フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065128718

作品紹介・あらすじ

「こんな光景がこの世にあるのだろうか。こんな大きな構造は見たこともない」
明治維新後まもない日本の地質を調査中だったドイツの若き地質学者ナウマンは、
長野県の平沢で激しい嵐に見舞われた翌朝、眼下に広がる異様な地形に言葉を失った。
約1500万年前に生まれた「怪物」が、その存在を初めて世に知られた瞬間だった。
ナウマンは、それが世界に二つとない稀有な地形であることを確信し、こう命名した。
“Fossa Magna”(「巨大な地溝」の意)

誰もがその名を知っていても、それが何かはよく知られていない「フォッサマグナ」は、
この国の「背骨」のど真ん中を横断する、深さ6000m以上におよぶ巨大地溝である。
それは地質だけでなく、動植物の分布から文化に至るまで日本列島を東西に分断し、
日本と日本人にきわめて大きな影響を与えつづけている。フォッサマグナを抜きにして、
日本列島の将来は語れないのだ。
それにもかかわらず、ナウマンの発見以来、この地形は幾多の研究者の挑戦を拒みつづけ、
その成り立ちも、本当の境界線はどこにあるのかさえも、いまだに謎に包まれている。
確かなのは、世界を見渡しても、このような地形はほかに類がないということだけなのだ。
いったいフォッサマグナとは何か? 
「山」「海」「川」「石」を明快に解説した一連のブルーバックスが好評を博す地球科学の大家が、
それらの知見を総動員して、縦横無尽に「怪物」に斬り込む!

序 章 ナウマンの発見

第1章 フォッサマグナとは何か

第2章 地層から見たフォッサマグナ

第3章 海から見たフォッサマグナ――日本海の拡大

第4章 海から見たフォッサマグナ――フィリピン海の北上

第5章 世界にフォッサマグナはあるか

第6章 〈試論〉フォッサマグナはなぜできたのか

第7章 フォッサマグナは日本に何をしているのか

コラム「フォッサマグナに会える場所」
・糸魚川ジオパーク ・南アルプスジオパーク ・下仁田ジオパーク ・伊豆半島ジオパーク ・箱根ジオパーク 
・男鹿・大潟ジオパーク ・山陰海岸ジオパーク

感想・レビュー・書評

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  • ◯面白い。ただ、この本の性質上、前半部分でややもたつくというか、うまく頭に入らないことがある。また、今更だが地名が頭に入ってないと、どこの話をしているのかよく分からなくなる。
    ◯しかし、こういったことは抜きにしても、フォッサマグナの成立過程は実に興味深く、この本自体が一つの推理小説のようにできている。
    ◯解答編の試論はまさに解決編で、いままでモヤモヤしていたものが一気に歩に落ちるところは爽快。
    ◯この本のまとめがとても壮大な話で、地学の魅力に溢れている気がする。大変満足の一冊だった。

    • やまさん
      yoshio70さん
      こんにちは。
      フォローの見直しをしていて間違って削除と登録を押してしまいました。
      申し訳ありません。
      やま
      yoshio70さん
      こんにちは。
      フォローの見直しをしていて間違って削除と登録を押してしまいました。
      申し訳ありません。
      やま
      2020/02/11
    • yoshio70さん
      やまさん

      コメントありがとうございます。お気になさらないでください^^
      仕事が忙しい時は難しいですが、定期的に本棚拝見させていただいていま...
      やまさん

      コメントありがとうございます。お気になさらないでください^^
      仕事が忙しい時は難しいですが、定期的に本棚拝見させていただいています。
      2020/02/11
  •  久しぶりにネットではなく,本屋さんで出会った本。そして久しぶりに手に取ったBLUE BACKSです。
     「そういえば,フォッサマグナについてはしっかり調べたことがなかったなあ」「この本は読みやすそうだな」と思い購入。予想どおり,とても興味深く,ミステリアスで,謎解きのような本でした。
     フォッサマグナがどのように出来たのかについて,まだ定説がないことにビックリ。それでも,藤岡さんは,他のさまざまな事実を総合しながら,自分の仮説を提出してくれています。
     糸魚川静岡構造線の境目には私も行ったことがあります。地層の様子が明らかに違っていてなかなか興奮する場所でした。近くの駐車場には枕状溶岩の露頭も見れます。もう一度,行ってみたくなったな。
     本書は,フォッサマグナといいながらも,結局は,日本列島はどのようにして出来たのかがちゃんと書かれていて,そういう意味でも,日本列島の誕生を知る入門書となっています。
     いやー,地学っておもしろいわ。

