピーバースデーはよく分からんかった(笑)
2018年82冊目 -
なんか幸せだったり順調だったり、そんな風に見える奴らに八つ当たりするみたいな話
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静かな狂気。
タイトルの意味とは、、深読みしたくなる。
怖いもの見たさでページをめくる手が止まらなかった。
とくに冒頭の「本当の旅」は衝撃。
SNSに翻弄される滑稽さ、これはわたしにもあるしきっと多かれ少なかれ誰にでもあると思う。
タイトルをつけると奇妙な余裕が生まれるという感覚はめちゃくちゃ分かる。
こういう人いる~あるある~と思いながらも異常すぎる展開にゾッとした。
「じゃがりこを食べている人間によくないことが起こるはずがない」
笑った。
個人的には冒頭の話が良すぎて他の2作が霞んでいる感。
他の作品も読んでみたい。 -
「あー、あるある」「居るわ~こういう人」と高見の見物のつもりで読み進めるのだが、だんだん自分も「そっち側」なんじゃないか?という思いがつきまとい始める。
今の時代、自分と、ネットやSNSに翻弄される登場人物達とは違うと言い切れる人は、どれだけいるだろう。
本谷由紀子という人は、ほんと冷酷だ。これからも、普段は目をそらし続けている、自分の薄っぺらさを、著作を通して思い知らせてほしい。 -
3編の中編が収められている。
徐々に日常から離れていく非日常を描くことが得意な作家だが、なかでも『本当の旅』に登場する、若くもない男女3人の世間を甘く見ている姿が本当に恐かった。
世間からずれている境遇を自己正当化し、同じような仲間とつながることで安心し、なんでもポジティブに解釈することで優越感にひたる彼らの、お気軽で薄っぺらい幸福感にゾっとしながら読み進んだ。
「人から見たら、四十二にもなって実家に住んで親に依存してるだけの男かもしれない。でも、違うんだよ。それはそういうやつらが、俺のことをそう見たいと思ってるだけで、ニュートラルな眼差しをきちんと持ち込めば、俺があえて働いてないってことも理解できるはずなんだよ。俺は、俺の眼差しを守ってる。社会から報酬を貰わないことで、人とは違う眼差しを手に入れてる。」(P.50)
愉快な旅から一転してマレーシアの山林に連れ込まれ、明らかにこれから殺されようとしている直前でも、”こんなはずじゃない”と内心思いながら真正面から現実に目を向けることができない。
「なんか怒ってるよ」
とづっちんが言った。
「怒ってるのとか、ウケるね」
「ウケる。マジウケる」(P.78)
他の中編『奥さん、犬は大丈夫だよね?』『でぶのハッピーバースデー』もじんわりくるものがあった。 -
表紙タイトルは、スマホで自撮りすることで撮った写真が反転し、読めるようになるのだそう。
SNSやオンラインショッピングなどのふだん私たちもよく使うインターネットサービスに蝕まれた女性たちの3編。
とくに「本当の旅」には何度もどきっとさせられた。
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期待していなかったが楽しめました。「本当の旅」「奥さん、犬は大丈夫だよね?」怖い。
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本谷さん初読み。インスタグラムにアップするために旅行に行く3人組。ネットショッピングに依存している夫婦が倹約家夫婦と一緒にキャンピングカーで出かける話、容姿にコンプレックスを持ち歯の矯正モニターになろうとするがモニターを配信されるのは困ると思っている夫婦の話。3つとも現代病。読んでいても共感どころがなくタイトルの意味不明。
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短編3作。
どれも締めくくりにモヤモヤ感。
著者プロフィール
本谷有希子の作品