  • 大地溝帯は日本の中心にある大きな裂け目。その位の知識しかなかったが、すっかり知見が広がった気がする。
    本書はフォッサマグナの解説書だが、必然的に今の日本列島がどのように出来たのかを解き明かす本になっている。
    最近、ブラタモリなどで地学って面白いんだと思えることが増えたが、その面白さを再認識することができる。
    それにしても、日本列島は天変地異を繰り返し、今この形であるのはほんの偶然、地球規模の時間では一瞬のこと。何ともありがたいことか。

  • フォッサマグナの成り立ちを解説した書。

    フォッサマグナ、大きな断層帯くらいにしか認識していなかったが、「北部では大地を削り、南部では大地を足すという全く逆の現象が、きわめて大規模に、かつ、15Maというほとんど同時期に同じ場所で起きたことで」出来上がった、他に例を見ないきわめて稀な巨大な溝、とのこと。とはいえ、その成り立ちについてまだ分からないことが多いらしい。

    各地にあるジオパーク、行ってみたくなった。

  • フォッサマグナを発見したのは、ナウマン象で有名な、あのナウマンさん。明治初期に政府がドイツから東京帝国大学に招いた地質学者で、現在の産総研地質調査総合センターを設立した人。まだ若くて気質が激しく難しい人だったらしい。この人がいなければ、日本の地質学はもっとずっと遅れていたのだろう。まだちょんまげ結ってる人もいた異文化の日本に、よくぞ来てくれたもんだ。フォッサマグナとはラテン語で、大きな地溝、の意味。フォッサマグナの西縁は糸魚川から静岡にかけてのラインだが、東縁は諸説あり、まだはっきりしていない。

    地球はマントルの深い部分にある熱くて溶ける寸前のプルームがゆっくりと移動し、地表にマグマとなって噴き出したり、冷えて沈み込んだりしながらプレートを動かす。それにより大陸同士がぶつかって超大陸をつくり、また分裂することを繰り返しながら、1億年くらい前に現在の五大陸が形成された。そのころ日本列島はユーラシア大陸の一部だったが、さらなる地殻の変動によって切り離され、千五百万年くらい前に、今の日本列島の原型ができたらしい。その過程で、東北日本とと西南日本を分けていた海が埋まり、フォッサマグナとなった。だから、フォッサマグナはその両サイドとは地質が違い、海底の形跡が見られる。

    日本列島は、形は安定はしているものの、今なお少しずつ動いている。ユーラシア、北米、太平洋、フィリピン海という四つのプレートがせめぎ合っているのが、Google earthで見てもよくわかる。私たちはひょっこりひょうたん島の住民みたいなもんだな。思いは千々に飛んでいく。

    著者は「しんかい」に51回乗船し、太平洋、大西洋、インド洋の三大洋人類初潜航調査を達成。難しいことを易しく説明した本で、地球科学の面白さ、奥深さを知らしめてくれる本だ。

  • 明治初期にナウマンが発見した、日本列島を真っ二つに分断する「巨大な割れ目」フォッサマグナ。その成因、構造などはいまだに謎に包まれていて、一般向けに書かれた解説書はなかなかつくられない。しかし、フォッサマグナを抜きにして、日本列島の地形は語れないのだ! ブルーバックスで人気を集める地学のエキスパートが挑む!

  • 2020-5-7 amazon

  • 途中知識のなさから難解に思うところもあったが、日本列島の形成の歴史がわかりやすくまとめられている。フォッサマグナは奥深い。地学や地理をもっと学生時代に勉強しておけばよかった。

  • 分かりやすいし面白い
    めちゃくちゃ軽い内容という訳ではないがスッキリしている

  • 1100

    藤岡換太郎
    1946年京都市生まれ。東京大学理学系大学院修士課程修了。理学博士。専門は地球科学。東京大学海洋研究所助手、海洋科学技術センター深海研究部研究主幹、グローバル・オーシャン・ディベロップメント観測研究部部長、海洋研究開発機構特任上席研究員を歴任。現在は神奈川大学などで非常勤講師。潜水調査船「しんかい6500」に51回乗船し、太平洋、大西洋、インド洋の三大洋人類初潜航を達成。海底地形名小委員会における長年の功績から2012年に海上保安庁長官表彰

    この地形に関心を抱いたナウマンはその後も、この地域を二度、調査旅行で訪ねている。

    あらためていうと「フォッサマグナ」とは、本州の中央部の、火山が南北に並んで本州を横断している細長い地帯のことを言います。ナウマンはフォッサマグナの範囲として、日本海側の新潟県糸魚川市~高田平野付近から、太平洋側の静岡県旧清水市(現・静岡市清水区)~神奈川県足柄平野付近に至るまでの広い地域を示しています。北から見ていくと、新潟県、長野県、山梨県、神奈川県、静岡県、東京都です。さらに関連する府県を入れると、富山県、岐阜県、群馬県を含む関東から中部日本となります。

    このようにプレートの境界はほとんどが海の中の海溝です。そこでは海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいて、プレートどうしのせめぎ合いが起こっています。これが「プレートテクトニクス」です。4枚のプレートがひしめく日本列島はたびたび巨大地震に見舞われるなど、数奇な変遷を繰り返してきました。そしてフォッサマグナについても、プレートテクトニクスを通して考えなければ理解できないのです。

    私たち地質学者が研究を行う手法は、いわば探偵が殺人事件の全貌を明らかにするのとよく似ています。私は推理小説やミステリー映画が好きで、アルセーヌ・ルパン、シャーロック・ホームズ、金田一耕助などの登場する本を読みあさったり、刑事コロンボ、アガサ・クリスティなどの映画を好んで鑑賞したりしてきました。名探偵はいつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように、のいわゆる「5W1H」について、証拠捜しや聞き込みなどによってありとあらゆる材料を手に入れます。そして、それらの材料を用いて事件の動機や殺害の方法などを時系列にしたがって矛盾なく説明します。こうして事件の全貌がわかれば、一件落着です。

    伊豆・小笠原弧の衝突にともなう、南部フォッサマグナでのさまざまな現象を見るのに最適なのが伊豆半島ジオパークです。伊豆半島全体と、その北の箱根との境界までが含まれるという広大さで、行政の中心は伊東市(静岡県)、本拠は修善寺にあります。

    フォッサマグナについて知れば知るほど、日本列島のど真ん中にこのようなものを抱えていたら、いつ地震が起きるか、いつ火山が火を噴くかと、気が気でなくなってもおかしくありません。なにしろ、フォッサマグナ地域にはいまも活火山である富士山がすっぽり入っていて、糸静線などの活断層が何本も走っているのです。

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著者プロフィール

ふじおか・かんたろう
静岡大学防災総合センター客員教授。1946年京都市生まれ。東京大学理学系大学院修士課程修了。理学博士。専門は地球科学。東京大学海洋研究所助手、海洋科学技術センター深海研究部研究主幹、グローバルオーシャンディベロップメント観測研究部部長、海洋研究開発機構特任上席研究員を歴任。「しんかい6500」に51回乗船し、太平洋、大西洋、インド洋の三大洋初潜航を達成。海底地形名小委員会における長年の功績から2012年に海上保安庁長官表彰。著書に『山はどうしてできるのか』『海はどうしてできたのか』『川はどうしてできるのか』『三つの石で地球がわかる』『フォッサマグナ』『見えない絶景 深海底巨大地形』(いずれも講談社ブルーバックス)など。


「2022年 『天変地異の地球学 巨大地震、異常気象から大量絶滅まで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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